京都大学原子炉の設置変更



京都大学原子炉実験所(大阪府泉南郡熊取町)の原子炉設置変更について、内閣総理大臣から昭和39年10月22日付をもって意見を求められていたところ、原子力委員会は、12月5日付をもって次のとおり答申した。
 京都大学が同学原子炉実験所に設置する原子炉に係る昭和39年9月28日付変更承認申請については、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に規定する承認の基準に適合するものと認める。
 なお、本件に関し原子炉安全専門審査会からの安全性に関する報告は、下記のとおりである。

(記)

原子炉安全専門審査会の報告

(昭和39年10月27日)

I 審査結査

京都大学が同学原子炉実験所に設置する原子炉施設の変更に係る安全性に関し、同学が提出した原子炉設置変更承認申請書およびその添付書類にもとづき審査した結果、同施設の変更に関する安全性は十分確保し得るものと認める。

II 変更事項
 安全粗調整用制御体の全制御反応度

    従来     変更後
   14%以上    9.5%以上

III 審査内容
 本件は、申請者が原子炉の臨界到達後行なった炉特性測定試験によって、安全粗調整用制御体の全制御反応度が、燃焼の進まない初期炉心においては当初の設置承認申請書の記載値に達しないことが明らかになったため、変更しようとするものである。
 変更後の値は、当初の値に対しかなり低くなっているが、原子炉の最大超過反応度4.5%に対して余裕があり、原子炉の反応度抑制効果は変更後も十分確保されるものと認められる。なお、本原子炉においては制御棒駆動のシム範囲を60%に対して、最大超過反応度を安全粗調整用制御体の全制御反応度の約40%以下に押えて運転することとしているので、原子炉の反応度抑制効果はさらに大きな余裕を持つものである。