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第5回 TASTEX運営委員会の結果について


原子力安全局保障措置課

1 期 間 昭和56年5月26日~28日
2 場 所 東京(動燃)
3 出席者
  日本 川崎保障措置課長、中島動燃理事等
  米国 J.L.ブルーム(在京米国大使館)、ハウク(軍縮庁)、セッソム(国務省)、スミス(NRC)、グリーン(国際保障措置計画室)
  仏国 デイアン(原子力庁)、フラジャビル(原子力庁)、レニエ(COGEMA)、シャバルデス(在京仏国大使館)
  IAEA ベックマン(保障措置技術開発部長)、ランドキスト(保障措置技術開発部)、バイヤー(保障措置実施部)
  (下線は代表者)
4 結果
(1) 最終報告書(Final Reports)について

 13項目のタスクに関する最終報告書のリストを確認した。

(2) 実施要約報告書(Executive Summary Reports)について

 第1章(実施要約)を最終的に確定した。第1章第5節(結論)は別紙1の通りである。13項目のタスクに関する本運営委員会としての評価の結果は、別紙2の通りである。

(3) 実施要約報告書の公表について

(ⅰ) 第2章(13項目のタスクの要約報告書)、第3章(施設の概要)及び第4章(活動の歴史)については、各メンバーからのコメントを本年8月31日までにとりまとめる。

(ⅱ) その後、IAEAにより来年4月1日までに、出版する。

(ⅲ) 出版の形は、INFCEの最終報告書と同様にIAEAによる出版物とする。この出版にかかる費用は、約35,000米ドルであり、これは、日、米、仏で平等に負担するものとする。部数は1,400部で、うち700部をIAEAの加盟国に配布し、残り700部を、日、米、仏、IAEAの4者で平等に分配する。

(4) 実施要約報告書以外の資料の取扱いについて

(ⅰ) 実施要約報告書以外の資料については、動燃の商業機密上の情報が含まれているものとして取り扱われ、公表されてはならない。

(ⅱ) 但し、事前に動燃のチェックを受け、商業機密上の情報が除かれているものについては、公表できるものとする。

5 TASTEXの終了

 昭和53年3月に日、米、仏及びIAEAの4者により発足した本プロジェクトは、約3年半にわたり、13項目のタスクについて、開発研究、東海施設での実施試験等が行われた。今回の運営委員会において所要の成果が達成されたとの結論が得られ(別紙1参照)、ここにTASTEXは終了した。

〔参考〕 TASTEX(東海再処理施設改良保障措置技術実証)について

 昭和52年9月の日米再処理共同決定の際の合意に基づき日、米、仏、IAEA四者の共同プロジェクトとして昭和53年3月に発足した。

 東海再処理施設に適用する保障措置技術改良のための13の研究項目(Task)についての研究開発を行うことを目的とし、作業の進捗状況を確認するために、運営委員会を開催した。

別紙1

TASTEXの結論の概要

(1) 再処理施設におけるIAEA保障措置の適用及び使用という観点からみてTASTEXの13項目のタスクを評価すると非常に大きな進歩であったと言える。

(2) タスクE、G、H、及びAの一部に関し開発された技術は、国際保障措置への適用が可能であることが示されたが、更にIAEAは、通常査察に使用できるように開発した査察用機器を実際に設置するのに必要な追加的な要検討事項を明らかにした。これらのタスクの一部については、実際の保障措置に近い将来適用できそうなものがある。

追加的な要検討事項は次のとおりである。

○ 機器及び測定に関する信頼性、精度を決めるための追加データの獲得
○ 機器類の操作に関するIAEA職員の訓練
○ IAEAのリコメンデーションに基づく機器類の改造
○ 独立検証技術の開発と試験及びシステムの弱点の解明
○ 検認手段を含む査察手続きの作成
○ 査察用機器の全体的な保障措置計画への組込み

(3) タスクAの一部、タスクC,及びJの技術的可能性については、東海で実証試験を行いうるし、又、そうされることとなろう。タスクF及びIは、国際保障措置への適用可能性、特にIAEAによる商業情報への接近の度合という点が確立されうるならば、極めて重要なものとなろう。

 タスクK及びLはキャンペーンベースでプルトニウム入量を検認するのに有用である。

 なおタスクB、D及びMの東海再処理施設への適用性については決定できなかった。

(4) いくつかのタスク(タスクE、G、H及びタスクAの一部)については、IAEA保障措置としての実施を目的とする試験と実証を施設者の協力を得て対IAEA技術支援計画の下で、継続されることが強く期待される。

 いまだ開発段階にあるその他のタスク(例えばタスクC、F、I及びJ)については、他の国際協力計画の一環として更に開発されることとなろう。

(5) TASTEXは当初合意を得た目的を完遂し成功裡に保障措置技術の改善に対する国際協力の実を挙げた。国際協力は保障措置の改善に必須の要件であり、核燃料サイクルにおける保障措置技術の一層の開発に対しては、TASTEXという型の計画はとりわけ適切な手段ということができよう。

別紙2

第5回運営委員会におけるTASTEXの各TASKの最終評価結果

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