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第23号 原子力委員会メールマガジン 2009年1月23日号
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    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
	       2009年1月23日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃
┣ トピックス  田中委員長代理からひとこと
┃        初夢2009「南極と北極の逆転を観る」
┣ 定例会議情報 原子力損害賠償制度の在り方に関する検討会
┣         第1次報告書について など
┣ 部会情報等  市民参加懇談会in鹿児島 参加者募集中! など
┣ 読者コーナー
┣ 事務局だより
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※市民参加懇談会in鹿児島[2月15日(日)13時〜16時]の参加者を
2月9日(木)まで募集中です。皆様のご参加をお待ちしております。

━・・・━ トピックス 田中委員長代理からひとこと ━・・・━・・・━

初夢2009「南極と北極の逆転を観る」

昨年12月にJ-PARCでの中性子、ミュオンの本格的な供用が始まった。建設に7
年の歳月を要したが、世界最高性能のパルス中性子、パルスミュオンの発生に
成功し、超伝導物質や燃料電池の開発、創薬のためのたんぱく質の構造・機能
解析等々、基礎科学はもとより、実用分野での夢のある多彩な中性子・ミュオ
ン科学研究が開始された。2009年には、J-PARCの主要な目的の一つである中間
子やニュートリノ実験も始まる。新たな時代の幕開けである。

近年、我が国のミュオン科学研究グループが宇宙起源のミュオンを利用して火
山のマグマの動きをリアルタイムで撮像することに挑戦してきたが、最近、浅
間山や昭和新山の地下にうごめくマグマを捉えることに成功したとの報道があ
った。放射線を使って物質の内部を非破壊的に観測することをラジオグラフィ
ーと呼び、もっとも知られているのがX線診断である。中性子ラジオグラフィ
ーも実用化されているが、中性子と比べるとはるかに物質をよく透過するミュ
オンの性質を利用したラジオグラフィーの成功は初めてで、噴火や火山性地震
等の予知に役立つことが期待されている。

J-PARCでのニュートリノ実験は、約300km西方にある岐阜県飛騨市神岡町のス
ーパーカミオカンデ検出器で測定し、その間のニュートリノ振動を確認するが
目的である。ニュートリノは小柴先生のノーベル賞受賞によって一気に有名に
なった素粒子である。ニュートリノは、物質との相互作用が極めて小さいので、
通常その存在が意識されることはないが、この地球では毎秒約600億個/cm2の
宇宙からのニュートリノが飛びかっている。また、案外知られていないが、ベ
ータ崩壊に伴ってニュートリノが放出されるので原子力発電所も強力なニュー
トリノ発生源である。

地球は内核とその外側に、溶融した鉄を主成分とする外核、さらにその外側に
マントル層、そしてプレートがあり、マントルの移動によって磁極の反転、即
ち北極と南極が数10万年に一度の割合で反転し、プレートの移動によって大地
震が誘発されてきたといわれている。人類は地球の薄皮のような表面で生活し
ており、その拠って立つ地球内部の動きに支配されている。地球の直径は1200
0kmもあるので、その内部を観測することは容易でない。今のところ地震波だ
けが利用できる唯一の手段である。そこで、ニュートリノの登場である。ニュ
ートリノは、地球をも容易に通り抜けるので、地球のあちこちでJ-PARCからの
ニュートリノを観測すれば、原理的には地球内部の撮像ができるはずである。
J-PARCのニュートリノ強度では弱すぎる、ニュートリノの測定感度が小さいの
で難しいなど敢えていう必要はない、初夢だから。

小柴先生が東海村の小・中学生向けの講演会で、「いずれは自分が解決したい
と思う研究の“卵”を今から3つか4つ抱えると良い。そして、物怖じしない
で自分で何でもやってみてください」と言い残されている。ミュオンやニュー
トリノによって、地球内部の動きを観測できるようになれば、噴火や地震の予
知だけでなく、深地層の動きも予測でき、高レベル廃棄物の課題は一気に解決
するかも知れない。原子力科学の夢は果てしなく大きい。


●次号は松田委員からのひとことの予定です!


━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●1月13日(火)第2回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・原子力損害賠償制度の在り方に関する検討会第1次報告書についての報告(
文部科学省)
<主なやりとり等>
文部科学省より、原子力損害賠償制度の在り方に関する検討会第1次報告書に
ついて説明がありました。委員より、JCOの貴重な経験が風化する前にマニ
ュアルをまとめることの必要性や、国際協力の観点からも条約について検討を
行うことの重要性についてコメントがありました。

・研究施設等廃棄物の埋設処分業務の実施に関する基本方針について(文部科
学省)
<主なやりとり等>
文部科学省より、研究施設等廃棄物の埋設処分業務の実施に関する基本方針に
ついて説明がありました。委員より、そうした基本方針を作成したことを評価
するコメントや、パブリックコメントの状況等について質問がありました。

・浜岡原子力発電所リプレース計画等について(中部電力株式会社)
<主なやりとり等>
中部電力(株)より、浜岡原子力発電所リプレース計画等について説明がありま
した。委員より、原子炉の運転停止後の措置について地域の方々に分かりやす
く説明して欲しい等のコメントがありました。

