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第47号 原子力委員会メールマガジン 新春二題

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    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
           2010年1月29日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┣ 近藤委員長からひとこと 新春二題
┣ 定例会議情報 (独)日本原子力研究開発機構の中期目標の変更
┃        平成22年度原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ
┃        平成22年度原子力関係予算ヒアリング
┣ 部会情報等  原子力防護専門部会(第16回)について
┣ 事務局だより 男の育休
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●メールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等を、
https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0002.htmlまで、ぜひお寄せくだ
さい。

━・・・━ 委員からひとこと ━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

新春二題   近藤駿介

 日本には峠を境に自治体が接しているところが多いが、平成の大合併の行われ
た地域では、以前はその故に往来の困難であった二つの共同体の人々が峠を貫通
するトンネルを通じて車で往来し、新しい触れ合いや共同の取組みを始めて、規
模や多様性のもたらす利益を享受している。こうしたことが世界規模で起きてい
るのが、グローバリゼーションであり、地球のフラット化だ。地球上にある地球
人一人当たり10億個のトランジスターと高速・遠距離通信を可能にした光ケー
ブルのネットワークが世界の人々の交流を飛躍的に増大させ、知的活動が促進さ
れ、多様な知が集合して優れたアイデアや活動を生んでいる。こうしたことが人
々にもたらす利益の大きさに着目して、各国政府は自由貿易協定を締結し、ビジ
ョンと勇気のある企業は各地(国)で、その地の特性を活かした研究開発、製品
開発、製造、企画を推進し、それらを有機的につなげて世界市場で競争している。

 勿論、こうした動きに伴って最近の経済危機やSARSの爆発的流行のように
新しい危機も生まれている。しかし、過去の世界なら特定の地域が知れずに絶滅
したに違いない危機が発生しても、いまは、ハイチの悲惨の映像に募金活動が直
ちに始まるように、世界は連帯し、共生に取組むようになっている。

 この環境を活用する組織は、結合している構成要素がお互いの働きを知って知
を動員して状況に適応し、自己変革(イノベーション)を遂げ、目標を達成する
ので、生態系に見立ててイノベーション・エコシステムと呼ばれることもある。
このシステムとある地域が共生するのに大事なのは、そこで経済性に優れた活動
ができることであるが、それだけではない。その地にイノベーションの担い手と
なる能力、アイデア、技術が存在すること、そしてお互いにルールや資源を共有
し、人を受け入れる開放性があることが大切である。また、大前提として、安全
で秩序が保たれており、参加者の間で人々の福祉に対する考え方、その実現に共
同する方針と倫理性が共有されていなければならない。例えば、世界の原子力界
がインドとの協力を目指すのもそうした特性を備え、核廃絶の理念を共有してい
ることを含めて共存共栄を追求する相手として相応しいと認識しているからだ。

 IBM会長のパルミサーノ氏によれば、経営者の80%がビジネスモデルを変
えなくては思っているという。そこで、新春に年賀状をめくりながら、二つのこ
とを考えた。今年はビジネスモデルを変えたいと考えている自治体から、高レベ
ル放射性廃棄物処分場を立地し、我が国の原子力イノベーション・エコシステム
に枢要地域として参加したいと名乗りを上げていただくべく、自治体の勇気とビ
ジョンを尋ね歩こうと。前例がないと言われたら、パルミサーノ氏は「改革を志
す勇気とビジョンがある人や組織にとってそれはグッドニュース。発展につなが
るルール作りを自分が主導できるから」と言っていますよと言うのだ。

 もう一つは、原子力発電をエネルギーの安全保障の確保と地球温暖化対策のた
めに活用したいという国に我が国の原子力エコシステムの共同経営者になっても
らうことの応援。30年ほど前になるが、北アフリカの新興国から東大の原子力
工学専攻大学院に「毎年10人程度の大学院学生を送りたい。フランス語で教育
してくれないか」という申し入れがあった際に、仏語と人数に情けなくも絶句し
たことが思い出される。建国の意気に燃える彼らは、すでに原子力はグローバル
な取り組みでこそ推進されるべきものと感じていたのにだ。しかし、いまからで
も遅くはない。世界から学生が集まる教育研究センターはこのシステムの枢要構
成要素である。篤志の音楽家の活動に倣っての原子力施設立地地域の郷土色豊か
な取組みと連携した原子力サマースクールもあるだろう。我国の成長を目指す長
期ビジョンの達成に貢献するこうした活動を含む世界に展開する我が国の原子力
エコシステムの取組を推進するビジョンと勇気ある人々を讃え、こうした活動を
支える政府の役割の重要性を説き続けなければならない。


●次号は鈴木委員長代理からのひとことの予定です!


