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第50号 原子力委員会メールマガジン 「原子力島」で考えていること

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    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
           2010年3月12日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 大庭委員からひとこと 「原子力島」で考えていること
┣ 定例会議情報 原子力政策大綱の政策評価に係る関係機関ヒアリング
┃        原子力政策大綱の政策評価に係る有識者との意見交換
┃        近藤原子力委員長の海外出張報告 等
┣ 部会情報等  原子力防護専門部会(第17回)について
┣ 事務局だより ベランダ菜園
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●メールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等を、
https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0002.htmlまで、ぜひお寄せくだ
さい。

━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
 「原子力島」で考えていること  大庭三枝

 私にとっても、周囲にとっても、そして多くの業界に方々にとっても寝耳に水
の人事によって原子力委員に就任してから、約三ヶ月が過ぎようとしています。
私の専門は国際関係論、主にアジア太平洋の国際政治、そのなかでも特に地域制
度や地域主義の展開が専門です。鳩山首相が提唱して話題になった「東アジア共
同体構想」をどう見るか、あるいは今年日本がホスト国となって開催することに
なっているアジア太平洋経済協力APECの活動が地域の国際関係において果たす役
割は何か、といったことが私の本来の研究の中では関心事となります。実際に、
今でもこうした従来の研究も継続しています。
 私は原子力に関しては素人、「よく言えば」原子力に関わりのある業界にまっ
たく利害関係を持たなかった人間です。こうした私が、原子力委員として、日本
の原子力政策にどのような貢献ができるのか、毎日考えながらも立ち止まるわけ
にはいかず、就任以降ずっと走りつづけている感覚があります。実は一月末に、
人生初めてのぎっくり腰を経験して動けなくなりました。周囲の口の悪い同僚や
友人たちは心配しつつも、「そういう年になったんだよ」などといってからかっ
ていましたが、私はこれは「知恵熱」と同様のいわば「知恵ぎっくり腰」だった
のだろうと思っています。就任してから、いままでなじみのなかった原子力につ
いての様々な知識や情報がいやもおうもなくどさっと頭の中に入ってきて、オー
バーヒートしたのでしょう。
 今は状況もだいぶ落ち着き、周囲を見渡す余裕もだいぶ出てきました。今もっ
とも感じることは、原子力業界というのは、専門家や利害関係者で構成されてい
る「島」なんだな、ということです。島の中だけの常識、島の中だけで通ずる言
葉、島の中だけで通じる暗黙の了解。これらが共有されているコミュニティの密
度の濃さを日々感じています。どの分野でも同様の「島」が形成されているとは
思います。しかしながら問題は、社会に原子力業界の動向に大きな影響を受ける
様々なステークホルダーがいて、かつ原子力の技術的なリスク管理のあり方が他
のものと比べてかなり特殊であるということでしょう。さらにいえば、原子力業
界は大きな資金が動く、よって国がそこに関与せざるを得ません。エネルギー安
全保障の確保といった観点からも、原子力は重要な分野です。
 しかしながら原子力業界は、一部の専門家や業界関係者のみで閉じられてしま
っている傾向が強いような気がしてなりません。原子力の重要性や、またそれに
まつわる様々な問題を、例えば日本のエネルギー政策全体の中に位置づける、あ
るいは持続可能な社会の実現のための方策の一部として組み込む。そうした包括
的な枠の中で、他の政策と整合性ある形で原子力政策を推進していく。そのため
には、原子力の専門家や業界関係者のみならず、他の分野の専門家、他の隣接業
界の関係者や様々な立場の市民団体がもっと関与する形で、日本の原子力産業や
原子力政策のあり方を真剣に議論し、それが現実の政策に生かされるような仕組
みが必要なのではないでしょうか。
 さて、唐突ですが、今週末から一週間、イギリスとフィンランドに出張します。
イギリスでは、セラフィールドにおける再処理施設視察等、またフィンランドで
はユーラヨキ高レベル放射性廃棄物施設の視察にいきます。この海外出張は原子
力委員会として最初の出張となります。いきなり海外視察、というのが荷が重い
のも事実ですが、様々な知見が得られることを期待して、出発準備をしています。
この出張については、改めてこのメルマガでお話ししたいと思います。


●次号は尾本委員からのひとことの予定です!


━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●3月2日(火)第11回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

・原子力政策大綱の政策評価「放射線利用」に係る関係機関ヒアリング(厚生労
働省、医療用原子力技術研究振興財団)
<主なやりとり等>
 原子力政策大綱に示される「放射線利用」に関する政策評価の一環として、厚
生労働省及び医療用原子力技術研究振興財団よりヒアリングを実施しました。厚
生労働省からは、誤照射事故対策や医療被ばく線量の最適化等について取組んで
いることや、モリブデンを原料とした放射性医薬品の供給についてなどの説明が
ありました。医療用原子力技術研究振興財団からは、研究助成事業や普及啓発事
業、人材育成事業、計測校正事業について説明がありました。
 委員より、国内外で医療被ばく線量に違いが生じる理由や、放射線医療を普及
するための制度の改善に向けた取組等についての質問等がありました。

・アジア原子力協力フォーラム(FNCA)コーディネーター会合の開催につい
て
<主なやりとり等>
 事務局より、平成22年3月11日から12日に東京で開催する第11回FNCAコーディ
ネーター会合について説明しました。同会合では、原子力平和利用に関するプロ
ジェクトの活動報告、昨年12月に東京で開催した大臣級会合のフォローアップに
関する議論等が行われる予定です。

