昭和38年度日本原子力研究所事業計画


   目次

第1部  総論
 第1章 基本方針
 第2章 昭和38年度の主な事業(その概要と方針)
第2部  各論
 第1章 基礎的研究
 第2章 応用の研究
 第3章 原子炉の設計、建設および操作
 第4章 主な研究施設および装置の建設・整備
 第5章 技術者の養成訓練
 第6章 ラジオアイソトープの生産および分布
 第7章 研究サービス
 第8章 各種研究機関との連繋
 第9章 その他

第1部 総論

第1章 基本方針

 昭和38年度においては、国産動力炉および高速増殖・炉の開発、実用動力炉に関する試験および研究,材料工学試験炉の建設準備、放射線化学の工学試験を主目的にした高崎研究所の建設等に重点をおいて事業をすすめる。
 動力炉の研究開発については、長期的な目標として高速増殖炉、中期的な目標として国産動力炉の開発、および実用動力炉に関する各種試験および研究を重点的に行なう。これらについての総合的な研究開発計画を作成し研究を逐次集約していく。以上の研究開発を進めるために必要な材料工学試験炉の設置の準備を行なう。
 高崎研究所については、前年度に引きつづき建設を行なうとともに、昭和39年度はじめから繊維のグラフト重合およびエチレンの重合の2つの中間規模試験を開始するため予備試験を行なう。
 以上のように本格的な研究開発を推進し,将来の発展に備えるため、次のような体制を整備する。
(1)研究の実施に際しては、関連各部門の緊密な連絡の保持および協力一致の体制の確立をはかる。
(2)半均質炉、水均質炉その他の応用の研究は、逐次整理統合をはかり上記重点事業を遂行するため、長期的な観点から、人員の適正な配分を行なう。
(3)所内訓練の充実を期する。とくに原子炉運転、放射性物質取扱等の業務に関する技術水準の向上をはかる。
(4)新しい用地における研究所については、東海研究所との関連においてその性格を慎重に検討するとともに本部、東海研究所、高崎研究所を含めその相互のあり方について検討する。

第2章 昭和38年度の主な事業(その概要と方針)

(1)国産動力炉の開発
 国産動力炉の開発については、概念設計を行ない各種の角度から詳細な検討を加え、年度末までに具体的な開発計画を策定する。これがため、所内の体制を確立するとともに所外の関連機関の積極的な参加を求める。

(2)高速増殖炉の開発
 高速増殖炉の開発については、広く外部の各機関との連繋を考慮した総合的な開発計画を作成し、それに基づいて臨界実験装置の発注および関連研究を行なう。

(3)実用動力炉に関する各種試験および研究
 軽水炉系の各種試験計画については、長期的な展望により調整を行ない、決定するが、本年度はとりあえず、下記のような項目について行なう。
 すなわち、JPDRの試験運転、定常運転を通じてプラント機器の特性試験、炉心核特性の測定、および動特性の研究を行ない、また、燃焼コードを作成する。
 軽水炉臨界集合体(TCA)を用い軽水減速系の炉物理の実験を行なう。
 また、JPDRによる国産燃料の確性試験については、本年夏までに計画を作成する。
 ガス冷却系については、日本原子力発電(株)東海炉の燃料材料のモニタリングの準備を行なう。

(4)材料工学試験炉の建設準備
 材料工学試験炉については、昭和39年度発注を目途として引きつづき各種の準備を行なう。すなわち前年度諸外国から得た情報により、概念設計を改訂し、本年秋頃、外国コンサルタントに検討を依頼する。その結果に基づき最終的な仕様書を作成し、この仕様書に基づいて発注の準備を行なう。

(5)原子炉の運転および建設
 (a)JRR−1は、前年度に引きつづき、簡易な照射実験および訓練用に用いる。
 (b)JRR−2は、年度当初から定常運転をはじめ、逐次、連続運転時間を延長するとともに、出力増加をはかり、年度末には1サイクル(2週間単位)中7日連続運転、出力7〜10MWに到達する。
 共同利用は年度当初から開始し、逐次その量および照射試料の範囲を拡大していく。
 4月、9月、12月の定期検査の時期にインパイルループ等の照射施設の炉内据付を行なう。また気送管の改造、ラジオアイソトープトレインの改造等を行なう。
 (c)JRR−3は、前年度に引きつづき低出力運転を行ない、下期から中出力、高出力と2段階で出力上昇をはかり、各段階ごとに綿密な特性の測定を行ない、本炉を利用するばあいの基礎データを得るとともに設計データとの照合を行なう。
 また、ラジオアイソトープ取扱装置、使用済燃料取扱設備等の追加工事を行ない、年度後期には核分裂生成ガス拡散実験のループの据付を、行なう。
 国産による第2次燃料は本年度中に準備する。

(d)JRR−4は、前年度に引きつづき建家工事、設備工事、原子炉工事を行ない、本年度末までには、原子炉工事の一部を残して、ほぼ完了する。
 なお、昭和39年度に行なわれる機能試験、臨界実験の準備を行ない、水中で遮蔽実験を行なうための測定器類の性能試験を行なう。

(e)JPDRは、年度当初、燃料を装入し、臨界実験の後、全出力100時間連続運転を行ない本年夏頃引渡しを受け、本年秋から本格的な運転に入り、1年ないし2年の連続運転を行なう。

(6)計算センターの設置
 前年度着工した建家234坪は6月頃完成し、大型電子計算機(IBM7044)は本年秋に納入され、計算センターの運営を本格的に開始する。
 このため組織の確立、プログラマーの養成、計算コードの整備、運転操作の訓練等周到な準備を行ない、計算機の稼働率向上に努める。
 なお、本センターは、原子力コードセンターとしての機能を持ち、内外のコードを関連機関に使用可能なように整備する。

(7)ホット・ラボラトリーの拡張
 将来国内に設置される各種の動力炉、および所内各種の原子炉の燃料材料のモニタリングを行なうため、2年計画で約900坪の拡張を行なう。
 このため前年度に引きつづき外国コンサルタントに依頼し、設計仕様の検討を行ない、本年度下期に着工する。

(8)燃料再処理試験用ホットケープの整備
 前年度モックアップ建家から移設した、溶解、抽出装置等の配管を終え、昭和39年度以降のホット運転に備え天然ウランを用いたコールド試験を行なう。一方、廃液処理試験室、高レベル廃液貯蔵庫等の建設を行なうとともに、溶媒回収装置、プルトニウム廃液処理装置等の各装置の整備を行なう。
 なお本装置は、JRR−3の燃料を処理して、燃料再処理技術を確立するとともに、研究用プルトニウムを回収することを主な目的とする。
 また原子燃料公社のミキサーセトラーは、本ケープ建家に設置し、実験に移る。
 以上の諸研究は原子燃料公社との共同研究として密接な連繋の下に進める。

(9)プルトニウムの研究
 前年度着工したプルトニウム特研の増設は、本年度上期中に竣工し、その内装を行なう。燃料研究については、数グラムないし数10グラム程度の取扱量で、主として、合金系燃料を対象として取扱技術を習得する。
 この他、分析法の開発、炭化物、酸化物の物性的研究、溶液化学的な抽出実験等を行なう。
 なお、JPDR燃料用としての試験および高速炉用燃料としての研究開発の計画を作成する。

