第6号 原子力委員会メールマガジン 2008年5月9日 |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ bU━━━━━ @mieru(あっとみえる) 原子力委員会メールマガジン 2008年5月9日号 ☆★☆ めざせ! 信頼のプロフェッショナル!! ☆★☆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┏ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━2008.5.9━━━ ┃ ┣ トピックス 近藤委員長インタビュー「原子力の夢」 ┣ 定例会議情報 平和利用推進と核不拡散強化のための提言 など ┣ 部会情報 市民参加懇談会in京都 参加者募集中! など ┣ 読者コーナー ┣ 事務局だより ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━・・━ トピックス 近藤委員長インタビュー「原子力の夢」 ━・・━ 原子力委員によるひとことも2周目に入りました。本号では、ふたたび、近藤 委員長インタビューをお届けします。
事務局(中桐):このところ、委員会は政策ビジョンや技術開発ビジョンの作 成で忙しいですね。こうしたビジョンを打ち出すときの原子力委員会の基本的 なスタンスをご紹介いただけますか?
近藤委員長:原子力基本法第1条は、この法律の目的を「原子力の研究、開発 及び利用が、将来におけるエネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興 に貢献し、もつて人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与すること」と しています。ですから、委員会の夢はこの状態が実現されていることであるべ きと考え、これを目指す道程をビジョンとして提示しています。
中桐:この基本法第1条の状態は、この法律ができた昭和30年当時の国民の 皆さまや国会議員にとっては「夢」だったかもしれませんが、現在はすでにあ る程度達成されているといえるのではありませんか。
近藤委員長:私はこの条文を現在の視点で捉えます。なにかに行き詰まると、 いつもこの条文を開いては、現状からこの法律が期待している寄与の質と量に 達するには何をすればよいか、その寄与を国民の皆様に実感していただけるた めに何をすればよいかと考えます。
中桐:原子力の、社会への寄与について、国民の期待と現実との間にギャップ ありですか。
近藤委員長:ええ。放射線利用の面では、もっと利用が拡大し、これに伴う放 射性廃棄物の処分事業が継続的に行われるようにすること、エネルギー面では 、地中から放射性物質である核燃料物質を取り出し、原子炉でエネルギー発生 に利用した後、放射性廃棄物として地中に返すことが持続可能な技術として整 備され、国民の皆様に信頼されつつ利用されている状態を実現しない限り、こ の法律の目的が達成されたとは言えないと思っています。
中桐:「持続可能性」といえば、他の新エネルギーや再生可能エネルギー技術 などにも期待されている要素のようですね。
近藤委員長:ええ、原子力と他のエネルギー技術とで競争です。ですから、ビ ジョンは具体的で(Specific)、測ることができ(Measurable)、達成可能で (Achievable)、適切で(Relevant)、期限が明確(Timebound)でなければ なりません。
中桐:ビジョンはSMARTでなければだめというわけですか。技術開発ロードマ ップの中間取りまとめでビジョンを5本立てにしたのはそのためですか。
近藤委員長:とてもスマートとはいえませんが、そうなるように工夫したつも りです。計画に1分使えば、実行に要する時間を10分節約できるといわれま す。それを信じるか否かはともかく、原子力の研究開発利用に携わる人々には 国民の皆様から付託された資源を最も効果的にしかも効率的に使ってこの競争 に参加して頂きたいと考え、「皆さん、このギャップを埋めるために、それぞ れの立場でこれこれに創造力を発揮し、たくましい意思をもって、情熱を傾け て取組んで下さい。さらに、その取組を国民の皆様にお伝えし、ご意見をいた だき、信頼して頂けるようにしながら、前進させてください。」といいたくて 、こういう作業を進めてきたのです。勿論、競争ですから、相手の動きを見て の見直しも必要です。このこと、事務局も忘れないで下さいね。
中桐:最後に宿題ですか。退散、退散。
●次号は田中委員長代理からひとことの予定です!