・近藤原子力委員会委員長の海外出張報告について
<主なやりとり等>
 近藤委員長より、海外出張(2月20日〜26日)の結果について報告がありまし
た。米国サンディエゴで開催された全米科学技術振興協会年次総会及びサンフラ
ンシスコで開催された環太平洋セキュリティ会合における講演とパネル討論の内
容、米国電力中央研究所を訪問し意見交換を行った結果が主な内容でした。


●3月9日(火)第12回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホー
ムページに掲載される議事録をご覧下さい。

・原子力政策大綱の政策評価「放射線利用」に係る有識者との意見交換
<主なやりとり等>
 原子力政策大綱に示す「放射線利用」に関する政策評価の一環として、7名の
有識者にお集まりいただき、放射線利用に関する課題、今後の展望等について意
見交換を行ないました。
 意見交換では、有識者より、国が進めている先端的あるいは大型プロジェクト
のあり方のみならず、大学等における基礎研究のあり方にも配慮すべきであるこ
と、技術移転の際に省庁の壁が障害となっていることなどの意見がありました。


●3月10日(水)第13回臨時会議の概要は以下のとおりでした。詳しくは
ホームページに掲載される議事録をご覧下さい。

・原子力政策大綱の政策評価「人材の育成・確保」に係る有識者との意見交換
<主なやりとり等>
 原子力政策大綱に示す「人材の育成・確保」に関する政策評価の一環として5
名の有識者にお集まりいただき、人材の育成・確保に関する現状分析や今後に向
けての課題等について意見交換を行いました。
 意見交換では、特に国際的に活躍できる人材の育成について等が議論されまし
た。委員及び有識者からは、原子力産業以外の産業における人材育成・確保の経
験をも活用すべきではないかなど、ニーズを把握しそれに合わせた育成方法を執
ることが重要などの意見がありました。

・大庭原子力委員会委員の海外出張について
<主なやりとり等>
 大庭委員が、3月14日から21日に英国及びフィンランドへ出張します。英国で
は、セラフィールド再処理施設の視察、西カンブリア州パートナーシップの有識
者との放射性廃棄物処分地選定に関する合意形成についての意見交換を行うほか、
英国の政府機関と原子力政策について意見交換を行います。フィンランドでは、
放射性廃棄物処分地建設に向けた合意形成について関係者との意見交換等を行い
ます。


※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm 


●次回は3月16日(火)に開催します。議題は以下のとおりです。
・原子力に関する副読本の制作について(文部科学省・経済産業省資源エネルギ
ー庁)
・電気事業者等が公表するプルトニウム利用計画について(日本原燃株式会社、
電気事業連合会、日本原子力研究開発機構 他)
・アジア原子力協力フォーラム(FNCAコーディネーター会合)の開催結果に
ついて
・鈴木原子力委員会委員長代理の海外出張について



●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞ヶ
関の合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布
資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。


━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━

●原子力委員会には調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されています。
これらの部会や懇談会等は原則として公開しており、どなたでも傍聴できます。
開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。


●3月4日(木)に原子力防護専門部会(第17回)を開催しました。なお、同部
会はIAEAの非公開情報を含むため、非公開で審議を行いました。
開催日時:平成22年3月4日(木) 10時00分〜12時00分
開催場所:中央合同庁舎4号館 4階 共用特別第2会議室
議題:・我が国の原子力防護の現状について
   ・IAEA関連勧告文書について
   ・我が国の原子力防護の基本的考え方について
<主なやりとり等>
 文部科学省より我が国の放射性同位元素の防護の現状について、専門委員より
管理を外れた核物質及びその他の放射性物質に対する対応について説明がありま
した。事務局より、IAEAで改訂中の放射性物質の防護及び管理を外れた核物質及
びその他の放射性物質に対する対応のガイドラインの概要について説明しました。
専門委員からは、諸外国との防護体制の違いや管理を外れた物質への対応体制に
ついて意見がありました。

+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
「ベランダ菜園」

 去年春に引越して以来、ベランダ菜園といいますか、小さな植木鉢やプランタ
ーで植物を育てるのが小さな楽しみとなっています。初めの頃は水遣りを忘れた
り、病害虫の発生を放置したりて、せっかく育ってきた植物を枯らしてしまうこ
ともありましたが、最近はだいぶ慣れてきました。3月に入ったとはいえ寒い日
もありますが、蒔いた種から芽が出たり、新芽が少しずつ膨らんだりするのを見
て、春が近づいてきていることを感じています。
 さて、話は変わりますが、今年、一部の原子力発電所は運転開始から40年を
迎えます。その時々の状況に応じた最高の技術と知見をつぎ込んでメンテナンス
されてきた原子炉は、まだまだ現役で活躍していますし、これからの活躍が期待
されています。まだ生まれて数年も経っていないであろうベランダの小さな植物
たち、発電所のように長い時間が経った頃に、今と同様に元気に育っているよう
に、水遣りなどの手入れを忘れずに、大切に育てたいと思っています。・・・野
菜やハーブは育ったら食べてしまうつもりですが。
(平山)


●次号配信は、平成22年3月26日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
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