(10)ラジオアイソトープの製造および製造研究
 ラジオアイソトープ棟建家は年度内に完成する。年度後半からこれと併行して各種セルを整備し、昭和39年度下期までに内装を含め完成する。
 前年度までに開発の終った9核種については、引きつづきJRR−1およびJRR−2を利用し、試験工場において製造し、これを頒布する。
 精製ラジオアイソトープについては、前年度の35S、56Mn等にひきつづき51Cr、131I等の技術開発を行なう。
 製造研究としては、無担体で分離精製する方法、ホットアトム効果により高比放射能のものを製造する方法、核分裂生成物から分離する方法等を研究するほか、新核種の検定法などの研究開発を行なう。

(11)各種炉内照射装置の運転および整備
 前年度から整備を行なってきた各種炉内照射装置を、本年度は逐次炉内に据えつけ、これを用いた実験を開始する。

すなわち

(a)JRR−2にとりつけるもの

(b)JRR−3にとりつけるもの


(12)高崎研究所の建設、整備および研究

(a)建設整備
 前年度着工したコバルト線源中間試験室および2MeV加速器中間試験室は重点的に建設を進め、第3四半期に完成し、第4四半期には調整試運転を行なう。また、本年度は新たにラジオアイソトープ工学試験室等の建設に着手する。このため、年度当初から相当数の要員を高崎に移駐させ、現地での機能を充実する。
(b)研究
 中間規模試験については、本年度は次の2つのプロジェクトを設定し重点的に遂行する。すなわち、固相反応中間規模試験として電子線照射による繊維のグラフト重合反応をとりあげ、予備試験として1バッチ3kg程度の実験装置で反応工学的研究を行なう。気相反応中間規模試験としては、コバルト−60マンガン線によるエチレンの高圧重合反応をとりあげ、まずバッチ式重合反応装置により、種々の基礎資料を得るとともに触媒および反応型式の検討を行なう。
 これらと併行して、放射線化学工学、物理工学化学反応等の研究を行なう。
 本年度は過渡的な措置として、高崎研究所のほか東京(放射線高分子研究協会東京研究所)、東海研究において研究を行なう。
(c)その他
 これらの事業を強力に推進するため、まず基幹要員の確保をはかり中間規模試験については、プロジェクトリーダーを指定して研究開発の効率的な運用をはかる。本研究所の運営については、広く関連研究棟関と密接な連絡のもとに研究を行なう。

(13)諸国際交流
 原子力の研究開発における国際協力は、年をおうごとにますます盛になり、その重要性が認識されているので、積極的に国際交流を推進する。
 すなわち、各国との研究協力ヘの参加、研究者技術者の派遣および受入、国際会議への参加等を引きつづき行なうとともに、本年度は新たに化学分析の分野における標準試料の各国あての配布と分析方法およびその結果の交換、AECレポートのデポジトリーの指定にともなう情報交換“Nuclear Science Abstract of Japan”の発行等を行なう。

(14)新研究所用地の購入
 材料工学試験炉および国産動力炉の建設等を行なうための用地約40万坪の一部を購入、地質地盤等の調査を行なう。
 以上の諸事業を遂行するための予算は現金総額約64億円、債務負担行為限度額約17億円を計上する。また職員120名を増員し、年度末定数は役員を含めて1,604名とする。

第2部  各論

第1章基礎的研究

第1節 東海研究所

1. 原子炉物理
 原子炉物理の理論的研究では、中性子輸送理論の解析として、多重衝突法による中性子空間分布を導き、従来の拡散近似の結果と比較する。また核定数の理論的解析として熱中性子化方程式を軽水、重水、黒鉛、ZrH2等の減速材に適用し、諸外国における実験データと比較する。
 原子炉の核設計計算の研究では、トリウム・ブランケットをもった重水均質系および高濃縮ウラン軽水系の臨界性の解析的研究を行ない、有効共鳴積分の表式などを求め、また天然ウラン重水非均質系の臨界性についてはJRR−3の実験と対比させて解析的研究を行なう。
 数値解析の研究では、拡散方程式の数値解法にひきつづき、定常な場合の輸送方程式の数値解法、およびモンテカルロ法による一次元輸送方程式の解法を検討し、計算コードを作成する。

2. 原子核物理
 高速中性子と原子核の相互作用の研究では、5.5MeVバン・デ・グラフを用い、中性子の弾性散乱および非弾性散乱についての角度分布の測定非弾性散乱に伴うガンマ線のエネルギースペクトルの測定荷電粒子による反応実験などにより核構造、核反応の研究を行なう。
 2MeVバン・デ・グラフは単色高速中性子源および電子線源として関連研究室の共同利用にあてる。
 低速中性子と、原子核の相互作用の研究では、JRR−3に設置するコンプトン・スペクトロメーターおよびリニア・アクセレレーターに設置した6mの中性子飛行管を用い、中性子捕獲ガンマ線の測定をし、低速中性子共鳴準位の研究を行なう。また関連研究として125Te、57Feのメスバウアー効果の測定を行ない、原子核の理論的研究に供する。
 中性子断面積の精密測定ならびに共鳴に関する研究では、JRR−2に設置したクリスタル・モノクロメーターにより、種々の核種の断面積の精密測定および低速中性子共鳴における試料の物性的効果、加熱冷却の影響を測定する。また濃縮ウランを用いて核分裂断面積ならびに中性子放出数の測定を行なうほか、リニア・アクセレレーターに設置した50mの中性子飛行管を用いて種々の中性子断面積を測定する。
 核分裂生成物を中心とした原子核構造の研究では、ベータ線スペクトロメーターを用いて、内部変換電子とガンマ線とを同時計数し、また大型ベータ線スペクトログラフを用いて内部変換電子のエネルギーを精密測定し、中重核核分裂生成物のレベル構造の研究を行なう。低エネルギー原子核理論についての研究では、奇数核を対象とした中性子強度関数を求め、荷電粒子と核の相互作用を光学模型を用いて研究を行なう。また、核内核子の相関等について解析を行なう。
 その他、リニア・アクセレレーターの制動幅射により生成した放射性核種の崩壊の研究を行なう。
 本年度は、上記の研究等に利用するリニア・アクセレレーターの電子ビーム発生時間は、年間約2,000時間に増加して各種の実験を行なう。

3. 固体物理
 炉材料を中心とした固体の研究では、ジルコンチタン等の水素化物および黒鉛について液体ヘリウム温度および高圧下での電気抵抗、比熱等の物性測定を行なう。
 照射損傷の研究では、銅単結晶を2MeVバン・デ・グラフで電子照射し、照射による原子変位のしきいエネルギーの異方性の研究を行なう。またJRR−2に設置した低温照射装置を用い、引張電気抵抗等の機械的、電気的性質の変化を測定し損傷機構および回復過程の研究を行なう。JRR−3に設置する極低温照射装置は本年度中に製作を終える。
 低速中性子の回折と散乱による固体の研究では中性子回折装置を用い、ウラン合金等の磁気構造などの物性を研究し、また、モノクロメーターを用い、水素化合物ならびに金属合金による中性子の非弾性散乱等の研究を行なう。

