原子力委員会専門部会の審議状況
原子力関係科学者技術者養成訓練専門部会
第8回(11月20日(金)14.15〜17.10)
配布資料
1 昭和45年度必要人員総括表
2 諸外国における人員表
3 GEO組織表
議事概要
前回に引き続き昭和45年度における原子力関係科学者、技術者の必要人員を推定するため、炉1基を製作する場合、経済単位と考えられる再処理工場を操業する場合等の科学者、技術者数を1unitとして算出し、これを発電長期計画等の規模になる場合の件数を勘案して総人員を算定することを討議した。
また参考資料として外国における原子力関係科学者、技術者の人数に関する報告を聴取した。
第9回(12月14日(月)14.00〜16.00)
配布資料
1海外の主要原子力研究所の概要
2日本原子力研究所原子炉研修所カリキュラム
3原子力関係カリキュラム(A)
4原子力関係カリキュラム(B)
5原子動力講習会の開催状況
6診療X線技術者国家試験合格者数
7第1回放射線防護短期課程講義および内容
議事概要
海外の主要原子力研究所における研究機構、人員、カリキュラム等についての報告をうけ、日本原子力研究所原子炉研修所および国立大学のカリキュラムを参考として、今後養成すべき大学の原子力関係学生に対するカリキュラムについて審議を行なった。
さらに原子動力講習会、X線技術者試験、放射線防護短期課程講習会についての状況を聴取した。
第10回(12月7日(月)13.30〜17.00)
配布資料
1.ぺニントンへの質問について
2.原子力発電の現状と将来
3.アメリカにおける大型原子力発電所の初期燃料コストに関する調査
4.特殊条件下における米国原子力発電の採算
5.動力炉調査専門部会第1次報告書(3次案)
議事概要
1.加世田幹事から資料1について説明があった。
資料1は先にぺニントンを通じて得た「AECの動力炉に関する報告」について不明な点をペニントンに質問して得た解答である。burn−upについてはさらに詳細に質問することとした。
2.浅田(原電)委員から資料2、3について説明があった。
3.高橋委員から資料4について説明があった。特殊条件とは「利子率;6%、資本費率;12%、設備利用率;80%、燃料使用料;4%/年とし、これを8年目に支払いこの間使用料は複利預金する」という非常に原子力を優遇した場合の条件になっている。これによれば軽水炉は現在かなり安い原子炉であるが燃料がやや高いようである。
4.資料5について加世田幹事から説明があった。
第1次報告書の作成については第7回部会から作業を開始した。対象とする炉型式は軽水型、有機材型、重水型であり、working groupで作業を進め、部会にはかるやり方で3月いっぱいでまとめる予定になった。なお第1次報告書をまとめた上で、SGRおよびbreederを対象とする第2次報告書をまとめる予定で次回にその方針を検討することとした。
金属材料・核燃料合同専門部会
第3回(10月30日(金)13.30〜17.00)
配布資料
1.国1炉燃料要素開発計画(原研)
2.JRR-3初期装入燃料用天然ウラン地金(公・社供給分)の規格に関する協定事項(原研)
3.IAEAから供給される天然ウランの試料検定について(局)
4.原子炉用ジルコニウム合金の溶解加工法とその諸性質(神鋼)
5.ジルコニウムとその合金の研究開発(理研)
6.アメリカ原子力委員会レポート目録(その1)
7. 〃 (その2)
(なお核燃料専門委員に対してのみ)
Nuclear Fuel Inspection Technique Pocket Book part I(調査団)
Nuclear Fuel in Japan(〃)
議事概要
1.部会長から三島良績、長谷川正義両氏が、金属材料専門部会委員に任命された旨紹介があった。
2.資料1により川崎委員から、国産1号炉燃料要素開発計画の発表があった。
