昭和37年度第1種放射線取取扱主任者試験結果

−合格者174名−

 昭和37年度第1種放射線取扱主任者試験は、7月2日の科学技術庁公告にもとづき8月30日、31日の両日東京(東京教育大学)および大阪(関西大学天六学舎)の両試験地において実施された。

◎放射線取扱主任者試験合格者

 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和32年法律第167号)第35条第2項に規定する放射線取扱主任者試験(昭和37年8月30日および31日施行)の合格者を次の通り決定したので公告する。

昭和37年10月23日

科学技術庁長官 近藤 鶴代

第1種放射線取扱主任者免状に係る試験合格者

1272  公文 国和

第1種放射線取扱主任者試験問題

法    令

「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」及びその関係法令につき解答せよ。

第1問 次の文章中正しいものには○印を、誤っているものには×印をつけ、誤っている場合にはその理由を簡単に記せ。

(1)放射線作業従事者の被曝放射線量の測定結果の記録は、5年間保存しなければならない。

(2)管理区域に業務上立入る者及び一時的に立ち入る者(放射線作業従事者を除く。)を、管理区域随時立入者という。

(3)18歳未満の者は、放射性同位元素の取扱いをしてはならない。ただし、保健婦助産婦看護婦法(昭和23年法律第203号)により免許を受けた準看護婦はこの限りでない。

(4)放射線発生装置の使用の許可を受けていない者に放射線発生装置を譲り渡してはならない。

(5)機器に装備されている密封されたコバルト60 1000キュリー1個の使用の許可を受けている者がさらに、機器に装備されている密封されたコバルト60 100キュリー1個及びセシウム137 100キュリー1個を使用しようとして許可使用に係る変更許可申請をし、変更の許可を受ける以前に当該放射性同位元素を所持することは、適法である。ただし、その者が現在所持している許可証の「貯蔵能力」の欄には、「コバルト60 1200キュリー」と記載されている。

(6)放射性同位元素の使用の許可を受けた者は、その使用を開始する前に、放射線障害予防規定を作製するとともに放射線取扱主任者を選任し、放射線障害予防規定にあっては使用を開始する前に、放射線取扱主任者にあっては選任した日から30日以内に、科学技術庁長官に届け出なければならない。

(7)許可を得て放射性同位元素を使用している事業所において、放射線取扱主任者が20日間出張することになった場合には、放射線取扱主任者の代理者を選任することなく放射性同位元素の使用を続けてもよい。

第2問 次の文章の__の部分に、下の語又は文の中から適当なものを選び記号で記入せよ。

 なお、同じ語又は文をくりかえし用いてもよい。

(1)外部放射線の放射線量が1__につき 2__をこえるおそれのある場所を管理地域とする。(外部放射線のみを考慮するものとする。)

(2)使用施設には、使用施設内の人が常時立ち入る場所において人が被曝するおそれのある放射線の線量を3__につき4__以下とする能力を有するしゃへい壁その他のしゃへい物を設けなければならない。又、しゃへい壁その他のしゃへい物は工場又は事業所の境界(工場又は事業所の境界に隣接する区域に人がみだりに立ち入らないような措置を講じた場合には、その境界)及び工場又は事業所内の人が居住する区域において放射線の線量を5__につき6__以下とする能力を有しなければならない。ただし、病院又は診療所の病室における場合にあっては、人が被曝するおそれのある放射線の線量を7__につき8__以下とする能力を有しなければならない。

(3)空気中の放射性同位元素の濃度のみを考慮して管理区域を設ける場合には、9__についての空気中の放射性同位元素の平均濃度が10__をこえるおそれのある場所を管理区域として設定しなければならない。(放射性同佐元素の種類は明らかでかつ、一種類であるものとする。)

(4)排気設備は、作業室内の人が常時立ち入る場所における空気中の放射性同位元素の11__についての平均濃度を12__以下とする能力を有するものでなければならない。(放射性同位元素の種類は明らかで、かつ、一種類であるものとする。)

