第8回原子力セミナー実施結果



科学技術庁主催、文部省後援ならびに広島、岡山および山口3県の教育委員会の協力による「第8回原子力セミナー」は下記のとおり実施された。


1.行事名「第1回原子力の日記念第8回原子力セミナー」
2.目的 中学校および高等学校の教職員を対象に原子力の正しい基礎知識の普及を図る。
3.対象地域 広島、岡山および山口の3県
4.開催地 広島市広島工業高等学校
5.期日 昭和39年10月29日(木)、30日(金)
6.講師 

「原子核の基礎理論」
広島大学理学部教授
             喜多 勲

「放射線とその利用」
理化学研究所主任研究員
             山崎 文男

「原子炉とその応用」
日本原子力研究所主任研究員
             柿原 幸二

「世界の原子力開発状況」
科学技術庁原子力局調査課長
             湊 恒生

7.実施結果

・第1日(10月29日)

主催者挨拶 原子力局調査課長 湊 恒生
協力者挨拶 広島県教育委員会事務局指導課長 森田 晴夫
講演「原子核の基礎理論」
(昼食)
講演「放射線とその利用」
映画「原子力と農業」

・第2日(10月30日)

講演「原子炉とその応用」
(昼食)
講演「世界の原子力開発状況」
映画「アイソトープの利用」
映画「原子力と日本」
主催者挨拶 原子力局調査課長 湊 恒生

8.受講者数

広島県54名
岡山県10名
山口県33名

計97名

9.所見
 「第8回原子力セミナー」は関係各県教育委員会のご協力により、約100名の受講者を得て盛大に行なうことができた。以下当日受講者に対して求めたアンケート等によって今回のセミナーをふりかえってみると、

(1)受講者の関心が高かった。原子力関係の書籍を読む者がきわめて多く、また講演終了後の質問も多かった。
 当セミナーに対する期待も大きく、講演時間の延長を望む声が強い。これは「第7回原子力セミナー」で行なったアンケートでも強く要望されたことであり、来年度はこの面での充実をはからなければならないであろう。

(2)実験、実習等の希望が多かった。当セミナーに実験や実習をとりいれることは毎回要望されていることであるが、今回もこの要望が強かった。「放射線とその利用」において簡単な吸収実験、散乱実験が行なわれたが、今後これをさらに充実させてほしいという意見が多かった。

(3)映画が好評であった。今回は3本の映画を上映したが、映写設備が良好であったこととあいまってこれはきわめて好評であり、映写の貸し出しを希望する意見があった。
 本庁においては従前も映画の貸出しは行なってきたのであるが、映画の広報普及活動において果たす役割にかんがみ、今後映画貸出し業務を拡張していくべきであろう。

(4)会場の設営その他について会場の提供者である広島工業高等学校の協力が大きく、これが本セミナーの進行を円滑ならしめた。