1 日豪原子力協定は、両国の原子力平和利用に関する協力を一層強めるとともに原子力の国際協力関係とりわけ核燃料供給源の多角化を図るために本年2月21日調印され、その後、6月16日に国会で承認された結果、日豪双方にとって協定発効のための要件が整ったため、7月28日閣議の決定を得て同日午後3時東京で大平外務大臣とフリース駐日豪州大使との間で協定発効のための通告文の交換を行ない、即日発効することとなった。 |
本協定は、
(イ)両国の原子力の平和的利用を促進しおよび開発するための協力の方法(専門家の交流、情報の交換ならびに核燃料、設備、施設および役務の供給、受領)
(ロ)本協定に基づいて入手した核燃料、設備等が平和目的にのみ使用されることを確保する義務
(ハ)この義務の履行を確保するため、国際原子力機関(IAEA)との間に、保障措置の移管に関する三者間協定を締結すべきこと
(ニ)本協定の有効期間は25年間、以後は自動延長等を規定している。
本協定の成立により、豪州から天然ウランの入手が円滑に進展するものと予想される。 |
2 また、日豪原子力協定に基づく保障措置の実施を国際原子力機関(IAEA)に移管するための日豪IAEA保障措置協定については、かねて日本、豪州およびIAEA三者間で交渉を行なってきたところ合意をみたので、7月28日閣議の決定を得て、同日ウィーンにおいて、日本側藤山駐オーストリア大使、豪州側コーカリー駐オーストリア大使、IAEA側チェルニリン事務局長代理の三者間で署名し、即日発効する予定である。(日本時間午後7時、現地時間午前11時の予定)
同保障措置協定は、従来の日米、日英、日加の三保障措置協定とほぼ同様な内容を有し、
(イ)保障措置適用物資についてのIAEAにおける在庫目録の設定、
(ロ)原子力物資受領国のIAEA保障措置文書に従った記録、報告、設計資料の提出、査察の受入れ等の義務
(ハ)IAEAの保障措置適用にあたっての義務
(ニ)有効期間は日豪原子力協定の有効期間と同じであること等を規定している。
本協定の成立により、日豪間で移転された原子力物資についてはIAEA保障措置が適用されることとなる。 |