━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

●1月19日(火)第2回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホーム
ページに掲載される議事録をご覧下さい。

・独立行政法人日本原子力研究開発機構の中期目標の変更について(諮問)
(文部科学省)
<主なやりとり等>
 文部科学省より、(独)日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)の中期目標
について、「放射性廃棄物の埋設処分」に関する業務を追記する変更について当
委員会に諮問されました。
 委員より、第一期事業の期間が平成60年までとされているが、長期に渡る事項
であり将来には修正があり得るのだからそのことを年頭に丁寧に説明することが
必要との指摘がありました。また、放射性廃棄物の処理・処分というトータルな
プロセスの合理性や、減容処理に関する責任の所在、原子力機構と放射性廃棄物
の発生者との協力等について議論がありました。


●1月26日(火)第3回定例会議の概要は以下のとおりでした。詳しくはホーム
ページに掲載される議事録をご覧下さい。

・平成22年度原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブについて(文部科学省)
<主なやりとり等>
 文部科学省より、平成22年度の原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブについ
て、予算案や公募を予定しているテーマの内容、公募スケジュールについて説明
がありました。
 委員より、このプログラムで良い成果が得られた課題について、有望なものに
対する研究の連続性確保の仕組みなどについて質問がありました。そのほか、社
会科学的な提案が幅広く出されるようにするためには公募テーマの記載振りにつ
いて工夫が必要との指摘がありました。

・独立行政法人日本原子力研究開発機構の中期目標の変更について(答申)
<主なやりとり等>
 第2回定例会において文部科学省より諮問された、原子力機構の中期目標の変
更について、妥当と認める旨の答申を決定しました。答申では、留意すべきポイ
ントとして、@国民の理解と信頼を得つつ実施する事が不可欠である、A集荷か
ら輸送、処理及び処分に至る一連の過程を体系的かつ合理的なものにすることが
重要である、との2点を指摘しています。
 また、委員より、研究施設等廃棄物の処分事業が体系的かつ合理的に行われる
ことが重要であり、費用負担増となる場合には透明性を確保した議論をすべきと
のコメントがありました。

・平成22年度原子力関係予算ヒアリング(総務省、原子力安全委員会、農林水
産省、外務省、原子力委員会、国土交通省)
<主なやりとり等>
 平成22年度原子力関係予算について、関係府省庁よりヒアリングを行いました。
各府省庁より昨年末にまとめられた政府予算案のうち原子力関係予算の全体方針
と重点事項、予算案の概要について説明がありました。
 委員からは、予算額の増減理由や事業の費用対効果、原子力防護に必要な予算
の詳細等について質疑があったほか、事業の成果について積極的な広報活動の期
待等についてコメントがありました。


※資料等は以下のURLでご覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm 

●次回は2月2日(火)に開催します。議題は以下のとおりです。
・原子力学会異常事象解説チーム(チーム110)について(日本原子力学会)
・平成22年度原子力関係予算ヒアリング(経済産業省、文部科学省)
・原子力政策大綱の政策評価「人材の育成・確保」に係る関係機関ヒアリング
(文部科学省)
・原子力政策大綱の政策評価「放射線利用」に係る関係機関ヒアリング(FNC
Aコーディネーター)
・独立行政法人日本原子力研究開発機構の中期目標の見直しの方向性について
(文部科学省)
・原子力防護専門部会の構成員について



●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞ヶ
関の合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布
資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。


━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━

●原子力委員会には調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されています。
これらの部会や懇談会等は原則として公開しており、どなたでも傍聴できます。
開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。


●2月2日(火)に原子力防護専門部会(第16回)を開催します。同部会はIAEA
の非公開情報を含むため、非公開で審議を行います。
開催日時:平成22年2月2日(火) 14時00分〜16時00分
開催場所:中央合同庁舎4号館 12階 共用1214特別会議室
議題:・原子力防護専門部会報告書骨子(案)について
   ・原子力防護に関する現状について
   ・IAEA関連勧告文書について
※開催案内は以下のページでご覧いただけます。
 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/bougo/yotei/yotei16.htm


 +-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
男の育休

 最近、寒い日が続きますが、断熱があまり効かない寒〜いオフィスで、仕事に
励む今日この頃です。
 さて、個人的な話を少々。実は私、来月から育児休暇を取らせていただきます。
妻の仕事復帰の入れ替わりのショートリリーフです。男の育休はまだまだ少ない
ことと思いますが、妻の仕事の事情だけでなく、私自身が子育てに真っ向から向
き合う時間をとってみたいという思いもあって、休む決断をしました。
 ところで、私がお仕えしている原子力委員会は、この1月から新しく4人の委
員の先生をお迎えして、新メンバーで活動を開始したばかり。新しい原子力委員
会が、これからの日本の原子力研究開発利用の未来をどのように切り開いていく
のか、社会とどのようなコミュニケーションをとって国民の意見を吸い上げてい
くのか、まさにこれから...という時期に休んでしまうのが心苦しいところで
す。
 これからは、短い期間ですが、「主夫」として、また、子供を持つ父親として、
外から原子力政策を眺めることになります。その経験を通じて、自分自身新たな
視点を身につけて、今後の科学技術政策、原子力政策に役立てていきたいと考え
ております。お世話になりました。
(牧)

●次号配信は、平成22年2月12日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ 
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○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
 https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0001.html
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
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