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IAEA2月理事会報告



 1968年IAEA2月理事会は2月20、21日の2日間IAEA本部において25理事国参加のもとに開催された。

 仮議題11のうち議題7を除いて採択され、審議に移った。

 以下、議題を追って報告する。

議題1 技術援助

 IAEAの事業資金から977,000ドルを、技術援助に割り当てる、という技術援助委員会の勧告が採択された。

議題2 1968年事業予算の割当て

 1968年度のIAEA事業計画に対する一般資金として1,485,000ドルを計上し、そのうち172,000ドルを研究所に、1,313,000を技術援助および研修に当てることを決定した。

 なお、1967年度総会で定めた額、1,878,000ドルまで資金が調達出来た場合には、余剰分を技術援助にも割り当てることに決定した。

議題3 1967~68年度国際連合経済社会理事会に提出するIAEA年次報告

 承認

議題4 保障措置

(a)転換工場および加工工場に対する条項。
 昨年11月、標記条項案作成のために召集されたワーキンググループの報告書が提出された。

 米国は、同報告の採択に関する決議案を提出し、インドは、同報告書付録Ⅱの案文に対する修正案を提出し、審議が行われた。

 南ア、ポルトガルは、原則的には、ワーキンググループの案文に賛成であるが、現在ジュネーブにおいて審議中の核兵器の不拡散に関する条約の交渉に鑑みて検討するべきである、と述べ、カナダ、オーストラリア、チェコスロバキア、レバノン、ブルガリアは米国決議案を支持し、英国は、インド修正案については、内容が技術的なものであるため、検討は専門家に任かせられるべきであり、本理事会では、6月理事会前に、ワーキングループを再召集して検討することを了解の上で、現在提出されているワーキンググループの原案を暫定的に可決することを提案した。

 ソ連、フランス、日本、アルゼンチンが、英国提案を支持した。

 ドイツは、ワーキンググループが、保障措置をstrategic pointsに適用するという原則を審議したことについて謝意を述べ、IAEAとしては保障措置技術の改良に努力するべきであると述べた。

 保障措置技術の改良の必要性について、米国、メキシコが賛意を表明した。

 結局、インドも英国の提案を支持し、理事会としては、ワーキンググループの報告書付録書Ⅱを原文のまま暫定的に採択し、6月理事会前にワーキンググループを再召集して、インドの修正案を検討することになった。

(b)IAEA保障措置の適用
 デンマーク/米国の協力協定に関する保障措置移管協定が提出され、可決された。

(c)査察員人事
 IAEA新採用の査察員5名(インドネシア、ソ連、ルーマニア、オーストリア、フィリッピン)について理事会の承認が求められた。

 わが国は、保障措置の普遍的適用の原則が強調されているにも拘らず、自国の原子力施設に、IAEA保障措置を適用しようとしない国があることを遺憾に思うと述べ、そのような国から出ている査察員は、我国の施設の査察員として承認するわけにはいかないと述べた。

 新採用5名を含め、IAEA査察員は合計22名となったが、ソ連は、査察員の国籍の地域的分布に満足であり、査察員全部を実際に査察の任に当らせることが重要であると述べた。

 ほかに、近い将来に考えられるIAEA査察業務の拡大に伴う、査察員の増加および経費について論議がなされた。

 新規採用の5名については理事会として承認した。

議題5 炉計画

 パキスタンから濃縮ウラン供給要請がなされ、供給協定に対し同濃縮ウラン使用の原子炉を建設するカナダから若干の字句の修正が提案され、同提案が取りあげられて、供給協定案が可決した。

議題6 政府間機関との関係

 IAEA・アフリカ統一機関間協力協定の承認が求められた。

 ドイツが支持の声明を行った後、理事会は、これを承認した。

議題8 職員の俸給

(a)1968年度管理職手当
 昨年と同額の手当が支給されることに決定した。

(b)一般職員及び事業サービス部の職員給与の暫定調整。可決

議題9 健康保険

議題10 事務局長定期報告

議題11 次期会合
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