4. 分析化学
 核燃料および炉材料の分析化学的研究では,従来から行なっているウラン分析に関する未解決の問題の解明、同位体希釈法による微量ウラン、希土類元素などの定量法の開発、ジルカロイなどの炉材料物質の分析法の検討などを継続するとともに、とくにプルトニウムの分析化学的な研究を積極的に進める。
 強放射性試料の分析法の研究では、発光分光分析によるラジオアイソトープ中の微量不純物の定量法の検討、燃料再処理あるいは原子炉運転に際し必要な諸化学分析法の研究、およびそれに必要な各種遠隔操作分析機器の試作を行なう。
 同位体比測定に関する研究では、同位体濃縮の研究に関連して、主としてウラン、カリウム、リチウムの同位体比の質量分析計による精密測定法の研究を行なう。
 また、本年度から核燃料、炉材料の分析に必要な各種の標準試料の作製を行なうこととし、まずウランの分光分析用標準試料を調整する。また同時にウラン純分分析用の標準試料の作製について検討する。

5. 物理化学
 燃料再処理の溶液化学的研究では、溶媒抽出およびイオン交換法による核分裂生成物の分離精製についての研究を行なう。
 炉内化学反応の物理化学的研究では、硝酸銀などの単結晶および低温における有機化合物に、ガンマ線、エックス線、紫外線等を照射し、電子スピン共鳴装置を用いて、生成する遊離基の構造、挙動をしらべる。また、有機ハロゲン化合物、その他に光などを照射し赤外格子分光器を用いて液体窒素温度のもとで光分解生成物の構造の研究を行なう。

6. 放射化学
 核燃料の放射化学的研究では、引きつづき照射ウラン、照射トリウムに含まれる231Th、233U、236Np、237Np、148Pr等の核種について溶媒抽出、イオン交換、共沈などの方法により、その化学的性質および分離法の研究を行なう。
 核分裂生成物の放射化学的研究では黒鉛一酸化ウラン、黒鉛一炭化ウラン中のキセノン、ヨウ素アルカリ、アルカリ土類等の核分裂生成物の拡散機構、化学種の決定についての研究を行なうほかアルミナを中心とした核分裂生成物の捕集材について研究を行なう。
 放射化分析法の研究ではJRR−2を利用して、原子炉材料、半導体材料、その他高純度物質中の微量不純物の超微量分析法の研究を行なう。また二重放射化分析法、速中性子による放射化分析法などの研究を行なう。

7. プルトニウム
 プルトニウムの溶液化学的研究では、引きつづき勾配濃度多段連続抽出法によるプルトニウム、ウラン、核分裂生成物の相互分離法の研究を行なう。また、輸入プルトニウムを用い、有機錯塩を含むプルトニウムの沈澱反応をしらべ、プルトニウムと他元素の分離について研究を行なう。その他、プルトニウムの放射化学分析については電着法、オートラジオグラフ法による微量分析法の研究を行なう。トランスプルトニウムについては主として、アメリシウム、キュリウムの溶媒抽出に関する基礎データを求める。プルトニウムの分析化学的研究では、オキシンなどによる微量プルトニウムの抽出光度法の研究を行なうほか、プルトニウム中の不純物またはプルトニウム合金の分析法を確立する。また、ポーラログラフ電位差滴定装置などによる電気化学的分析法の研究を行なう。
 プルトニウムの固体化学的研究では、プルトニウム、酸化物、炭化物の生成条件を検討する。
 プルトニウム燃料の基礎的研究では、Pu−Al系合金の研究のほか、酸化物系、炭化物系セラミック燃料の研究を行ない、またプルトニウムの還元処理の準備を始める。

8. 放射線利用
 非金属材料の放射線効果に関する研究では、各種高分子に対する放射線の照射による影響などの研究、低分子に対しては、主に、オレフィン系の酸化反応、付加反応、重合反応等の研究を行なう。また、リニア・アクセレレーターのパルス状ガンマ線により、短寿命ラジカルの測定を行なう。
 放射線化学の物理化学的研究では、黒鉛と炭酸ガスの反応性をしらべるため、炭酸ガスの電子衝撃における12Cと13Cの同位体効果および分子の電離、解離などの研究を行なう。
 有機化合物の放射線化学の研究では、ヒドラジンのG値増大の機構等を研究し、標識化合物の直接合成については添加物および置換基効果の研究を行なう。また、放射線化学反応で重要な固相反応をマロン酸の脱炭反応で研究し、13Cによる同位体効果、固相系反応機構の研究を行なう。
 水溶液の放射線化学では、中性、アルカリ性溶液中での無機塩、有機化合物の酸化反応、重水中の反応および重酸素による反応について研究を行なう。

9. 遮蔽
 理論的研究としては、多重層透過のモンテカルロ法による計算および遮蔽体貫通孔のガンマ線漏洩の計算の改良、その他捕獲ガンマの近似計算法等の研究を行なう。なお、体積線源の遮蔽に関する実験結果について解析を行なう。
 実験的研究では、引きつづき、ガンマ線の物質透過の実験的研究を行なうとともに、新たに中性子遮蔽について水槽等を利用し基礎的実験を開始する。
 また、JRR−4用のガンマ線および中性子線のスペクトロメーターを試作し、特性試験を行なう。

第2節高崎研究所

1. 放射線化学

 水相放射線酸化の研究では、酸素加圧下でベンゼン水溶液を照射した場合のフェノール合成反応条件について各種角度から検討を行なう。

 高圧ガスの放射線化学の研究では、放射線照射下での高圧エチレンガスの放射線化学反応の研究を行ない。エチレン重合反応の基礎資料を得るとともにエチレンイオンの挙動について調べる。

 高分子物質の合成の研究では、ポリエチレンテレフタレートなどの合成繊維を使用し、グラフト効果の研究を行なう。

 放射線化学反応の物理的研究では、放射線重合放射線グラフト重合などの放射線化学反応の機構と反応物質の構造、性質等につき総合的に研究する。

2. その他

 原子炉による放射線化学反応の研究では、東海研究所の原子炉でカプセル照射を行ない有機物の化学反応の研究を行なう。

 また、穀類の放射線照射による殺菌および貯蔵に関する調査研究を行なう。

第2章応用の研究

第1節 東海研究所

1. 原子炉開発および関連研究
(1)国産動力炉
 国産動力炉の開発は、長期計画後期10年において実用化される見込が高く、国内技術に期待できる程度が高く、わが国の特殊事情に適合する炉型を選定し、将来の実用発電炉に備えて研究開発を推進することを目的とする。
 本年度は、本プロジェクトの第1年度とし、所内外の関連各機関各部門の協力のもとに、国産動力炉の核計算、概念設計を行ない、次年度の詳細設計にそなえる。

(2)高速増殖炉
 高速増殖炉の開発については、総合的な開発計画を作成するとともに、まずこの計画実現のための炉物理的データを得るため、臨界実験装置の建設を計画し、本年度は装置本体、核計装パルス中性子発生装置および付属装置の詳細設計を行なう。
 予備実験としては、天然ウラン体系の拡散実験をパルス法で行ない、またしきい反応法、陽子反跳法による高速中性子測定法の研究を行なう。
 これらと併行して、実験炉の核設計を行なうほか、ナトリウム純度管理技術および燃料の検討を進める。