━・・・━━ 定例会議情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━ ●4月21日(月)第21回定例会議の概要は以下のとおりでした。 ・原子力平和利用推進と核不拡散強化のための提言 <主なやりとり>日本原子力産業協会の核不拡散問題検討会が取りまとめた 提言について、検討会委員の皆さまよりご紹介がありました。委員からは、 人材や資金の配分など検討すべき点は多いが、日本としても国際社会に対し て原子力の核不拡散体制の強化について積極的に声を上げていくべき、とい ったコメントがありました。 <ことばの解説>「不拡散」とは、兵器一般、特に核・生物・化学兵器とい った大量破壊兵器やその運搬手段(ミサイル等)、その関連物質や技術など の拡散を防止・抑制し、阻止することを言います。日本は、軍縮・不拡散の 関連条約に参加し、これらの枠組みを強化し、参加国を増やすための活動を 積極的に展開しています。 <リンク>外務省軍縮・不拡散のページ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hosho.html
・近藤原子力委員会委員長の海外出張について <主なやりとり>5月中旬に近藤委員長が米国に出張し、関係施設の視察と 関係者との意見交換を行う予定が報告されました。
・議題の審議終了後に委員より、先般放送された六ヶ所再処理施設に関する 報道番組に関連して発言がありました。原子力施設の見学や取材は、原子力 について国民に深く理解してもらう貴重な手段であるものの、核セキュリテ ィ等の観点から公開できる範囲に制限があることを、国民のあいだでも広く 認識の共有をすることが必要ではないか、関係省庁とも議論するべきではな いかとの趣旨のコメントがありました。
●次回は5月13日(火)に開催します。議題は以下の予定です。 ・J−PARCの現状 ・国際規制物資の移動を監視するために必要な封印のき損について
●定例会議を傍聴にいらっしゃいませんか。 定例会議は通常毎週火曜午前、霞ヶ関の合同庁舎4号館で開催しています。 どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料はすべてホームページでご覧 いただけます。
━・・・━━ 部会情報 ━━・・・━━・・・━━・・・━ ●原子力委員会には、下部組織として部会や懇談会等が設けてあり、これらの 会合でも調査審議を行っています。これらの部会や懇談会等は原則として公 開しており、どなたでも傍聴できます。開催案内や配布資料はすべてホーム ページでご覧いただけます。
●「原子力委員会 市民参加懇談会in京都」参加者募集中! テーマ:原子力 〜知りたい情報は届いていますか〜 「地球温暖化と原子力」 日時:2008年6月2日(月)13:30〜16:30 場所:京都センチュリーホテル「瑞鳳」(京都市下京区) 詳細はこちら:http://www.aec.go.jp/jicst/NC/simin/ <担当よりひとこと>連休の谷間にも京都に出張して会場側との打ち合わせ など、準備で忙しくしています。京都近郊の方もそうでない方も、ご応募を 心よりお待ちしています。
●4月25日(金)の核融合専門部会(第13回)の概要は以下のとおりでし た。 ・関係行政機関等からのヒアリング ・ITER設計の国内評価について(状況報告) <主なやりとり>文部科学省や研究機関から、核融合に関する学術研究につ いて、ヘリカル型装置及びレーザー型装置による研究の進展等についてのヒ アリングを行い、それぞれの研究では十分な成果が得られていると評価され ました。今後は、核融合研究に携わる研究者の養成や研究機関の間のネット ワーク形成等について留意した研究を進めるべきとの議論がありました。ま た、ITER設計の国内レビューについて、文部科学省から今後のスケジュール 等について説明がありました。 <ことばの解説>「ヘリカル型装置」とは、核融合を起こすための超高温プ ラズマを磁場を使って閉じ込めるための方式の一つ。螺旋状のねじれたコイ ル(ヘリカルコイル)による磁場でプラズマを閉じ込めます。「レーザー型 装置」とは、大強度レーザーを使って、燃料の小球をギュッと圧縮して、瞬 時に超高密度・高温プラズマを生成して核融合反応を起こさせる方式です。 <リンク>核融合科学研究所ホームページ http://www.nifs.ac.jp/、 大阪大学レーザーエネルギー学研究センターホームページ http://www.ile.osaka-u.ac.jp/
●4月28日(月)の研究開発専門部会 原子力試験研究検討会(第16回) の概要は以下のとおりでした。 ・平成18年度終了課題の事後評価結果について ・平成19年度クロスオーバー研究に係る年次評価結果について ・原子力試験研究継続課題について <主なやりとり>本検討会は、国立試験研究機関等で実施される原子力試験 研究の課題評価や原子力試験研究費の配分の基本方針について検討している 会議です。28日の検討会では、平成18年度をもって終了した19課題及 び平成20年度まで継続して実施される2件の原子力基盤クロスオーバー研 究(複数機関の連携による総合的研究)について評価が実施されるとともに 、今後の検討会の実施時期について議論がありました。