本計画案に対して、新関、高尾両委員から他の民間会社の技術的進捗に応じて、当開発計画への参加を考慮してもらいたい旨発言があった。これに対して杉本理事からJRR-3燃料の国産化については、種々の面で協力を得なければならないのはもちろんであるが、時間的制約があることおよび責任をもって試作することの理由から現段階で本計画どおり試作発注方式をとって進みたい旨の発言があり、本部会としては本計画案に原則的に賛成することに意見が一致した。なお、部会長から本案につきさらに具体的な意見があれば、局に申し出るよう発言があり、委員これを了承した。
3.資料2により、川崎委員からJRR-3初期装入燃料用天然ウラン地金の規格に関する公社との協定事項の説明があった。
4.資料3により井上課長からIAEA から供給される天然ウランの試料検定および検収について説明し、問題の地金の表面条件については11月10日、カナダソレル社で在カナダ大使館員と原研、AMFの専門家が実地に検査することになっている旨報告があった。
5.資料4により、高尾委員から神鋼におけるジルコニウム合金の研究状況の報告があった。なお、これに関連して宗宮委員から国内のジルコニウムの分析は相当のレベルに達している旨発言があった。
6.資料5により、伊藤委員から理研における同上の報告があった。
7.井上課長から照射試験に対する助成金の要望があれば、具体的に案を提出してもらうよう要求があった。
8.幹事側から原子炉用金属材料に関する文献を収集整理したき旨説明があり、作業グループをつくって、作成の方針を検討することになった。
放射能調査専門部会
第16回(12月22日(火)14.00〜16.30)
議事概要
1.国連科学委員会に関する決議について
外務省から第14回国連総会で行なわれた国連科学委員会に関する決議について説明が行なわれた。決議の内容は第15回専門部会で報告のあったカナダほか10カ国の案と、チェッコの案を合わせたもので、決議案の提案も11カ国の共同提案となったことが報告された。
2.国連科学委員会の開催通知について
1960年1月11日から国連科学委員会の第7会期が開催される旨通知のあったことが報告された。
3.国連科学委員会の出席について
都築部会長から第7会期国連科学委員会の日本政府代表として塚本憲甫氏、代表代理として田島英三、檜山義夫、三宅泰雄の各氏が決定された旨報告された。
4.そ の 他
国連科学委員会に関する決議に、他国の試料を引き受けて分析する事を述べているが、これと関連して、日本の試料の受入れ能力の問題について論議され、分析技術については問題はないが、人員、設備の点で、現在の国内試料の処理についても問題があるので、国内の調査に支障とならぬ程度で引き受ける事となった。
また、国連科学委員会の次会期の開催地にウイーン(IAEA)とチェッコが立候補していることが報告された。
原子炉安全審査専門部会
第20回(12月1日(火)13.30〜18.00)
配布資料
1 第8小委員会報告書(案)
2 原子炉設置許可申請書および同添付書類から商業秘密保持のため削除した箇所および内容(コールダー)
3 「報告書の提出に際して」矢木部会長ステートメント
議事概要
1 第8小委員会報告
第8小委員会から原研動力試験炉の安全性についての報告書案が提出され、主査渡辺専門委員から次のごとき一般説明が行なわれた。
これは結論と各論にわかれていて、結論には条件等はないが、各論には注意事項等が含まれている。
次いで報告書案が朗読され、各論の審議に入った。
2 その他
次回の部会までに1、2月の部会長外国出張中の部会長代理を考慮しておいてもらうことになった。
原子炉安全基準専門部会
第10回(10月22日(木)13.00〜17.00)
配布資料
1.原子炉非常事故時における安全基準線量について
2.原子力委員会資料「安全審査の基準について」
3.五島育英会原子炉に関する原子力委員会の答申書
4.原子炉敷地に関する安全因子の考察
5.IAEAの小型原子炉の安全取扱基準作成のパネルメンバーについて
6.I.S.O.の原子炉安全基準作成のための書簡
7.原子炉等非常事故時における安全基準線量の考え方
議事概要
1.災害評価の基準について
