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日本原子力船研究開発事業団の原子力船の開発に関する基本計画 昭和56年2月4日
内閣総理大臣及び運輸大臣
原子力船の開発を総合的かつ効果的に進めるため、日本原子力船研究開発事業団を中心として一貫した責任体制の下に、原子力第1船の開発及び原子力船の開発に必要な研究を行うものとし、資金、人材のみならず、研究開発の面においても広く官民の協力を求め、事業の円滑かつ効率的な推進を図るものとする。 開発を進めるに当たっての基本方針及び事業の大綱は次のとおりとする。 Ⅰ 基本方針 (1) 原子力基本法の精神が十分生かされるよう努めるものとする。 (2) 資金、人材の面において関係試験研究機関及び産業界の協力を求め、計画の円滑な推進を図るとともに広く我が国の原子力船に関する技術の向上を図るものとする。 (3) 原子力第1船の設計と建造は、可能な限り国内技術によって行うものとする。 (4) 原子力第1船の安全性の確保については、慎重に検討し万全を期するものとする。 (5) 原子力第1船は、実験船として、原子力船に関するデータ、経験の取得に最大限の活用を図るものとする。 (6) 原子力船の開発に必要な研究については、原子力第1船の成果を十分に活用しつつ、経済性、信頼性の優れた船舶用原子炉を中心として行うものとする。 (7) 関係試験研究機関と密接な連携を保ち、研究開発を効率的に進めるものとする。 Ⅱ 事業の大綱 1. 原子力第1船の開発
(1) 建造等
原子力第1船は、遮蔽改修、安全性総点検等を行い、建造をできるだけ早期に完了するものとし、これに並行して陸上附帯施設の整備を行うものとする。 (2) 乗組員の養成訓練
原子力第1船の円滑な運航を期するため、日本原子力研究所等において乗組員の養成訓練を行うものとする。 (3) 実験航海
原子力第1船の建造完了後、実験航海を行い、原子力第1船の諸性能を実証するとともに、船舶用原子炉の開発等に必要なデータ、経験を取得するものとし、併せて、操船技術の習得を始めとする乗組員の原子力第1船に対する慣熟を図る等運航経験を得るものとする。 (4) 開発成果の取りまとめ
原子力第1船の開発の各段階において得られたデータについて遂次解析評価を行うとともに、その総合的取りまとめを行うものとする。 (5) 実験航海終了後の措置
(6) 実験航海終了後における原子力第1船及び陸上附帯施設等の取扱いについては、別途具体的な措置を検討するものとする。 2. 原子力船の開発に必要な研究
経済性、信頼性の優れた船舶用原子炉等の概念の確立に必要な設計評価研究を行い、その成果を踏まえて、以後の研究開発計画の具体化を図るものとする。 |
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