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第31号 原子力委員会メールマガジン 2009年5月29日号

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    @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン
           2009年5月29日号
   ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆
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┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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┣ トピックス  伊藤委員からひとこと 往くに、径に由らず
┣ 定例会議情報 伊藤委員の海外出張報告について など
┣ 部会情報等  政策評価部会報告書(案)に対する意見を募集中! など
┣ 読者コーナー
┣ 事務局だより
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※原子力委員会 政策評価部会「原子力政策大綱に示されているエネルギー利用
に関する取組の基本的考え方に関する評価について」の報告書(案)に対する意
見を募集中です。皆様のご意見をお待ちしております。詳細は「部会情報等」の
コーナーをご覧下さい。
━・・・━ トピックス 伊藤委員からひとこと ━・・・━・・・━
「往くに、径に由らず」
「私は、米国が核兵器のない世界の平和と安全を追求する決意であることを、信
念を持って明言いたします」この言葉はオバマ大統領がこの4月5日にプラハで行
った演説の核心部分です。

この言葉の前に「核兵器を使用したことがある唯一の核保有国として、米国には
行動する道義的責任があります」と述べたことには日本の各方面から勇気ある発
言として多くの評価が寄せられました。そして「米国だけではこの活動で成功を
収めることはできませんが、その先頭に立つことはできます」と国際協調を呼び
かけました。

話は若干遡りますが、アメリカの若い一市民運動家の呼びかけで、2年ほど前に
始まり、世界に広がった「グローバルゼロ(Global Zero)」と呼ばれる究極の
核兵器廃絶を目指す運動があります。昨年12月にパリで開かれました第1回のグ
ーバルゼロ国際会議には、世界各国から、政官界、軍関係など100名くらいの参
加がありました。この会議は、今後25年から40年程度かけて世界が協調して段階
的に核廃絶を実現する道筋を示すと共に、各国首脳にその実現を働きかけてゆく
こととしました。そしてまず米・露が率先することがこの動きの鍵を握るとしま
した。

今回のオバマ大統領のプラハ演説は、正にこの第一歩を米国が率先して踏み出す
との宣言だと思います。この核軍縮・核廃絶への決意と共に原子力平和利用の拡
大に伴う核拡散リスク増大への対応についても以下のように述べています。「私
たちは、気候変動と戦い、すべての 人々にとって平和の機会を推進するために
、原子力エネルギーを利用しなければなりません」と平和利用の権利に言及しつ
つ一方で「管理が不十分な核物質が世界各地に存在することが分かっています。
国民を守るためには、直ちに、目的意識 を持って行動しなければなりません」
と核不拡散への一層の努力を求めています。

このような背景の下、5月12,13の両日に米国アルゴンヌ国立研究所で開かれま
したAmerican Academy of Arts & Science 主催のワークショップ「新たな原子
力レジームを目指して:将来の原子燃料サイクル(Toward a New Nuclear Regim
e: The Fuel cycle of the Future) に参加してきました。詳しくは、第18回原
子力委員会報告を参照いただければと思います。

このワークショップでは、核燃料サイクルに焦点を当て、日、米、欧などの原子
力先進国や、アジアやアフリカなど将来原子力を導入しようとしている国などの
産学官から、原子力エネルギー利用、廃棄物管理、核不拡散・軍縮などの多様な
背景を持った専門家が集まり、機微な技術を拡散するという懸念を生じさせるこ
となしに原子力平和利用を拡大していくための取組みについての議論が行われま
した。

私からは、日本の原子力政策につき、非核3原則、平和目的に限定、プルトニウ
ム利用の透明性確保など具体的事例をあげつつ説明してきました。核不拡散を担
保しつつ原子力平和利用を拡大していくための国際的な仕組みについて、多様な
立場からの参加を得つつ、今後も議論を行っていくことが重要であるとの議長総
括で終わりました。

エネルギー資源に乏しい日本が、エネルギー安定供給確保のため、約半世紀前か
ら追及してきた高速増殖炉サイクルの実現へは、まだ道半ば。一方、この月曜日
には、北朝鮮の核実験が世界に衝撃を与えました。このような状況の下で、原子
力の平和利用に徹するとの主張は、核不拡散への十分な備えは当然として、この
点での世界への貢献があってこそ認められるものと思います。

今後日本は、自国のエネルギー安定供給のためのみならず、いかに世界に貢献で
きるかを念頭に、平和利用と核不拡散の両立のための新たな国際的枠組み作りの
議論にも積極的に参画しつつ原子力利用を進めることが求められると思います。
このため改めて足元を固め直すことも求められます。

論語に次の言葉があることは多くの方がご存じと思いつつ筆をおかせていただき
 ます。「往くに径に由らず(ゆくに、こみちによらず)」

(註) オバマ大統領演説は、在日米国大使館ホームページの翻訳文書「バラク
・オバマ大統領のフラチャニ広場(プラハ)での演説」から引用させていただき
ました。

(参考)第18回原子力委員会における伊藤委員の海外出張報告資料
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2009/siryo18/siryo2.pdf

●次号は近藤委員長からのひとことの予定です!