(3)軽水炉
 JPDRは第1四半期中に臨界に達するが、その後試験運転、定常運転を通じてプラント機器の特性試験、炉心核特性の測定および解析的研究、動特性の研究を行なう。また、JPDR材料の腐蝕試験、大型計算機による燃焼コードを作成し燃焼率の計算を行なう。軽水臨界実験装置(TCA)を用いて、JPDRを含めた軽水減速系の炉物理の実験的研究を行なう。

(4)半均質炉
 臨界実験装置による炉物理的研究では、黒鉛減速濃縮ウランの各種組合せ炉心の臨界データ等の測定、パルス中性子源を用いたSHE VII以後の炉心構造における制御棒、燃料棒等の等価反応度の測定およびその理論値との比較、反射・体につき未臨界系におけるパルス中性子法の実験を行なう。また、リニア・アクセレレーターを用いてボロン含有黒鉛系のスペクトルと散乱の研究を行なう。
 燃料の研究では、黒鉛中のUC2の高温変化、黒鉛中にトリウム化合物とウラン化合物が共存するときの反応について研究を行なう。JRR−3に設置される核分裂ガス拡散ループを用いて、核分裂生成ガスの挙動を追跡し、インターナル・トラップの開発に資する。またJRR−2実験孔を用いた燃料のカプセル照射を行なう。
 ビスマスの研究では、前年度に引きつづきビスマス循環実験装置を用いて循環実験を行ないまた、熱対流腐蝕試験用ループにより鉄鋼の腐食の研究を行なうほか、黒鉛のビスマスによる腐蝕の研究を行なう。
 黒鉛については、高温における熱伝導度、熱膨脹係数等の特性測定を行なうが、とくに熱伝導度測定装置の改造を行ない2,000℃までの測定が安定に行なえるようにする。
 また、高温ガス冷却炉燃料要素の伝熱流動に関しては、各種試作試験片につき高温高圧ガスループによって、伝熱面特性、乱れ発生機構、入口効果などの諸特性を検討する。
 前年度、半均質高温ガス冷却実験炉の概念設計を行なったが、本年度はその各部について詳細な評価検討を行なう。とくに燃料要素については核分裂生成ガスの漏洩防止について検討を加えるとともに実物試作を行なう。

(5)水均質炉
 均質炉の炉物理的研究では、臨界実験装置により2領域における零出力実験を行ない、ブランケット中の酸化トリウムスラリー濃度をステップ状に増加させながら、炉心を順次大きいものに変えて中性子バランスに主眼を置いて動特性に関する研究を行なう。
 沸騰型スラリー炉の予備実験では、沸騰型スラリー炉予備実験装置の系内を5気圧程度に加圧して実験を行なう。すなわち比出力、循環の安定性、炉心内部の流れの状態、マイクロスヘヤー燃料の行動等に関する実験を行ない、これらの諸結果と計算を併用して沸騰自然循環による熱除去の炉への適応性を検討する。

(6)熱除去および構造要素
 水冷却炉の熱工学的研究では、高圧ループを改造して沸騰伝熱とバーンアウトが二相流動により影響される状態を把握し、また固体間伝熱ではシースと燃料間の接触抵抗が燃料の製法によりどう変るかを研究する。
 原子炉構造の工学的研究では、黒鉛の機械的性質の研究とくに黒鉛の高温強度の機構の研究原子炉内圧力容器許容応力の検討および光弾性装置を用いたコールダーホール型炉の配管系における応力解析を行なう。
 溶接の研究では、ループ発熱体の接合に耐熱性をもたせるため、各種ろう材を開発し、また接着の基礎であるろう材の濡れ性を解明する。

(7)原子炉制御および計測
 動力炉制徹の計算機制御については、原子炉の起動、停止、出力の大幅な変動等をディジタル方式により自動化する研究、簡略化した近似モデルによる速応最適制御の研究、計算機制御系のためのバイナリーノイズ法による動特性の測定法の研究を行なう。
 アナログ計算機を用いた研究では、コールダーホール型炉について原子炉側に外乱が加わった場合の二次系の応答を解析し、前年度に行なった一次系の解析と合わせてプラント全体としての総合的制御特性を検討する。
 原子炉計装標準化のため、前年度に引きつづき、トランジスタ化、2out of 3回路、計装一般の磁気化を検討し、とくにJETR用の各種計装の試作研究を行なう。また、半導体検出器を用いて炉の中性子束分布の測定、半導体を用いたしきい核分裂計数管の開発を行なうとともにJETR用制御棒の試作研究を行なう。

(8)JRR−3の特性測定
 JRR−3は、本年度低出力から高出力(10MW)までの運転を行なうが、低出力時においては前年度から継続中の制衝棒等価吸収反応度の測定、重水液面変動による反応度変化の測定、炉心各部の反応度分布の測定、ボイド効果の測定、温度係数の測定、出力較正、中性子束分布の測定等を行なった後、中出力運転時には動特性の測定、炉雑音実験、冷却特性、破損燃料検出装置(FFD)の調整等の特性測定を行ない、高出力への出力上昇のための資料を得る。また中出力から高出力にかけては熱的特性試験、制御特性試験、水、ガスの放射線分解の測定等を行なう。

(9)リアクターコードの開発
 JRR−1、2、3、JPDR、JETR半均質および水均質の臨界実験装置による実験と平行して臨界量計算、核計算を行ない、各係のコードを開発する。また、非均質格子系の核定数のコード高速炉の安全性コード等を開発整備する。

2. 安全性の研究
(1)炉工学的安全性
 安全性に関する炉工学的研究では、燃料体の熱疲労による被覆材破損の研究および原子炉、ループ等原子炉施設の高温、高圧容器の被損の研究、超音波水深探傷法等によるTLW−1ループおよびTLG−1ループについて非破壊検査の研究を行なう。また、冷却材漏洩検出法の研究破損燃料検出装置の研究を行なう。
 安全性解析とそれに伴う実験研究では、炉心内中性子測定技術を発展させ、反応度変化の時間的空間的依存性をしらべるとともに、反応度事故に伴う事故抑制因子の検討を行なう。また、制御系、熱系の安全性については、燃料体温度変化の炉に及ぼす影響および制御効果を上げるため非線型機構について実験的研究を行なう。
 建設技術の研究では、JRR−3、JPDR等の遮蔽構造格納容器の耐震性につき解析を行なうとともに、遮蔽コンクリートのモックアップ試験による温度分布、クーリング効果等の研究、およびコンクリートの高温弾性、気密性に関する研究を行なう。また、高放射性試料を扱うグローブボックスの試作研究および表面仕上材の放射線照射実験を行なう。