前回、矢木専門委員から要望のあった原子炉の想定最悪事故の解析の検討について、藤波原子炉規制課長から次のような報告が行なわれた。
現在、原子炉災害の調査については、原子力産業会議に委託している。この調査は、大型原子炉の事故を想定して、その人的、物的損害の程度等の算出を目的としており、一応来年1月末ごろ結論が出される予定である。
2.原子炉安全審査専門部会の審査状況について藤波原子炉規制課長から報告が行なわれた。
この後、このコールダー改良型原子炉の安全性に関連して開催された公聴会、学術会議のシンポジウム等でも意見の多かった審査基準の明確化のために原子力委員会の内規として作成された原子力委員会資料「安全審査の基準について」の説明が行なわれた。
3.通産省の原子力発電所安全基準委員会の事故評価の基準について
通産省で行なわれている原子力発電所の事故評価の審議状況について通産省の富田氏から報告が行なわれた。
事故評価の検討項目としては
(i)事故評価の目的
(ii)事故の可能性
(iii)コンテナーを含む格納容器の必要性
(iv)事故対策線図
(v)事故の確率
(vi)災害評価への過程
を挙げることができ、検討内容については次回までに資料として提出したい。この後の災害評価の基準については通産省に災害評価小委員会を設置し、原子力産業会議と連絡して検討を始めている。
4.第1小委員会報告について
前回の部会の報告に引き続き、青木主査から第1小委員会提出の資料1「原子炉非常事故時における安全基準線量について(試案)」の説明が行なわれた。
またこの線量についての基準を作成していく今後の方針としては、まず対象となる人体の各器官(全身、甲状腺、骨、消化器、その他)の基準線量をレムの形で決定し、最終的には濃度の形で基準を打ち出す意向を示した。
次いで、江藤専門委員提出の資料「原子炉等非常事故時における安全基準線量の考え方」について説明が行なわれた後、討議に移り、次のことが決定した。
(i)最初に、人体各器官の基準線量を決定し、それによって具体的に食物制限、退避等の目安を濃度の形で報告する。
(ii)計画被曝の場合と、事故被曝の場合と分けて検討する。
(iii)人体各器官の基準線量としては、資料1(全身に12レム、甲状腺75±25レム、骨:Sr45±15レム、消化器その他:36±12レム)を一応採用する。
(iv)濃度の形で基準を作成する場合の種々の因子については、その根拠や、わが国の実状等を十分考慮する。
(v)基準線量は、その最大許容限度いっぱいに被曝させるものではないことを明確にする。
(vi)上記の各項の意味から第1小委員会から提出された資料1を「原子炉等非常事故時における一般公衆に対する退避、食物制限等の措置に関する安全基準線量について」と改める。
5.そ の 他
(イ)IAEAの小型原子炉の安全取扱基準作成のパネルメンバーについて 同メンバーの日本からの代表として日本原子力研究所の村主氏を選任したい旨、報告が事務局から行なわれ承認された。
核融合専門部会
第12回(11月17日(火)13.30〜16.30)
配布資料
(1)核融合研究委員会報告書(B計画報告書)
(2)プラズマ研究所の設立について
議事概要
1.第10回、第11回議事録を承認した。
2.山本委員から別記核融合研究委告会報告書について概要の説明があり、2、3の意見の交換があったのち、報告書の補遺として少数意見をつけ必要な字句の訂正をすることとし、専門部会としては本報告書を受理することとなった。
3.プラズマ研究所の設立について伏見委員から経過報告があった。
4.今後の研究の進め方についてfree discussionがあり、研究委員会は報告書の訂正をしたのち解散する。次回はプラズマ研究所の構想の固まるのを待って開くこととした。
第14回核燃料専門部会議事中訂正
Vol.4, No.12 16ページ 18行目
誤 試算結果を検討した結果
正 試算結果に関するかぎり
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