原子力局

原研と英国原子力公社との間の高速炉に関する
情報交換及び協力のための協定締結に関する
日英両国政府の書簡交換について


昭和40年12月14日書簡交換


 わが国は、昭和33年6月、英国との間に原子力平和利用における協力のための協定(日英原子力協定)を結び、それ以降動力炉の導入をはじめとし、原子力利用のあらゆる分野にわたり、同国と密接な協力関係を保持しているが、昨年来英国原子力公社と日本原子力研究所との間で、高速炉研究(例えば英国のDFR,ZEBRAおよびVERA、また原研のFCA)に関連した基礎的な情報の交換を主な内容とする協力関係設定の話し合いがすすめられ、そのため協力協定を締結することになった。
 政府としても、日本原子力研究所が英国原子力公社との間でかかる協力を行なうことは今後の原子力開発に資するところ大であろうと考えられるので、これを支援することとしたが、上記日英原子力協定の第1条(1)にある「相互の協力方法」についての規定では、日本国政府と公社および日本国にある者と連合王国にある者との情報交換を規定しているのみで、公社と原研との情報交換については同規定の範囲外となる。しかし、同条(2)では、(1)に掲げたもの以外の協力方法についても両国政府は合意することができる旨を規定している。よって今回の原研−公社間の高速炉協定締結について、日英両国政府間で話し合った結果、同条(2)に基づいて両国政府間で合意のための書簡交換を行なうこととなった。
 12月14日の閣議において書簡交換が正式に決定され、同日日本側は推名外務大臣、英国側はランドール駐日本大使の間で交換公文がとりかわされた。
 交換公文の日本側書簡および英国側書簡(訳)は下記のとおりである。

日本原子力研究所と英国原子力公社との間の高速炉に関する情報の交換及び協力のための協定の締結に関する日本国政府と連合王国政府との間の交換公文

 (日本側書簡)
 書簡をもって啓上いたします。本大臣は、昭和33年6月16日にロンドンで署名された原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の協定第1条(2)の「両当事国政府は、原子力の平和的利用の促進及び開発のための協力の方法で、(1)に掲げるもの以外のものについて合意することができる。」ことを定める規定に言及する光栄を有します。
 本大臣は、日本国政府に代わって、日本原子力研究所と英国原子力公社との間に行なわれることがある液体金属冷却高速炉に関する情報の交換及び協力のための協定の締結が前記の規定の範囲内のものであるとみなされることを提案する光栄を有します。
 グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府がこの提案を受諾されるときは、本大臣は、この書簡が、受諾を表明される閣下の返簡とともに、本日効力を生ずる両政府間の合意を構成するものと認められることを提案いたします。
 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。

(訳文)

 (連合王国側書簡)
 
書簡をもって啓上いたします。本使は、訳文が次のとおりである1965年12月14日付けの閣下の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。

 (日本側書簡)
 本使は、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府が前記の提案を受諾すること及び同政府が前記の提案を受諾すること及び同政府がこのため閣下の書簡及びこの返簡を本日効力を生ずる両政府間の合意を構成するものと認めることを閣下に通報する光栄を有します。
 本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向って敬意を表します。