(2)放射線管理の技術開発
 外部被曝に関しては、まず、ドジメトリーの基礎理論である空洞理論の精密化、一般化につとめ、有用なるデータを得るため、種々の放射線物理的研究を行なう。また中性子吸収線量測定技術開発のため、種々の基礎実験を行なうとともに、正確な被曝線量を推定するため速中性子エネルギーも考慮に入れたカウンター製作の基礎研究を行なう。また、ガンマ線の混在する中性子線測定用の個人被曝線量測定器の研究を行なう。一方、環境管理の面より環境汚染による被曝線量測定を行ない、環境汚染が周辺の人におよぼす影響について管理上の基礎資料を得る。
 内部被曝に関しては、人体放射能の測定法および定量法の研究のため、人体放射能測定装置を用いて、宇宙線のNaIに及ぼすバックグラウンド影響の解明、体内のベータ放射能の測定法の研究、中性子線被曝線量の測定法の研究、体内の137Csの経年変化の研究、呼気中のラドンを捕足して体内放射能を推定する研究を行なう。また事故時に備え放射性物質の体内摂取量の推定を行なうため、排泄物中の放射性物質の量と体内量との関係を求める。一方個々の放射性核種の分析法、とくにアルファー放出核種の分析法の検討を行なう。
 汚染検出ならびに除去に関しては、皮ふの汚染機構、並びにその除去方法について、主としてベータ、ガンマ核種について基礎的研究を行なう。また、各種表面活性剤の除染性能を測定し、除去剤開発のための基礎実験を行なう。

3. 燃料材料開発および関連研究
(1)燃料開発研究
 金属ウラン系燃料の研究では、高温クリープ試験機、高温顕微鏡等を使用し、U−Mo、U−Fe等の高温用金属燃料の研究を行なうほか、金属ウランのループ照射試験を行ない、燃料破損、とくに、金属ウラン酸化による核分裂生成ガスの放出の実験および解析を行なう。
 U−Al系合金燃料の研究では、JRR−2使用済燃料の冶金学的試験、および穿孔したJRR−2型燃料の水腐蝕について炉外および炉内試験を行なう。また、U−Al合金について高温特性などの物理冶金的試験を行なう。
 セラミック燃料の研究ではUO2、UCの高温における物性の研究、UO2のカプセル照射による照射効果、および核分裂性ガス放出についての研究を行なう。
 ウラン濃縮の研究では、イオン交換電解法については3段カスケードを用い、まずカリウム等の分離効果を測定し、また、化学交換法によるウランの分離については20段繰り返し濃縮作業を行ない、その向流連続化の研究を行なう。

(2)材料開発研究
 原子炉構成材料の腐蝕に関する研究では、ジルコン合金、ニオブ合金、不銹鋼などについてオートクレーブおよびループを用い、高温高圧水蒸気による腐蝕試験を行なう。原子炉用金尾材料の高温動的強度に関する研究では、耐熱被覆材料の高温強度および燃料体の熱疲労の実験を行なう。
 金属材料の照射効果に関する研究では、マグノックス合金、および302B鋼材についてJRR−2垂直実験孔を用い、高中性子束による照射試験を行なう。
 材料の中性子照射による脆性破壊の研究では原子炉用鋼材および溶接部について4段階の照射試験を行ない、衝撃、引張試験を行なう。

(3)照射技術の開発
 汎用水ループ(TLW−1)については、年度当初、炉外試験を行ない、ひきつづき冷却系、精製系および計測系等の改造後、9月頃JRR−2に据え付け、重金属を用いた模擬燃料を使用して炉内試験を行なう。
 ガスループ(TLG−1)については、炉外試験を行ない、炉内装入の準備を行なう。
 NaK封入カプセル照射ループ(EFTL−2)については38年4月にJRR−2に装着し約1ヵ月間の試運転後、ウランの照射試験を行なう。ハイドロラビット式汎用照射ループについては、38年末、炉内に装入し半均質燃料を主としたカプセル照射試験を行なう。
 照射実験に関連して問題となるガンマ線の発生については、JRR−2の実験孔内のガンマ熱分布を試料を変えて測定し、ガンマ熱の計算方法を検討する。
 また、計測付カプセル、JRR−2気送管およびラジオアイソトープ・トレイン用マグノックス・カプセル、一般照射用カプセルを試作開発し、炉外、炉内試験を実施して問題点を検討する。
 ホット・ラボラトリーにおける照射済試料の取扱技術開発のためキャスクの取扱、照射後金属エッチング法の開発を行なうほか、除染に関連してフログマン方式、グリーンハウス方式の開発を行なう。

4. 燃料再処理研究
(1)再処理装置の研究
 前年度モックアップ試験室より移設した溶解装置、抽出分離装置は廃液操作室の完成をまって、天然ウランによるコールド試験を始める。前半は硝酸ウランによる抽出試験に重点をおき化学的組成、流量、パルス技動数等の各変数について最適値を確認し、後半は溶解実験によってとくにガス放出関係装置の試験に重点をおく。これと併行して分析関係、プルトニウム関係、廃液関係を含めた各種装置建家内装の整備を進める。再処理試験用ホットケープ建家内に原子燃料公社のミキサーセトラーを設置し、コールド試験を行なう。
 以上の諸研究は原子燃料公社との共同研究として進める。

(2)再処理プロセスおよび再処理廃棄物処理の研究溶媒抽出プロセスの研究では、ウラン系燃料のビュレックス法再処理は試験プラントの建設にいたったので、本年度からはトリウム−ウラン系燃料のサルフエックス−ソレックスおよびダレックス−ソレックス法再処理の研究を行ない、また溶媒の著しい放射線損傷を考慮してアミン溶媒抽出についても研究を行なう。
 高温冶金法再処理の研究では、高速炉燃料の再処理を目的として塩化物分溜法により酸化物燃料に引きつづき今年度は炭化物燃料への応用を研究する。
 フッ化物法による燃料再処理の研究では、燃料フッ化に関して、ウランカーバイドのフッ素によるフッ化反応について熱天秤により反応過程をしらべ速度論的研究を行なうほか、流動層方式による燃料フッ化装置について予備実験を始める。また、フッ化物相互分離に関しては数種のフィッシュームのフッ化物を合成し、UF6とこれからフッ化物の分離についての研究を行なう。
 再処理廃棄物処理の研究では、高放射性廃棄物のポット仮焼による固型化の研究を行なうため、模擬廃液により脱水、脱硝酸、仮焼の各過程の反応および浸出性の測定を行なう。また、プルトニウム廃液処理については、本年度は再処理用ホット・ケーブ付属設備の設計資料を得るために、廃液から回収したプルトニウムを用いて、再処理試験用ホット・ケーブで予想される廃液の条件下で研究を行ない、その除染状況から数種の処方を選択する。

5. プラズマ工学研究
 核融合の研究では、新たに高速、高密度のプラズマ・ガンを設計、製作し、既存の小型磁場容器に入射して、その特性測定を行なう。また小型磁場容器に分光器、流しカメラを追加し、入射時のプラズマと磁場の相互作用、プラズマのマクロ的諸量(イオン密度、温度等)および形状の変化などの研究を行なう。さらに、以上の研究結果を検討しつつプラズマの長時間保持を目的とする大型磁場容器を設計発注する。
 MHD直接発電の研究では、プラズマ発生器の整備および出力増加をはかり、非平衝電離法のうち、電場印加法の最適条件を研究するとともに、ガス導電率の測定法、高温ガスの温度測定法などを確立する。一方、MHD研究用の大型電磁石を新たに設計し、発注を行なう。