(5)放射性同位元素を運搬する場合(鉄道、軌道、索道、無軌条電車、自動車及び軽車両によるものを除く。)は、容器に入れ、又は容器に入れてこん包した場合において、次に掲げる値の放射線量をこえないようにすること。

i)容器(容器をこん包する場合には、そのこん包)の表面において13__毎時。ただし、郵送する場合には、14__毎24時

ii)容器(容器をこん包する場合には、そのこん包)の表面からと15__の距離において16__毎時

(6)管理区域随時立入者の許容被曝線量は17__につき18__とする。ただし、皮ふのみに対する被曝については19__とする。

(7)人の被曝する放射線量を測定する場合に、その被曝線量が20__につき21__をこえるおそれのない場合には計算によってこの値を算出することができる。

(8)放射線作業従事者の最大許容被曝線量は22__につき23__とする。ただし、皮ふのみに対する被曝については24__、手、前ばく、足又は足関節のみに対する被曝については25__とする。

(イ)1時間     (ロ)8時間

(ハ)11週間     (ニ)1月間

(ホ)3月間     (ヘ)1年間

(ト)0.06ミリレム  (チ)0.2ミリレム

(リ)0.6ミリレム  (ヌ)2ミリレム

(ル)10ミリレム   (オ)30ミリレム

(ワ)100ミリレム  (カ)130ミリレム

(ヨ)200ミリレム  (タ)300ミリレム

(レ)1.5レム    (ソ)3レム

(ツ)5レム     (ネ)8レム

(ナ)12レム     (ラ)20レム

(ム)表の値     (ウ)表の値の2.5倍

(ノ)表の値の2.5倍の10分の1

(ク)表の値の2.5倍の10分の3

(ヤ)表の値の10分の1(マ)表の値の10分の3

(ケ)30センチメートル (フ)1メートル

(コ)3メートル

(注) 表の値とは、昭和35年9月30日科学技術庁告示第22号(放射線を放出する同位元素の数量等を定める件)別表第1「種類が明らかで1種類である放射性同位元素の場合の許容濃度」に示す濃度をいう。

第3問 下記の各項のごとき場合、科学技術庁長官の許可を受けること又は届け出ることが必要な事項にはそれぞれ許可又は届出の字句を、許可又は届出の両者とも不必要な事項には不必要の字句を番号順に記せ。

 解答例‥(13) 許  可

       (14) 届  出

       (15) 不必要

(1)許可を受けて使用している密封されたコバルト60 12キュリー1個を、非破壊検査のため一時的に使用の場所を変更しようとする場合

(2)許可を受けて使用している密封されたコバルト60 5キュリー3個を、地下検層のため一時的に使用の場所を変更しようとする場合

(3)使用施設内においてその使用の許可を受けている密封されていない放射性同位元素を、漏水の調査のため一時的に分散移動させて野外使用する場合

(4)密封されたコバルト60 50ミリキュリー1個を使用している者が、その使用室(その室内で貯蔵は行なわない。)のしゃへい壁の厚さを薄くする場合

(5)密封された1個100マイクロキュリーのラジウム226の針50本を使用しようとする場合

(6)密封された1個20ミリキュリーのコバルト60の針3本を使用しようとする場合

(7)密封された1個500ミリキュリーのセシウム137の針4本を使用しようとする場合

(8)密封されたコバルト60 50ミリキュリー1個を使用している者が、さらに密封されたセシウム137 60ミリキュリー1個を追加して使用しようとする場合

(9)密封されたセシウム137 50ミリキュリー1個を使用している者が、その貯蔵施設を移転しようとする場合

(10)密封されたコバルト60 110ミリキュリー1個を使用している法人が、その法人の名称を変更した場合

(11)密封されたセシウム137 20ミリキュリー1個を使用している者が、その使用目的及び方法を変更しようとする場合

(12)0.01マイクロキュリー毎グラムの濃度の密封されていない放射性同位元素500マイクロキュリーを、広範囲に分散移動させて使用しようとし、かつ、その使用が一時的である場合

管理技術

第1問 放射性同位元素を取り扱う施設の設計において、法律で定められた濃度の数百倍に達する放射性粉じんが排気中に含まれるおそれのある場合、その排気設備計画上の要点をあげ、簡単に説明せよ。

