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住友金属鉱山株式会社東海核燃料工場における加工事業の変更について(答申) 52原委第414号
昭和52年7月5日
内閣総理大臣 殿
原子力委員会委員長
昭和52年4月18日付け52安(核規)第1492号をもって諮問のあった標記の件については、下記のとおり答申する。 記 (1)標記に係る許可の申請は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規則に関する法律第16条第3項において準用する第14条第1項各号に掲げる許可の基準のうち第1号及び第2号については適合しているものと認める。 (2)上記許可の基準のうち第3号については、別添の核燃料安全専門審査会による安全性に関する審査結果報告のとおり適合しているものと認める。 (別添)
昭和52年6月27日
原子力委員会
委員長 宇野 宗佑 殿
核燃料安全専門審査会
会長 山本 寛
住友金属鉱山株式会社東海核燃料工場における加工事業の変更に係る安全性について
当審査会は、昭和52年4月22日付け52原委第253号をもって審査を求められた標記の件について、結論を得たので報告します。 Ⅰ 審査の結果 住友金属鉱山株式会社東海核燃料工場の加工事業の変更に関し、同社が提出した「核燃料物質の加工の事業の変更許可申請書」(昭和52年4月5日付け申請)について、「加工施設の安全審査指針」に基づき審査した結果、「Ⅲ審査の内容」に示すとおり、本加工事業の変更に係る安全性は、十分確保し得るものと認める。 Ⅱ 変更の内容 1 UF6保管棟の新設
工場に受入れた六フッ化ウランを、輸送容器に収納したまま貯蔵するためUF6保管棟を新設し、棟内にUF6ボンベスペーサ、クレーン、フォークリフト等を設置する。 2 第2粉末保管棟の新設
製品である二酸化ウラン粉末及び原料であるスクラップのウランの貯蔵能力を増加させるため、第2粉末保管棟を新設する。また、既設の一時保管施設棟を第1粉末保管棟と呼称することとし、第2粉末保管棟と同じ方法で貯蔵する。 なお、今回の変更により加工能力は変わらない。 Ⅲ 審査の内容 本変更にあたっては、以下のとおり適切な配慮がなされているので、変更に伴う安全性は確保されるものと判断する。 1 放射線管理
(1)UF6保管棟における放射線管理
UF6保管棟においては、六フッ化ウランを輸送容器に密封した状態で貯蔵することとしているので、ウランによる室内の汚染の恐れはなく、棟内は、第2種管理区域(密封状態のウランのみを取り扱う区域)として作業者に個人被ばく測定用具を着用させ、定期的に室内の空間線量率の測定を行うこととしている。 (2)粉末保管棟における放射線管理
両粉末保管棟においては、二酸化ウラン粉末及びスクラップのウランをビニール袋に詰め、粉末輸送容器に収納した状態で貯蔵することとしているので、ウランによる室内の汚染の恐れは少く、第2種管理区域として放射線管理を行うこととしている。 2 臨界管理
(1)UF6保管棟の臨界管理
UF6保管棟においては、六フッ化ウランを30インチ型、12インチ型及び8インチ型の円筒形輸送容器に収納した状態で最大63個(但し、30インチ型容器のみの場合は、最大30個とする。)まで貯蔵することとしている。 輸送容器個々の臨界管理については、六フッ化ウラン発送元である米国の濃縮工場における文献に基づき評価しており、貯蔵にあたってその臨界評価の条件を変えることはない。 保管棟内で貯蔵し得る輸送容器の型及び個数については、前訳文献の臨界評価の計算条件から中性子相互干渉を評価し、定めている。また、容器の表面間距離については、同様の条件で評価し、65㎝以上保つこととしている。 (2)粉末保管棟における臨界管理
両保管棟においては、二酸化ウラン粉末及びスクラップのウランを、A型第1種核分裂性輸送物として「放射性物質の輸送に関する安全基準」(昭和50年1月30日原子力委員会決定)を満足するよう輸送容器に収納して最大800個を一時的に保管する。 容器の配置に係る臨界管理については、配列は立体的に無限個数とし、ウランを取巻く断熱材の密度を反応度の最も高くなる密度とする等安全側に仮定し、核計算コードで中性子実効増倍係数を求め、十分小さなものであることを確認している。 (3)耐震耐火性
UF6保管棟及び第2粉末保管棟は、いずれも平家建て、主な架構H型鋼を用い、水平震度0.2に耐えるものとし、使用材料は、不燃材を主体とすることとしている。 Ⅳ 審査の経過 本審査会は、次表のとおり、昭和52年4月25日第5回審査会において審査を行い、引き続き加工・使用部会において昭和52年5月25日及び6月21日に審査を行い、本報告書を決定した。 なお、同部会の委員は次のとおりである。 部会委員
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