6. ラジオアイソトープの製造研究
 前年度にひきつづきJRR−1、JRR−2を利用して31P(n.p)31Si、65Cu(n.p)65Ni等の核反応について無担保で分離精製する方法を研究する。
 ホット・アトム効果によるラジオアイソトープの製造研究では、高中性子束による34s(n.γ)35S反応、反跳化学による35Cl(n.p)35S反応および、フヱロシアニン錯塩などの反跳効果について研究を行なう。
 特殊核反応によるラジオアイソトープの製造研究では、26Mg(3H.p)28Mg、37Cl(γ.n)33P等の反応について開発する。その他、リニア・アクセレレーターによる製造研究では本年度は(γ.n)反応のほかに(γ.p)(γ.α)反応によって作られるラジオアイソトープについて研究する。
 核分裂生成分からのラジオアイソトープの分離については140La、155Eu、90Yなどの相互分離の研究140Ba、89Sr、103Ru、106Ru、95Zr、95Nbなどの純度を高める研究を行なう。
 精製ラジオアイソトープの製造技術の研究については、前年度製造技術を確立した35S、56Mn等の核種について製造試験の適用を行なうほか、51Cr、203Hg、181I等について研究を行なう。132Iの製造技術の研究では核分裂生成物から132Teの分離、132Teから132Iをミルキングにより分離する方法を確立する。有機標識化合物製造技術の研究では、前年度に引きつづき、14Cで標識されたメタノール、酢酸、KCN、ベンゼンなど基幹体の製造条件の細部検討を行なう。また、短寿命線源192Ir、198Anなどについて実用化の開発を行なう。
 ラジオアイソトープの検定法の研究については56Mn、140La、51Cr、208Hgなどについて研究を行なう。

第2節 高崎研究所

1. 中間規模試験
 固相反応中間規模試験としては電子線照射による繊維のグラフト重合反応をとりあげる。すなわち、セルロース繊維のスチレングラフトを前照射法で行なうこととし、本年度は試験装置設計資料を得るため、まず予備試験として1バッチ3kg程度の実験装置で反応工学的研究を行なう。
 気相反応中間規模試験では、コバルト−60ガンマ線によるエチレンの高圧重合反応をとり上げ、まずバッチ式重合反応装置により種々の基礎資料を得るとともに触媒の検討、反応形式の検討を行なう。

2. 放射線物理工学
 ラジオアイソトープに関する線源工学の研究では、コバルトー60ガンマ線源を各種形状に組立てて線量率の分布を測定し線濠効果の検討を行なう。
 加速器に関する線源工学の研究では、加速器の性能をしらべるための電流等の特性測定を行ない直流、交流の相違による回路的な研究および2次電子による影響、さらに発生エックス線のエネルギー分析、線量測定を行なう。

3. 放射線化学工学
 放射線化学反応装置に関する研究では、反応速度と線量率との関係を求めるため、攪拌効果測定実験装置を用いて反応器内の線量率分布と生成反応度との関係をしらべる。

第3章 原子炉の設計、建設および操作

1. JRR−1
 前年度に引きつづき、共同利用、訓練、測定のため定常運転を行ない、その間4月、8月および12月にそれぞれ約2週間定期検査を行なう。また原子炉研修所のための運転訓練は、一般課程について、7月から8月、2月から3月にかけてそれぞれ6週間、また短期訓練については、10月および12月にそれぞれ約2週間行なう。
 総運転時間は約880時間、出力は最大50kW、平均21kWで運転を行なう。

2. JRR−2
 本年度は、5MWからはじまる高出力の定常運転を行ない、その間、4月、8月および12月に定期検査を行なう。その期間を利用してEFTL−2ループ、TLW−1ループおよびハイドロラビット式照射ループの炉内取付けを行なう。また共同利用は本年度上期から開始し、逐次拡大する。

3. JRR−3
 前年度に引きつづき、主として水平プラグハンドラー、ラジオアイソトープ取扱装置、使用済燃料取扱設備等の追加工事を行なう等、次年度以降の共同利用開始にそなえる。出力は、年度上期は10kW、年度半ばには10kWないし1MW、下期以降1MWないし10MWの試験運転を行ない、この間を通じ、低出力、中出力、高出力に応じて特性試験を実施する。
 また年度後期には核分裂生成ガス拡散ループの炉内取付けを行なう。
 一方国産二次装荷燃料は年度半ば以降順次納入される。このため燃料格納庫、使用済燃料施設を建設する。

4. JRR−4
 昭和39年10月を臨界目標に前年度に引きつづき建設を進め、建家工事、設備工事は年度内にほぼ完了する。原子炉工事は引きつづき工場製作を行なうとともに、年度始めにはプールライニングおよびスリーブ類の配管工事を行ない、年度中期以降から炉本体その他付属機器類の据付工事を実施する。

5. JPDR
 本年度当初、燃料装荷を行ない、引きつづいて臨界試験および出力上昇、連続100時間全出力運転を行ない、8月頃引渡しを受ける。以後約2ヵ月間準備運転を行ない、10月頃から本格的運転に入る。

6. 材料工学試験炉
 前年度行なわれた炉本体各部の概念設計をさらに検討し、仕様の細部を固め、外国コンサルタントに検討を依頼し、最終的な仕様書を作成し、発注にそなえる。
 またこれと併行して、建家の設計、ループ関孫の仕様の検討を行なう。

7. 高速炉臨界実験装置
 高速炉臨界実験装置は、装置本体、核計装、パルス中性子発生装置等の設計発注を行なう。
 このため債務負担行為限度額約1億330万円を計上する。

8. その他の臨界実験装置
 軽水炉臨界実験装置については、前年度に引きつづき、JPDRの運転、および軽水炉の開発に必要な資料を得るための測定実験を行なう。
 水均質炉臨界実験装置については、ブランケット系の改造後、スラリー流動試験をへて酸化トリウムスラリーをブランケットとした2領域系の臨界実験を行なう。半均質炉臨界実験装置については、前年度に引きつづき各種実験を行なう。

第4章 主な研究施設および装置の建設・整備

第1節 東海研究所

1. ホットラボラトリーの増設
 将来国内に設置される各種の動力炉および所内各種の原子炉の燃料材料のモニタリングを行なうため、昭和40年稼働を目標に建家約900坪の増設に着工する。同時に来年度以降からの内装に備えその仕様、設計に対しコンサルタントにかける。このため現金約6,700万円、債務負担行為限度額6億600万円を計上する。

2. 再処理試験用ホット・ケーブの整備
 建家関係では、廃液処理試験室、高レベル廃液貯蔵庫、1AW貯槽室、ホット準備室、ボンド、地下ダクトの建設に着手する。研究施設では溶媒回収装置、廃液操作室内装、プルトニウム廃液処理装置、プルトニウム回収関係の抽出、イオン交換沈澱の各装置等の発注を行なう。これらのため現金約8,700万円、負担行為限度額約2億5,300万円を計上する。

3. プルトニウム特研の整備
 前年度着工したプルトニウム特研の増設150坪の内装として冶金および分析関係の特殊グローブボックス機器装置類、ヘリウム循環精製装置等を整備する。

 このため前年度債務負担行為限度額の現金化1,500万円を含め現金約4,700万円を計上する。

4. 炉内照射装置の整備

(1)高温高圧ガスループ(TLG−1)
 JRR−2の水平実験孔を使用し、半均質燃料等を温度550℃、圧力15気圧のヘリウム中で照射するもので、本年度前半から炉外試験を行なう。また次年度以降の炉内試験に備え、照射プラグ出入装置、試料切断装置、照射プラグ切断装置等を発注する。このため前年度債務負担行為限度額の現金化約5,000万円、債務負担行為限度額2,610万円を計上する。

