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@mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
2008年8月1日号
☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2008.8.1━━━
┣ トピックス 田中委員長代理からひとこと
┣ 定例会議情報 「20/20プロジェクト」有識者委員会報告書の報告
┣ 原子力関係経費の概算要求構想及びフォローアップのヒ
┣ アリングなど
┣ 部会情報 政策評価部会「放射性廃棄物の処理・処分」意見募集中!
┣ 読者コーナー ご意見やご感想を募集中です!
┣ 事務局だより
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※政策評価部会「放射性廃棄物の処理・処分」の報告書(案)に対するご意見
の募集が8月3日(日)で終了します。皆様からの率直なご意見をお待ちして
おります。
━━・・・━━ トピックス 田中委員長代理よりひとこと━━・・・━
「夏の思い出:ビキニの3つのスフィンクス」
磐梯朝日国立公園の裏磐梯高原にある五色沼の入り口の直ぐ手前に諸橋近代美
術館がある。池を挟み緑に囲まれた美術館の佇まいに気を引かれつつも、裏磐
梯に出かけた方の多くは美術館を横に見ながら五色沼に向かうようである。
この美術館は、シュ-ルレアリズムの巨匠サルバドール・ダリの作品を数多く
展示し、ダリのコレクションとして、世界でも3指に入ると云われている。ダ
リの作品は、時計の針が垂れ下がった彫刻とか、ビーナスのお腹から引き出し
が飛び出している彫刻とか、首を傾げながら作品のメッセージを想像しなけれ
ばならないものばかりで、観賞するのに少しパワーが要るがじっくりと眺めて
いると様々な想像をかき立ててくれるところが面白い。中でも、個人的に強く
印象に残っているのが「ビキニの3つのスフィンクス」である。
この絵には、きのこ雲を似せた3本の大木が描かれていて、大きな枝の繁みの
中にアインシュタインとフロイトの顔が隠し絵となってはめ込まれている。
3本の木は、広島、長崎の原爆、そしてビキニでの核実験を表わしている。
ダリは鑑賞者を試すような隠し絵を好んで描いたということだが、なぜ、アイ
ンシュタインとフロイトかである。美術館の学芸員は、次のように説明してく
れた。ダリはある時「ヒトの争いを無くす方法はないか」と当時を代表する心
理学者であったフロイトに尋ねた。しかし、ダリの期待に反して、「ヒトから
争いを無くすことは不可能である」という冷徹な返事があった。この回答はダ
リをひどく失望させ、その結果として描かれたのが「ビキニの3つのスフィン
クス」であるということである。アインシュタインは、原爆の親として描かれ
ているとのことであった。原爆の父はオッペンハイマ-であり、アインシュタ
インが直接原爆製造に関与したことはないと理解していたので、アインシュタ
インの隠し絵についての説明には若干の疑問は残る。アインシュタインはナチ
スとの戦争に勝つために原爆の製造を認めたことを悔やみ、戦後はラッセル卿
等とともにパグウオッシュ会議を主唱し、核兵器廃絶運動に取り組んできたこ
とはよく知られている。したがって、ダリがアインシュタインを描いた本当の
理由は自分で推測するしかない。いずれにせよ、アインシュタインの核兵器廃
絶への思い、フロイトの人間の愚かさに対する冷徹な評価、人間同士の争いを
嫌ったダリという全く異なる分野の3人の巨人の思い、広島、長崎に懲りずに
ビキニでの核実験を繰り返していることに対する憤りが、この絵に集約されて
いるようである。
洞爺湖サミットでは、気候変動とエネルギー安全保障上の懸念に取り組む手段
として、原子力は温室効果ガスの排出量を減少させる不可欠の手段であるとさ
れたところであるが、同時に、その大前提としての平和利用の担保の重要性が
再確認された。国際的にみると核の拡散、核テロへの懸念は増大しており、原
子力を人類のために広く役立てるということは並大抵のことではない。
夏になると高原の涼を求めて、裏磐梯に出かける方もおられるかも知れない。
諸橋近代美術館の「ビキニの3つのスフィンクス」は、そこに描き込まれたア
インシュタインとフロイトを探し当てる楽しみとともに、原子力の平和利用の
重さを改めて思い起こす一時の機会を与えてくれるはずである。
○田中委員長代理の紹介
田中俊一(たなか しゅんいち)
原子力委員会委員長代理(常勤)
元日本原子力研究開発機構特別顧問、工学博士
2007年(平成19年)1月より原子力委員会委員長代理(常勤)
ご紹介のページはこちら ↓
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/iin/tanaka.htm
●次号は松田委員からひとことの予定です!