第2問 次の文章のうち正しいものには○印を、誤っているものには×印をつけ、誤っている場合にはその理由を簡単に記せ。

(1)放射性同位元素が体内に入る経路は、消化管よりの吸収と呼吸による気道からの吸収のみである

(2)人体が1回全身照射により25レムのγ線を被曝した場合、通常の臨床検査で検出し得るような身体的障害はほとんど起らない。

(3)放射線障害者の発見のための措置としては、定期的に血液検査を行えばよい。

(4)事故により 400レム程度のγ線を全身に被曝した場合は、中枢神経の障害により数時間内に死亡する危険がある。

第3問 次の各問題の解答(a)、(b)、(c)のうち、正しいものを選べ。

(1)60Co点線源よりのγ線線量率を比重2.35のコンクリート遮へい壁で砧誌に減弱させるに要する厚さはおよそ何cmか。

(a)70crn (b)90cm (c)110cm

 又はその場合の再生係数(buildup factor)はおよそいくらか。

(a)2  (b)20  (c)200

(2)4.5MeV〜8MeVのα粒子の空気中における最大飛程は、R(cm)=KE3/2で表わされる。ただし、Eはα粒子のエネルギー(MeV)である。この場合、比例定数Kの値はいくらか。

(a)0.318 (b)3.18 (c)31.8

(3)1キュリーの198Auから1mの距離におけるγ線線量率はいくらか。ただし198Auの壊変図形は

図のとおりで、又γ光子による線量率は次式のとおりである。

第4問 貯留されている放射性廃液を調べたところ、次の放射性同位元素があることがわかった。これをそのまま下水に排水し得るか否か、理由をあげて答えよ。

検出された放射性同位元素及びその濃度 水中の許容濃度

32P 4×10-6μc/cm3 2×10-4μc/cm3

45Ca 1.8×10-6μc/cm3 9×10−5μc/cm3

203Hg 1X10-5μc/cm3 2×10−4μc/cm3

*昭和35年9月30日科学技術庁告示第22号別表第1による。

第5問 これまでの集積線量が22レムである満25歳の放射線作業従業者は、0.01レム毎時の被曝のおそれのある場所では、最大許容被曝線量の考え方からすれば、1日平均何時間作業することが許されるか。ただし、作業中は全身被曝を受けるものとし、又1ヶ月25日作業するものとする。

測定技術

第1問 低レベル放射能の測定においては、測定器のバックグラウンドを減少させることが必要とされるが、その理由を述べよ。また、ガス入り計数管を使用するβ線計数装置の例において、この目的のためにとられる適当な手段を4以上挙げよ。

第2問 次の測定操作について、それぞれ実用上適当か不適当かを判定し、かつ、理由を簡単に記せ。

(1)貯留槽の廃液中に含まれる90Srの濃度が、そのまま一般下水へ排水し得るか否かを調べるため、β線用液浸型G−M計数管を用いて計数した。

(2)シンチレーションγ線スペクトロメーターを用い、32Pと14Cの混合した試料について、そのおのおのの量を別個に測定した。

(3)核種未知の試料が131Iか否かを見る手段の一つとして、ローリッツェン検電器を用い、数日おきに測定を行なって放射能の減衰を追った。

(4)60Co輸送容器の表面の漏えい線量率が許容値以上か否かを測定するのに、電離箱式線量率計が手許になかったので、ポケット線量計をもって代行した。

(5)ガスフロー式4方β計数装置を用い、薄膜上に載せたおよそ10マイクロキュリーの薄い35S試料の絶対測定を行なった。

第3問 0.1マイクロキュリー程度の60Coが試料皿に入れてある。これを端窓型G−M計数器と、各種の厚みのアルミニウムの吸収板のセットを使用して、その絶対量をなるべく正確に測定するための具体的な方法を記せ。ただし、試料の自己吸収と試料皿よりの後方散乱の影響は既知であるとする。