(2)極低温照射ループ
 JRR−3水平実験孔に設置し、液体ヘリウム温度、コンバーター使用にする高速中性子束下での照射により、照射損傷の基礎的実験を実施するため、前年度発注したもので、年度末には炉外据付を終る。このため前年度債務負担行為限度額1億3,500万円の現金化を計上する。

5. 沸騰型スラリー炉予備実験装置の建設
 前年度行なわれたチャンネルフローの実験にもとづき、比出力、循環の安定性、炉心内部の流れマイクロスフェヤー燃料の挙動等を研究するため系内を加圧し、模擬炉心を有する沸騰型スラリー炉の予備実験装置を建設する。このため現金約1,040万円を計上する。

6. プラズマ工学関係の研究施設の整備
(1)大型磁場容器
 超高温プラズマを100マイクロ秒以上の長時間にわたり保持し、その諸特性の研究を推進するため、大型磁場容器の設計発注を行なう。このため債務負担行為限度額2,400万円を計上する。
(2)MHD実験用電磁石
 非平衡電離ガスの磁場内における現象、すなわちホール効果、磁場内の再結合、熱伝達、導電率の均一性等を研究するためMHD実験用電磁石の設計発注を行なう。このため債務負担行為限度額2,000万円を計上する。

7. 中性子分光器
 前年度発注した中性子の非弾性散乱を測定するための中性子分光器は、年度末に完成する。このため債務負担行為限度額の現金化1,700万円を計上する。

8. 計算センターの設置
 大型電子計算機(IBM7044)を年度後半に設置する。このため、計算機借料として現金約8,400万円、輸入諸掛として前年度債務負担行為限度額の現金化1,500万円を計上する。

9. その他
(1)JRR−3 燃料格納庫
 JRR−3二次装荷燃料は本年度半ばから納入が開始されるが、これにそなえて新燃料格納庫約62坪を建設し、内装として295本分の燃料棒架台および緩衝装置、クレーン等を設置する。このため現金約1,500万円を計上する。
(2)非常電源
 JRR−2に設置される各種ループの本格的運転に備えJRR−2建家に付属して容量75kVAの非常用電源を増設する。
 このため建家約12坪の建設費を含め現金約1,640万円を計上する。

第2節 高崎研究所

(1)コバルト60線源中間試験施設
 本施設は固相、液相および気相の照射試験を行なうもので、前年度に引きつづき575坪の建家の建設および内装、線源の一部を整備し、年度内に完成する。本年度は新たにコバルト−60線源10万キュリーを追加発注する。
 このため債務負担限度額の現金化約4億6,100万円、債務負担行為限度額8,000万円を計上する。
(2)加速器中間試験施設
 本施設は加速器を用いて各種照射試験研究を行なうもので前年度に引きつづき210坪の建家の建設、2MeV、10kWの共振変圧器型加速器の設置を年度内に終える。
 このため債務負担行為限度額の現金化約1億2,600万円を計上する。
(3)中間規模試験設備
 固相反応中間規模試験設備としては加速器によるセルロース繊維のスチレングラフトを前照射法で行なう装置として、1バッチ20kg程度の試験装置を製作する。このため現金約4,000万円、債務負担行為限度額300万円を計上する。
 気相反応中間規模試験設備としてコバルト−60ガンマ線によるエチレンの高圧重合反応を行なうためエチレン重合中間試験装置を設計製作する。このため債務負担行為限度額5,240万円内現金2,300万円を計上する。
(4)ラジオアイソトープ工学試験室
 本施設は60Co、137Cs、85Kr等の各種小線源を用いて、線源工学の開発研究を実施して放射線化学の工業化のための資料を得るものであり、建坪約200坪とし、次年度迄に完成の予定で建設に着手する。このため債務負担行為限度額約1億3,800万円内現金2,600万円を計上する。
(5)モックアップ試験室
 本施設は中間規模試験のための前試験、放射線化学工学の各種試験および基礎実験を行なうための施設で、鉄筋コンクリート造平家建約150坪とし、年度内に建設を完了する。このため現金約2,900万円を計上する。
(6)電圧測定装置
 加圧器により発生する電子線ビームエネルギーを測定するため本年度電圧測定装置の発注を行なう。
 このため債務負担行為限度額1,000万円を計上する。
(7)電子スピン共鳴装置
 放射線化学反応機構、重合物の性質を調べるため、本年度電子スピン共鳴装置の発生を行なう。
 このため債務負担行為限度額約2,500万円を計上する。
(8)質量分析計
 高圧ガスの放射線化学の解析および生成物の分析を行なうため、本年度質量分析計の発注を行なう。
 このため債務負担行為限度額約2,500万円を計上する。

第5章 枝術者の養成訓練

1. ラジオアイソトープ研修所
(1)基礎課程は従来通り年間8回開設し、その中1回はIAEA留学生コース、1回は原研新入所員の研修、残りの6回は一般コース(期間4週間)とし、年間256名の研修を行なう。
(2)高級課程(期間8週間)は年間2回開設し、1回15名、年間計30名の研修を行なう。
(3)特殊テーマの実験を主とする研修の要望に応えて、本年度から新たに密封線源コース(期間1.5週間)オートラジオグラフコース(期間1週間)軟ベータアイソトープコース(期間2週間)の専門課程を設ける。年間各コース1回開設し、定員は密封線源コース30名、オートラジオグラフコース、歓ベータアイソトープコース各15名で計60名の研修を行なう。

2. 原子炉研修所
(1)一般課程(期間6ヵ月)は、4月開講の第7回課程と10月開講の第8回課程とし、ともに32名の予定人員で従来通り前期3ヵ月は講義を主とし、後期3ヵ月は実験演習を行なう。
(2)高級課程(期間1ヵ年)は、受入研究室へ年間予定人員8名を配属し、9ヵ月間室長指導の下に特定テーマの研究を行ない、3ヵ月間一般課程の聴講およびJRR−1の運転実習に参加させる。37年度の第6回課程は38年9月末に修了し、第7回は38年4月から39年3月末までの1ヵ年間、第8回は10月から39年9月末まで実施する。
(3)JRR−1の短期訓練は10月末、12月末にそれぞ2週間ずつ年間2回、計30名に対し実施する。
(4)本年度から新たに基礎訓練課程を設け、高卒者を対象に年2回、期間は3ヵ月、人員計48名について基礎訓練を行なう。
 課程は講義および実験、実習とし、内容は高級な理論を排し、基礎的なものとする。

第6章 ラジオアイソトープの生産および頒布

(1)ラジオアイソトープの生産
 JRR−1、JRR−2等を利用し、ラジオアイソトープ製造試験工場において24Na;1.6c、42K;0.5c、82Br;0.3c、64Ca;0.1c、32P;1c、131I;7c、35S;2c、198Au;7.5c、76As;0.1cなどのラジオアイソトープの生産を行なう。

(2)ラジオアイソトープの頒布
 ラジオアイソトープの頒布については、前年度に引きつづき、卸し売りを主とする。

(3)ラジオアイソトープ棟の建設および整備
 前年度末、着工したラジオアイソトープ棟868坪の建家建設工事を年度内に完成する。年度後半からこれを併行して、短寿命のラジオアイソトープ用セル等内装の一部を行なう。このため前年度債務負担行為限度額の現金化約1億6,500万円を含め現金約2億2,700万円を計上する。