・高速増殖原型炉もんじゅ屋外排気ダクトの腐食孔の原因と対策について(日
本原子力研究開発機構)
<主なやりとり等>
(独)日本原子力研究開発機構より、高速増殖原型炉もんじゅ屋外排気ダクトの
腐食孔の原因と対策について説明がありました。委員より、責任者・組織の根
本的な意識改革が必要であるとの指摘や、焦らずにきちんと作業を進めること
を期待するコメント等がありました。

・原子力防護専門部会の構成員について
<主なやりとり等>
原子力防護専門部会に新たな専門委員を加えることを決定しました。


●1月22日(木)第3回臨時会議の概要は以下のとおりでした。
・原子力政策大綱に示している核融合研究開発に関する取組の基本的考え方の
評価について
<主なやりとり等>
核融合専門部会長より、同専門部会が取りまとめた「原子力政策大綱に示して
いる核融合研究開発に関する取組の基本的考え方の評価について」の説明があ
りました。原子力委員会は同報告書の内容を適切と判断し、関係行政機関等に
対して、同報告書の提言にも留意しつつ推進することを求めることを委員会決
定しました。

・原子力損害賠償制度の在り方の検討について
<主なやりとり等>
原子力委員会は、第2回原子力委員会において文部科学省より説明が行われた
原子力損害賠償制度の在り方に関する検討会第1次報告書の内容を適切なもの
であると評価し、法律改正の速やかな実現に向けて取組むべきであるとの見解
を示しました。


●次回は1月27日(火)に開催します。議題は以下の予定です。
 ・総合資源エネルギー調査会総合部会報告書について(経済産業省)
 ・平成21年度原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ(文部科学省)
 ・平成21年度原子力関係予算ヒアリング(経済産業省)


●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞
ヶ関の合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や
配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。


━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━

●原子力委員会には調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されていま
す。これらの部会や懇談会等は原則として公開しており、どなたでも傍聴でき
ます。開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけ
ます。

●「原子力委員会 市民参加懇談会in鹿児島」参加者募集中!(〆切2月9
  日(月)17時)
    テーマ:原子力 〜知りたい情報は届いていますか〜「地球温暖化と
        原子力」
    日 時:2009年2月15日(日)13:00〜16:00
    場 所:ブルーウェーブイン鹿児島「楠」(鹿児島市山之口町)

 詳細は以下のURLをご覧下さい。

 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/simin/sankon/yotei/sanka090215/sanka090215.html

●1月16日(金)の研究開発専門部会(第6回)の概要は以下のとおりでし
た。
<議題>
 ・海外における原子力研究開発の状況について
 ・これまでの部会の議論の整理
 ・今後の研究開発の進め方に関する検討の論点整理
<主なやりとり等>
これまでの関係行政機関等からのヒアリング内容を整理し、原子力政策大綱に
沿った研究開発の実施状況を整理するとともに、今後の研究開発の進め方に関
する検討の論点についての議論を行いました。次回以降は、「原子力研究開発
に係る資源・体制のあり方」、「プロジェクト研究と基礎基盤研究の連携のあ
り方」、「原子力技術の産学官連携、技術移転のあり方」、「大型研究開発施
設・設備の有効利用、環境整備のあり方」の各論点について議論を行う予定で
す。

●1月21日(水)の分離変換技術検討会(第6回)の概要は以下のとおりで
した。
<議題>
 ・分離変換技術の研究開発の現状の整理
 ・分離変換技術の今後の課題について
 ・報告書骨子案について
<主なやりとり等>
これまでに日本原子力研究開発機構、電力中央研究所から行ったヒアリングに
基づき分離変換技術の研究開発の現状の整理を行うとともに、各機関から今後
の開発課題についての説明を受けました。また、日本原子力学会におけるマイ
ナー・アクチニド変換概念の特徴と課題に関する検討状況のヒアリングを行い
ました。次回は、今後の分離変換技術の研究開発の進め方について議論する予
定です。


━・・・━━ 読者コーナー ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

●皆さまからのお便りをお待ちしています!このメールマガジンや、原子力委
員会の活動に関するご意見・ご感想等を、melmaga-iken@aec.go.jp まで、ぜ
ひお寄せください。なお、お寄せいただいたご意見・ご感想などは、個人情報
を除きこのメールマガジンに掲載させていただくことがあります。また質問に
つきましては、そのすべてには回答できない場合がありますので、ご了承をお
願いいたします。


+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

先日、米国でオバマ新大統領が誕生しました。新大統領の原子力政策について
は、原子力は温暖化対策上不可欠との認識であるとか、ユッカマウンテン計画
には懐疑的である、とか色々な前評判が伝わっているようですが、個人的には、
いささかミーハーですが、彼の代名詞ともなった「Yes, We Can」と「Change」
にあやかって(?)、日本の原子力界の「Change」に微力ながら貢献できれば、
と思っています。

とはいえ現実の道は厳しく、最近、研究開発関連の事務局業務を担当している
と、“日本の原子力研究開発は一度始めると止められない”といった意見をよ
く聞きます。予算や人材といったリソースが年々減少する中で、前と同じこと
をしていては徐々に首が絞まっていくことは誰もが認識していながら、なかな
か状況を打破できないジレンマ。これを何とかするためには現場の声、とりわ
け最前線の研究者の声が欠かせません。

というわけで、研究開発にかかわらず、原子力政策に関するご意見がございま
したら、お気軽にホームページ等を通じて事務局までお寄せください。(木下)

●次号配信は平成21年2月6日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ 
 mailto: melmaga-iken@aec.go.jp
○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
  http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
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