放医研、第1回放射線防護短期研修課程を開始

 昨年11月、第1回研修生募集を行なった放医研養成訓練部では、その後、応募者75名について12月11日、塚本所長を委員長とする選考委員会を開催、研修生30名(うち1名は放医研所員)の採用を決定した。同選考委員会は所外から原研理事木村健二郎(代理出席浜田達二)、原子力局アイソトープ課長鈴木嘉一両氏の参加を得、所内から伊沢正実養成訓練部長、渥美節夫管理部長の5名によって構成し、ほぼ次のような基準で選考した。
 ○放射線管理の実務についているもの
 ○放射線管理とともに利用に従事しているもの
 ○放射線管理の行政事務にあたっているもの
 ○放射線またはアイソトープ利用の業務のみに従事しているもの

 以上にしたがって選考された研修生の内訳は別表のとおりであるが、民間からの採用者が予想に反して僅少であったことは、応募者の多くが放射線またはアイソトープの利用業務のみに従事するものか、労務管理の事務関係者であったためである。この点、放医研側の募集方法や、応募者側の認識等について今後改善の余地があるものと考えられる。

 なお、35年度は今回と同様のコースが2回予定されており、医学コース、長期コース等の開設は36年度以降になるものと予想される。

 今回の研修課程は1月25日開講、3月25日終了の予定で都合8週間に及び短期とはいえ、わが国ではこの種の研修としてははじめてのかなりの日数を要するもので、ようやく地歩の固まったわが国の原子力開発体制のなかで、障害防止への関心を具体化する第1歩を築き上げる意味で、注目と期待の集まるところであろう。

第1回研修生内訳