物理学

第1問 γ線と物質との相互作用における3つの主な過程につき、それらのおこる確率がγ線のエネルギーおよび物質の原子番号とどのような関係にあるかを簡単に説明せよ。

第2問 次のことばを簡単に説明せよ。

(1)放射平衡(radioactive equilibrium)

(2)Bragg曲線(Bragg curve)

(3)電子ボルト(electron volt)

(4)壊変定数(decay constant)

(5)線エネルギー附与(LET,linear energy transfer)

(6)レントゲン(roentgen)

第3問 次の文章の___の中に下の語の中から適当なものを選び記号で記入せよ。

 核反応 63/29Cu(63/30Znによって63/30Znがつくられる。この63/30Znに陽電子崩壌し、放出される陽電子の最大ェネルギーは2,36MeVである。したがって、63/29Cu(63/30Znという核反応の反応エネルギーQは1__MeV となり、これはいわゆる2__反応である。この反応をひき起すための装置としては、3__または4__を用いるのが適当である。ただし、水素原子の質量は1.008142amu、中性子の質量は1.008982amu、電子の質量は0.00055amuであって、1amuは931MeVに相当する。amuは原子質量単位である。

(イ)2.36  (ロ)3.38   (ハ)2.87

(ニ)3.65  (ホ)−4.16  (ヘ)6.18

(ト)−5.67 (チ)陽子捕獲 (リ)光核

(ヌ)吸熱  (ル) 発熱  (オ)蒸発

(ワ)ストリッビング (カ) 枝融合

(ヨ)ベータトロン

(タ)コックロフト・ワルトン型加速装置

(レ)サイクロトロン

(ソ)シンクロトロン

(ツ)ファン・デ・グラーフ型加速装置

(ネ)電子直線加速装置

第4問 核子間に作用する力を核力といい、核力は、すでによく知られている重力やクーロン力と比較するとその特長に大変なちがいがある。核力の主要な特長を少なくとも3つ挙げよ。

化学

第1問人体には平均して0.35%のKが含まれている。

体重60kgの人の身体の中にある40Kの量は何マイクロキュリーであるか。ただし、40Kの存在比は0.012%、その半減期は3.78×1016秒、アボガドロ数は6.03×1023とする。

第2問 次の文章の__の中のAに適したイオン名を第I群の中から、B、C、Dに通した言葉を第II群の中から、E、Fに通した言葉を第III群の中から選べ。

解答例  G−(ソ)

 90Sr++の放射化学的精製を行なうには、その溶液にA__イオンを加えて後、溶液をアンモニアでアルカリ性として水酸化物を沈澱させると、90Y+++がとりのぞかれる。このとき加えたA__イオンはB__とよばれている。90Sr++を確実に溶液中に残すにはC__を加えておけばよい。D__のままで分離精製を行ないたいときはE__或はF__がよくとられる方法である。

第I群

(イ) Fe++     (ロ)Fe+++

(ハ) Cu      (ニ) Cu++

(ホ) Cl-

第II群

(ヘ)担体(carrier)

(ト)保持担体(holdback carrier)

(チ)単体

(リ)スカベンジャー(scavenger)

(ヌ)キャリヤーフリー(carrier free)

第III群

(ル)遊離イオン

(ヲ)金属性

(ワ)イオン交換樹脂による分離

(カ)担体を加えて沈澱生成による分離

(ヨ)放射分析(radiometric analysis)

(タ)溶媒抽出法による分離

(レ)オートラジオグラフイー(autoradiography)

第3問 次の(1)〜(4)の文の正しい解答と思われるものをA〜Eの中から1つ選べ。(*印は放射性核種を示す。)

 解答例:(7)−(F)

(1)次の操作では放射性核種が気体として放出される。

(A) CaCO3に塩酸を加えたとき。

(B) Na2Sに稀硫酸を加えたとき。

(C) 1規定の塩酸HCl 10mlにBa(OH)2を1g含む溶液を加えて加熱、蒸発したとき。(Baの原子量:137)

(D) 1規定の硫酸H2SO4 10mlにNaOH0.3gを加えて加熱、蒸発乾固したとき。(Naの原子量:23)