━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━
●5月19日(火)第18回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・医療用アイソトープ原料の安定供給にかかる現状と取組むべき対応
<主なやりとり等>
(社)日本アイソトープ協会より、医療用アイソトープ原料の安定供給にかかる現
状と取組むべき対応について、説明していただきました。委員より、JMTRに
よるモリブデン−99の製造についての質問や、医療の問題としてきちんとした
議論が行われるべきとの指摘等がありました。

・伊藤委員の海外出張報告について
<主なやりとり等>
伊藤委員が5月11日〜17日に米国へ出張して参加したAmerican Academy of 
Arts & Sciencesのワークショップや関係者との意見交換等の概要について、伊
藤委員及び事務局より報告がありました。


●5月26日(火)第19回定例会議の概要は以下のとおりでした。
・原産年次大会の報告について(社団法人 日本原子力産業協会)
<主なやりとり等>
(社)日本原子力産業協会より、4月13〜15日にパシフィコ横浜で開催された
第42回原産年次大会の概要について説明していただきました。委員より、日本
に対する各国の期待や、期待に応えるための対応策などについて意見がありまし
た。

・平成21年度「原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ」公募結果について
(文部科学省研究開発局原子力計画課)<主なやりとり等>
文部科学省より、平成21年度「原子力基礎基盤戦略研究イニシアティブ」公募
結果について説明していただきました。委員より、基礎研究の底上げとなる重要
なプログラムであるとの意見や、成果の公表についての意見がありました。

・(追加議題)北朝鮮の核実験について(声明)
<主なやりとり等>
5月25日に、北朝鮮が核実験を実施した旨の発表を行ったことを受け、委員会
は声明を出すこととし、この行為を非難した上で、世界はこれにひるむことなく
核軍縮を、北朝鮮は国際核不拡散体制に速やかに復帰し、平和利用に限定して活
動を行うべしとした案が提示されました。国際約束違反ですから制裁を科すべき
とするべきだが、すでにそうした動きがあるから、いまの時点では、委員会とし
てはそのように今後とるべき行動を示すのが適切ということで、これが採択され
ました。


●次回は6月2日(火)に開催します。
・海水ウランの捕集技術について(独立行政法人 日本原子力研究開発機構、
 財団法人 電力中央研究所)
・欧州から日本へのMOX燃料輸送終了について(電気事業連合会)


●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。定例会議は通常毎週火曜午前、霞ヶ
関の合同庁舎4号館で開催しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布
資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。


━・・・━━ 部会情報等 ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━━

●原子力委員会には調査審議組織として専門部会や懇談会等が設置されています。
これらの部会や懇談会等は原則として公開しており、どなたでも傍聴できます。
開催案内や配布資料はすべて原子力委員会ホームページでご覧いただけます。

●原子力委員会 政策評価部会「原子力政策大綱に示されているエネルギー利用
に関する取組の基本的考え方に関する評価について」の報告書(案)に対するご
意見の募集を6月8日(月)まで行っております。皆様からの率直なご意見をお待
ちしております。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/seisaku/bosyu/090519/bosyu090519.htm


●5月15日(金)の研究開発専門部会 第10回の概要は以下のとおりでした。
<議題>
 ・専門部会報告書(案)について
<主なやりとり等>
4月28日に原子力委員会決定された「分離変換技術に関する研究開発の現状と
今後の進め方について」を紹介し、分離変換技術検討会での指摘事項から、改め
て研究開発の進め方について課題があることを認識し、そういった指摘も踏まえ
つつ、これまでの部会での議論を整理した報告書(案)について議論を行いまし
た。委員からは、「全体的に冗長」など報告書の全体構成や書き振りに対する指
摘や、資源配分、国やJAEAの役割、「安全・安心」に係る構造的な問題、知
識管理や技術移転など内容の隅々にわたる多種多様なご意見を頂きました。これ
らのご意見を反映し次回もう一度報告書(案)について議論を行う予定です。


━・・・━━ 読者コーナー ━━・・・━━・・・━━・・・━━・・・━

●皆さまからのお便りをお待ちしています!このメールマガジンや、原子力委員
会の活動に関するご意見・ご感想等を、
https://form.cao.go.jp/aec-melmaga/opinion-0002.htmlまで、ぜひお寄せくだ
さい。なお、お寄せいただいたご意見・ご感想などは、個人情報を除きこのメー
ルマガジンに掲載させていただくことがあります。
また質問につきましては、そのすべてには回答できない場合がありますので、
ご了承をお願いいたします。


+-+-+-+-+-+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+

娘が来月で2歳になります。娘が生まれてからたった2年弱ですが、あっという
間に随分大きくなって、今では私のことを「父ちゃーん!」と大きな声で呼んで
くれます。これから先、学校に行って、大人になって・・・。その時、日本とい
う国はどうなっているだろう。

私的な動機にはなりますが、娘がどんどん成長していく様を見て、「日本という
国の将来が良くあってほしい」と、より強く思うようになり、「国家公務員」と
いう今の職に対して一層の誇りや使命感を感じています。(妻には「帰りが遅い
」と怒られますが。)

現在は、原子力の研究開発のあり方について検討すべく、色々ああでもない、こ
うでもないと悪戦苦闘していますが、今後どのような業務に携わっても、日本と
いう国の将来、理想的なあり方を常々思い描きながら仕事したいと思っています。

ちなみに、私はこの原子力委員会の事務局で勤務し始めてから2年を過ぎました
。この2年強という時間を、私が長く感じているか、短く感じているかは、読者
皆様のご想像にお任せします。(渡邉)


●次号配信は、平成21年6月12日(金)午後の予定です。

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発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局)
○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ 
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○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ
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○原子力委員会ホームページ  http://www.aec.go.jp/
○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。
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