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新エネルギー研究開発等に関する日米科学技術協力第1回作業部会共同発表


昭和53年9月6日

1 新エネルギー研究開発等に関する日米科学技術協力についての第1回作業部会は、9月4日、5日及び6日東京において開催された。

 日本側からは、団長の外務省宮崎外務審議官以下外務省、文部省、通産省、科学技術庁の代表が出席し、米国側からは団長のドイチ・エネルギー省研究局長をはじめ、大統領府、国務省、エネルギー省及び全米科学財団の代表が出席した。

2 今次会合は、福田総理大臣が去る5月の日米首脳会談で、カーター大統領に対して日米科学技術協力を推進したい旨提案し、カーター大統領が同提案を歓迎したことから出発するものであり、その最初の公式のステップを成すものである。

 両政府は、エネルギー研究開発における両政府の協力は、最近のボンにおける両国首脳間の会合において合意された原則と政策を促進するものであり、また、国際エネルギー機関におけるエネルギー研究開発協力を補完し、かつ強化するものであることを留意した。

 今次会合では、日本側は、福田総理のカーター大統領に対する提案の趣旨を詳しく説明した。日本側は福田総理が5月4日ニューヨークで行った「21世紀に向けての日米協力」と題する演説に言及し、その中で総理が日米協力の有望な分野として科学技術協力を採り上げたいと述べ、日米の果すべき役割はより良き世界を作ることであり、かつ21世紀世代の繁栄と幸福を保証することであると述べたあと、日米協力の拡大が望まれるのは新たな代替エネルギーの開発問題であることを指摘したいと述べたことを想起した。日本側は、核融合を共同研究開発のための特に有用な分野として指摘した。

 日本側は以上の福田総理の提案の趣旨に鑑み本件協力の目的は大要、21世紀を展望し、日米が協力してポスト・オイル時代の一題である新エネルギーの研究開発を行うことにあると述べた。

 これに対し米側は、福田総理の日米協力構想を歓迎する旨述べた。同時に米側は、非エネルギー分野についての科学技術協力を含めたい旨述べた。日本側はかかる協力が含まれるであろう旨述べた。日米双方は、両国の協力が開発途上国の需要を考慮に入れるべきことを合意した。

3 研究分野としては、本件協力の趣旨にかんがみ核融合を優先させることにつき日米双方の見解が一致した。双方はまた石炭液化につき協力することも合意した。更に太陽エネルギー・光合成、地熱エネルギー及び高エネルギー物理も含まれることとなった。

4 これらの分野における協力の具体的なプロジェクトについては、次回の作業部会で明らかにされることとなろう。

5 本件協力を円滑に実施し、協力に関する諸問題につき両国政府に助言するため、ハイ・レベルの日米合同委員会を設立することが、合意された。


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