(E) 乾燥したBaCO3を100℃に加熱したとき。

(2)ミルキングとは次のような操作をいう。

(A) 親の核種を精製した後、ある時間放置して生成した娘の放射性核種を分離して集めること。

(B) 親の核種と娘の核種の共存するものから、親の核種のみを分離して集めること。

(C) 親の核種と放射平衡となっている娘の核種を分離して測定し、親の核種の量を定めること。

(D) 放射性核種と安定核種を混合すること。

(E) ラジオコロイドをつくらせて放射性核種を分離すること。

(3)1キュリーの226Ra(半減期1600年)は、放射平衡の成立している次のウラン鉱物中に含まれている。ただし、238Uおよび235Uの半減期はそれぞれ4.5×109年および7×108年である。

 (A) 毎秒3.7×1010の崩壊をする放射性核種を含むもの。

 (B) 238Uを4.5×109g含むもの。

 (C) 235Uを(1600/(7X108))g含むもの。

 (D) 235Uを(7X108)/1600g含むもの。

 (E) 238Uを(4.5X109)/1600g含むもの。

(4)次の反応で放射性核種の大部分は溶液からとりのぞかれる。

 (A)Zn++を含む溶液に鉄粉を加えて放置し、ろ過する。

 (B)AgBa++の存在する溶液にAgとBa++を加え、硫酸を加えて生成した沈澱をろ過する。

 (C)Co++Cu++の存在する溶液にCo++とCu++を加えて僅かに酸性とし、H2Sを通じ沈澱をろ過する。

 (D)Ba++Pb++の存在する溶液にAl+++ とCa++を加え、アンモニアでアルカリ性とした後、炭酸ナトリウムを加え生成した沈澱をろ過する。

 (E) 単体の放射性ヨウ素を含む溶液にヨウ素およびKIを加えた後、Agを加えて生成した沈澱をろ過する。

生物学

第1問 β線を放出する放射性同位元素の体外照射と体内照射とによる障害の差異を、90Srについて説明せよ。

第2問 ある事故で、γ線により50レムの全身被曝を受けたことが明らかとなった。その場合、下記の各項目について、A、B、Cのうち最も適当なもの1つを選べ。

解答例:(4)−(A)

(1)検   診

 (A) 直ちに検診を行なう必要がある。

 (B) 定期的な検診のみでよい。

 (C) たびたび検診を行なう必要がある。

(2)早発性障害

 (A) 白血球数の変化が起る。

 (B) リンパ球の変化が起る。

 (C) 赤血球数の変化が起る。

(3)晩発性障害

 (A) 白血病になる。

 (B) がんが発生する。

 (C) ほとんど起らない。

第3問 β線を放出する放射性同位元素の実験中、手に指輪型のフィルムバッジを使用したところ、400レムの被曝を受けたことがわかった。ただし、全身被曝は10ミリレム以下であった。この場合、おこるべき変化およびとるべき措置について次の間に答えよ。

(1)おこるべき変化を次のものから4つ選びその番号を記せ。

  1.白血球減少 2.貧血   3.白血病

  4.脱毛    5.紅斑   6.色素沈着

  7.爪の褐色縞 8.爪の肥厚 9.爪の脱落

  10.全身倦怠 11.食欲不振 12.嘔気

(2)とるべき措置を次のものから1つ選べ。

 (A) 入院加療

 (B) 放射線作業以外の仕事に転業

 (C) 手の保護をしながら軽作業

 (D) そのまま平常の放射線作業を継続

第4問 次の文章中の__内の適当でない方を消せ

 解答例:7.A/

放射線によって変種を作るのは、1.微量照射/大量照射による2.突然変異/優良作用を利用したものであるが、優良種の生ずる確率は非常に小さい。放射線による遺伝的影響をひき起すしきい値(threShold value)は3.ある/ないと考えられている。自然界にも遺伝的影響が生ずる因子はかなりあり、それが放射線によって増加したか否かを知るためには、それら因子の4.2倍化/増加率で見るのが普通である。放射線の作用には可逆性と非可逆性とがあり、遺伝的影響は主として5.可逆性/非可逆性であるので、時間と共に6.軽減/蓄積される。