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核燃料サイクル施設のむつ小川原地区への立地について


原子力局
核燃料サイクル事業化推進室

 昭和59年4月、電気事業連合会が青森県に対して、ウラン濃縮施設、再処理施設及び低レベル放射性廃棄物貯蔵施設の3施設を下北半島の太平洋側に立地したいので協力して欲しいとの要請を行ったことにより核燃料サイクル施設の立地問題がスタートした。同年7月には、電気事業連合会は、六ケ所村のむつ小川原地区に3施設を一括して立地したいと正式に青森県及び六ケ所村に対し施設の概要を添えて立地協力要請を行った。これら3施設の概要は第1表に示すとおりである。

 この要請を受けて、青森県知事が県論の集約に当たったが、その過程で、専門家に委嘱して核燃料サイクル施設の安全性について検討を進め、昨年11月報告書がとりまとめられた。また青森県知事が県内各界各層からの意見をも聴取した。

 一方、六ケ所村においては最終的に村議会全員協議会を開催し、その結果を踏まえ本年1月六ケ所村長から青森県知事に対し立地協力要請を了承する旨の回答が行われた。

 一方、国に対しても青森県知事から、核燃料サイクル事業を国の政策上重要なものとして位置付けること、安全確保に万全を期すること、電源三法交付金を全ての施設に適用するよう努めること等について本年2月照会が行われた。

 このような経緯を踏まえ、本年4月9日、青森県議会全員協議会が開催され、知事から最終的に立地協力要請を受け入れてしかるべきとの判断に至った説明が行われ、4月18日正式な立地協力要請受諾の回答が文書をもって行われた。また、同日、「原子燃料サイクル施設の立地への協力に関する基本協定書」が、電気事業連合会会長を立会人として、青森県知事、六ケ所村長、日本原燃サービス(株)、日本原燃産業(株)の間において締結された。

 なお、再処理を担当する日本原燃サービス(株)は昭和55年に設立されていたが、日本原燃産業(株)は、本年3月1日、ウラン濃縮、低レベル放射性廃棄物貯蔵を行う会社として設立されたものである。

 政府は、このような動きを受け、この核燃料サイクル施設をむつ小川原地区に立地するに伴い、昭和52年8月行われたむつ小川原総合開発会議の申し合わせ、むつ小川原開発についての閣議口頭了解を修正する必要が生じたため、青森県が行ったむつ小川原開発第2次基本計画に対する所要の追加修正の主旨に沿って本年4月24日、むつ小川原総合開発会議においてむつ小川原開発について申し合わせを行うとともに、4月26日閣議口頭了解を行った。

 これら一連の手続きが完了したことにより、今後は具体的な立地に向けて所要の調査等が事業者の手により進められることとなった。この間、原子力委員会は、昨年6月5日、7月29日及び本年4月12日と核燃料サイクル推進会議を開催し、我が国の原子力政策上の最重要課題である自主的核燃料サイクルを早期に確立すべく、調査審議を行った。特に、本年4月12日には、青森県知事の出席も得て開催されたが、今後の推進に当たっては、安全確保に万全を期すこと、広報対策の一層の強化充実が必要であること等の意見が述べられた。

第1表 核燃料サイクル施設の概要

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