━・・・━━ 読者コーナー ━━・・・━━・・・━━・・・━
●前号に続きまして、今月生まれの原子力関係の著名人にまつわる話題をご紹 介します。
<<単位になって生き続ける ロルフ・シーベルト氏 (1896年5月6日生まれ)>> スウェーデンの科学者 ロルフ・シーベルト氏は、放射線防護の父とも呼ばれ ています。私たちの生活環境の中にある放射線や人体が持つ放射能(放射線を 出す能力)の測定の研究や測定器の開発などに功績を残した氏にちなんで、放 射線が人体に与える影響を表す単位として「シーベルト」と名前が付けられま した。なお、放射線について解説されているウェブサイトは数多くありますが 、ここでは、アニメーションによる解説などが楽しめるサイトを一つ紹介しま す:「学ぼう!放射線と安全確保」(文部科学省) http://www.anzenkakuho.mext.go.jp/manabo/manabo.html
●皆さまからのお便りをお待ちしています! このメールマガジンや、原子力委員会の活動に関するご意見・ご感想等を、 melmaga-iken@aec.go.jp まで、ぜひお寄せください。なお、お寄せいただ いたご意見・ご感想などは、個人情報を除きこのメールマガジンに掲載させ ていただくことがあります。また質問につきましては、そのすべてには回答 できない場合がありますので、ご了承をお願いいたします。
+-+ 事務局だより +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
「みんな、そう言ってるよ。」
本メルマガは5月9日(金)配信とのことですので、長期の休みが明けてから ご覧になっている方も多いのではないでしょうか。当事務局ではほぼカレンダ ー通りに出勤している人が多く、私もカレンダー通りに出勤しています。4連 休は初日に我が家の幼稚園児を引き連れ某おもちゃ関連のイベントに行ったは いいものの、そこでしっかり風邪菌をもらい、残りは家に閉じこもりでした。 風邪は親にまでうつり、風邪の気怠さと連休明けの気怠さの中でこの事務局便 りを書いています。
某イベントに行けば親子連れで大混雑。毎朝の出勤は、マンション前で幼稚園 バスを待つ親子連れの間を突っ切ってと少子化を全然体感できない毎日です。 もちろん、私の体感のほうが間違いなのは当然です。大混雑と言っても日本の 人口という母数と比べれば微々たるものですし、我がマンション居住者ではサ ンプリング対象として偏りすぎです。
なぜこんなことを言い出したかというと、この事務局にきてますます、人の考 え方というのは自分の環境に影響を受けることが多いし、それが常識だと思い こみがちだと感じているからです。私のちっぽけな常識が事務局で通用しない ことがあるのはさておき、部会の報告書案に対するご意見募集などの時も、ま るで正反対のご意見の根拠が両方とも、「こんなのは常識だ。なんでこんなこ ともわからないんだ。」的なものだったりすると、ちょっと寂しかったりしま す。不遜な話ですが、有識者のご意見を聴いているときなどもふと疑念がよぎ ったりもします。例えば、一流大学教授ともなれば学生を含んでいろんな人と つきあいがあるだろうけど、どんな人と多くつきあってきたかとか、相手が接 してくる態度とかはやはり偏っているだろうとか。
そんなこともあって、大きなものから小さなものまで自分の中の思いこみと戦 う毎日です(ちょっと大げさ)。小さな話では、HPにアップする資料も、き れいなほうがいいだろうという思いこみで高解像度で作成してから、「待てよ 、ファイルサイズが大きかったら迷惑かもしれないぞ。ブロードバンドな人ば かりじゃないだろう。」とか。
このメルマガ担当者も(きっと)日々戦っていることでしょう。思いこみと戦 うためにも、原子力委員会事務局は皆さんからのご意見・ご感想を切望してお ります。よろしくお願いします。(鎌田)
●次号配信は5月23日(金)午後の予定です。
====================================================================== 発行者:内閣府原子力政策担当室(原子力委員会事務局) ○ご意見、ご感想、ご質問などはこちらへ mailto: melmaga-iken@aec.go.jp ○配信希望、アドレス変更、配信停止などはこちらへ http://www.aec.go.jp/jicst/NC/melmaga/index.htm ○原子力委員会ホームページ http://www.aec.go.jp/ ○このメールアドレスは発信専用のため、ご返信いただけません。 ====================================================================== |
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