第7章 研究サービス

1. 資料の収集
 図書資料の整備に関しては、和洋書的3,000冊、雑誌約1,000種を購入するとともに、その管理をIBMにより機械化し、図面などについてはマイクロ化につとめる。また国際情報交換の強化、AECレポートのデポジトリーの指定に伴い、寄贈、交換による資料の入手を拡大する。

2. 放射線管理
 本年度は、必要な日常業務を実施するとともに、非常対策用モニターの増設、汚染除去場の増設拡充、予備モニターの整備等の事業を行なう。
 非常管理については前年度構内のガンマ線量率測定モニタリング網の整備を終えたが、本年度は構外モニタリング網の一部として構外約2kmの地点に4台の設置を行なう。またJPDR、JRR−4の無人時の放射線事故を正門警備員詰所に通報する自動警報装置を設置する。
 個人管理については、フィルムバッチ、ポケットチェンバーによる外部被曝量の測定管理を引きつづき行なうほか、尿検査については管理区域内作業者に対し年3回の検査を行ない、糞検査については不溶性核種の摂取事故に備え任意実施の体制をととのえる。
 研究室管理については、管理の万全を期するためJRR−4プルトニウム特研等に対しモニターの新増設を行なうほか、予備モニターの整備を行なう。JRR−2再処理試験用ホットケープに対し新たに沃度モニターを設置して、管理の効率化につとめる。
 野外管理については、外部放射線、空気中、排水、放射性降下物および環境試料中の放射能の測定を日常業務として行なう。
 除染管理については衣料、器材の除染を日常業務として行なうほか、施設の除染について必要ある場合に実施する。また本年度は大型機器の除染を行なうため汚染除去場建家150坪を増設する。
 計測機器の管理としてはサーベイメーターその他の線量測定器の校正を4ヵ月に1回行ない、検出器の精度向上につとめる。
 気象海洋関係では、構内および周辺の観測施設による常時観測とともに大気中、海洋における拡散実験を行なうほか、東海研究所沖に無線ステーションを設置し、潮流の流向、流速、温度、塩分等の連続観測値を無電で送信できるよう計画する。

3. 廃棄物処理
 放射性廃棄物の量は年毎に増加しているが、その定常的な運按管理および貯蔵管理を行なうとともに、とくに処理能力500l/hの中レベル蒸発缶および濃縮スラッジの固型化装置を年度半ばから運転する。このほか高レベル廃棄物格納施設として廃棄物貯蔵孔6基、汚染機器貯蔵ピット3基、小型ドラムピット1式および使用済一次燃料格納施設を建設し、小規模な有機廃液固塾化処理装置を整備して処理に万全を期する。

4. その他
 以上のほか、研究の効率的な実施に必要なサービス部門の拡充整備につとめる。
 とくに中央分析室には金属の微量不純物の定量を行なうためにエレクトロンプローブ・マイクロ・アナライザーを設置する。また工務関係では運転設備の増加に伴い設備合理化の一環として、排風機の自動化、遠隔操作化等の改修工事を行なって管理の能率化をはかる。

第8章 各種研究機関との連繋

1. 成果の普及
 前年度に引きつづき、研究成果を普及するため、研究報告、調査報告、資料、年報、広報誌“原研”をとりまとめ、広く配布する。また年1回研究成果発表会を行ない、所内の研究成果および現状を報告する。

2. 共同利用
 JRR−1、Co−60照射室については、前年度に引きつづき共同利用を行なう。
 ホットラボラトリー、JRR−2については、本年度上期から共同利用を開始する。

3. 開放研究室
 開放研究室については、前年度に引きつづき研究・6棟の13スパン、原子炉特研の4スパンを大学民間企業等への利用に供する。

4. 受託研究、共同研究、委託研究
 研究体制の充実に伴い、民間企業等外部研究機関からの受託研究および共同研究を積極的に行なう。本年度受託研究としては、前年度から引きつづきコールダーホール型原子炉の工学的研究を行ない、新たに半均質臨界実験装置による高温核常数測定用臨界集合体の基礎実験等を予定する。共同研究としては、前年度に引きつづき原子燃料公社との再処理に関する共同研究を行なうほか、マグノックスの照射試料の製造と照射後試験等を予定する。
 一方、研究所における研究を補完し、その研究を一そう効率的にするため、民間企業等に対して委託研究を行なう。本年度はMHD発電実験用超電導磁石の試作研究、分岐管合−管におけるサスペンションの流れと粒子の挙動についての研究、分解ガスの再結合方式に関する研究、核分裂生成ガストラップ照射試験用試料の試作研究、エアライン式防護衣の改良等の研究を外部に委託する。

5. 受託業務
 日本における原子力開発推進の一助とするため研究所の施設および人員を利用する業務の受託を行なう。

6. 外来研究員
 外来研究員については、高崎研究所の本格的稼働に備え本年度新たに20名を増加し従来の80名に加えて、100名の受け入れを行なう。

7. 研究委員会等
 施設の共同利用と研究所内外の研究の一そう効率的な推進をはかるため、従来の各種研究委員会等のほか本年度から新たに原子力コード委員会、シグマ研究委員会、分析化学委員会を発足せしめ、研究の進展に資する。

8. 国際交流
 国際交流の重要性に鑑み、各種国際的討論の場に、研究員を積極的に参加させるとともに、国産動力炉の開発、プルトニウム研究等主要事業に対しては、責任者を外国に派遣して、その状況を調査し、一方外国の専門家を招へいしてその意見を聴く等の措置をとる。また前年度に引きつづき、日米研究協力および西ドイツとの研究員交換への参加、ラジオアイソトープ研修所におけるIAEA留学生コースの開設等を行なう。
 本年度は新たに、化学分析の分野では、燃料の標準試料を作成し、IAEAを通じて各国に配布するとともに、分析方法とその結果の交流を行なう。
 原子力情報の国際交流では、従来からの英文による原研の研究成果一覧、年報を配布するほか、本年度はわが国の原子力研究成果の英文抄録“Nuclear Science Abstracts ofJapan”を充実し、年度後半から隔月発行を行なう。

第9章 その他

1.人員




2.管理厚生施設の建設

東海研究所

車庫
工務作業室 73坪
体育館    40坪
その他    254坪(原子燃料公社と共同)

以上の建設費として約2,300万円を計上する。

高崎研究所

危険物倉庫 50坪
車庫      60坪
ボイラー室  53坪

以上建設費として約2,200万円を計上する。

3.住宅の建設

東海研究所

職員住宅 100戸 1,558坪

以上建設費として約1億4,000万円を計上する。

高崎研究所

職員住宅 19戸 319坪

以上建設費として約4,000万円を計上する。
前年度着工した独身寮の建設は38年9月頃完了する。

4.核燃料物質等の計量管理
 核燃料物質等の計量管理については、「核燃料物質計量管理の手引き」により、その周知徹底をはかり、管理の万全を期する。

5.特許
 特許出願が逐年累増するとともに登録も順次増加しているので、関連特許の事前調査、実施権賦与に関する実施希望者の調査を行なう。また外国出願にあたっては慎重な調査の下に出願を行なう。