━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━
●7月22日(火)第32回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・「20/20プロジェクト」有識者委員会報告書について
<主なやりとり>
産業技術総合研究所の吉川理事長より、報告書の概要と委員会に参加した所感
について説明がありました。委員との意見交換では、
・各種エネルギー技術が人類の持続的発展に果たす役割を議論する際の重要
な視点は、短期的な経済性ではなく、その利用に係るリスクの評価に基づ
くべき
・原子力は、エネルギー技術の中では先行的にリスク評価がきちんと行われ
ている技術であり、日本はそうした分析や経験に基づいて、もっと国際社
会に発信し、貢献していくべき
との指摘がありました。
・日中原子力協定について
<主なやりとり>
日中原子力協定に基づく書簡の交換について、外務省の担当者より報告があり
ました。報告においては、
・日中原子力協定に基づいて日中間で移転された原子力関連品目に係る平和
的利用を確認するための具体的措置について合意するもの
・書簡の交換によって、日中間の協力のための枠組みが強化され、長期的に
安定した原子力協力関係を確保し、我が国の原子力の平和的利用の維持及
び促進に資することとなる
との説明がありました。
<リンク>
外務省 プレスリリースのページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/h20/6/1180654_910.html
・G8サミットについて
<主なやりとり>
G8サミットにおける環境・気候変動や政治についてのとりまとめ文書、3S
(核不拡散/保障措置、原子力安全および核セキュリティ)に立脚した原子力
エネルギー基盤整備に関する国際イニシアチブ、原子力安全セキュリティ・グ
ループ報告書について、外務省の担当者より報告がありました。
<リンク>
北海道洞爺湖サミットのページ
http://www.g8summit.go.jp/
●7月29日(火)第33回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・平成21年度原子力関係経費の概算要求構想及びフォローアップのヒアリン
グ(原子力委員会、原子力安全委員会、外務省、総務省、農林水産省)
<主なやりとり>
平成21年度原子力関係経費の概算要求構想及び原子力委員会決定等のフォロ
ーアップに関して、関係省庁の担当者より説明がありました。委員より、必要
な予算については適切に要求し確保するよう務めて欲しいとのコメントがあっ
たほか、具体的な取組等についての質問がありました。
●7月31日(木)第34回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・平成21年度原子力関係経費の概算要求構想及びフォローアップのヒアリン
グ(文部科学省、経済産業省(環境省)、国土交通省)
<主なやりとり>
平成21年度原子力関係経費の概算要求構想及び原子力委員会決定等のフォロ
ーアップに関して、関係省庁の担当者より説明がありました。委員より、選択
と集中に際しての選択を誤ることの無いよう十分に注意して欲しいとのコメン
トがあったほか、省庁の枠を超えた連携について要請がありました。
●次回は8月5日(火)に開催します。議題は以下の予定です。
・原子力人材育成関係者協議会報告書について
・三菱原子燃料株式会社における核燃料物質の加工の事業の変更許可につい
て(答申)
●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。
定例会議は通常毎週火曜午前、霞ヶ関の合同庁舎4号館で開催しています。ど
なたでも傍聴できます。開催案内や配布資料はすべてホームページでご覧いた
だけます。
<リンク>
○原子力委員会「定例会議・臨時会議」のページ
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/index.htm
━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━
●原子力委員会には、下部組織として部会や懇談会等が設けてあり、これらの
会合でも調査審議を行っています。これらの部会や懇談会等は原則として公開
しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料はすべてホームペー
ジでご覧いただけます。
●原子力委員会 政策評価部会「放射性廃棄物の処理・処分」の報告書(案)
に対するご意見の募集が、まもなく終了します(平成20年8月3日(日)ま
で)。ご意見をお持ちの方は、お早めにお願いいたします。皆様からの率直な
ご意見をお待ちしております。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/seisaku/bosyu/080704/bosyu080704.htm
●7月30日(水)の原子力防護専門部会(第12回)の概要は以下のとおり
でした。
<議題>
・非破壊検査装置イリジウム192の盗難に対する対応について
・放射線源登録管理制度について
・放射性物質のセキュリティに関する基本的考え方(案)について
<主なやりとり等>
文部科学省の担当者より、イリジウム192の盗難および放射線源登録管理制
度について説明がありました。また、事務局より放射性物質のセキュリティに
関する基本的考え方に関する現状の論点について説明し、審議を行いました。
●8月1日(金)の研究開発専門部会 原子力試験研究検討会(第17回)の
概要は以下のとおりでした。
<議題>
・平成20年度継続課題の中間評価結果について
・平成19年度終了課題の事後評価結果について
<主なやりとり等>
平成18年度に研究を開始した10課題を対象にした中間評価及び平成19年
度に研究を終了した21課題を対象にした事後評価について、各WGで実施さ
れた評価結果が報告され、各研究課題の評価を実施しました。
━・・・━━ 読者コーナー ━━・・・━━・・・━━・・・━
●皆さまからのお便りをお待ちしています!
このメールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等がござ
いましたら、melmaga-iken@aec.go.jp まで、ぜひお寄せください。貴重なご
意見として、今後の参考とさせていただきます。なお、お寄せいただいたご意
見・ご感想などは、個人情報を除きこのメールマガジンに掲載させていただく
ことがあります。また質問につきましては、そのすべてには回答できない場合
がありますので、ご了承をお願いいたします。
+-+ 事務局だより+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
暑い日が続きますね。団扇パタパタしながら、仕事をすることも多い今日この
頃です。
さて、趣味の話で恐縮なのですが、私はプライベートでは動物園マニアをやっ
ておりまして、動物園の話を少々。
北海道の旭山動物園は大人気ですが、全国的に見れば経営が苦しい動物園が多
いようです。一方で、近年、動物園では、娯楽だけでなく、「種の保存」や「
環境教育」といった取組が活発になってきました。
しかし、このような取組は、収益につながる事業ではなく、重要な取組であり
ながらも、市民に支持されなければ持続的に実施していくことは難しいでしょ
う。一般の方々に対して、動物園の現代的な役割をご理解いただき、これを応
援していだくための活動の重要性が益々高まっています。
翻って、原子力政策も、一般の方々に支持していただけるかどうかがカギです。
特に、地球温暖化問題を回避していくためには、原子力に真っ向向き合ってい
くしかありません。
このメルマガも、多くの方々に原子力政策に対するご理解を得ていく活動のひ
とつ。原子力委員会の活動を知っていただき、これを応援していただけるよう、
気を引き締めてまいります。(牧)
●次号配信は8月22日(金)午後の予定です。
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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ
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http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm
○原子力委員会ホームページ http://www.aec.go.jp/
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