参与会

第 11 回

〔日時〕昭和36年12月14日(木)14.00〜16.00

〔場所〕プリンスホテル(赤坂)

〔配布資料〕

1−1国内原子炉の状況
1−2世界の動力炉開発状況
   世界の研究炉設置状況
2.昭和37年度放射能調査関係予算概算要求(改訂分)総表
3.原子力年報(昭和35年度)英語版
4.原子力委員会専門部会等の審議状況

〔出席者〕

石川、駒形、西村、各委員

稲生、大屋、大山、岡野、倉田(代)、嵯峨根(代)、瀬藤、高橋、塚本(代)、伏見、正井、松根、三島、三宅、山県、吉沢、脇村、和田、各参与

通産省、運輸省、大蔵省、杠局長、調査課長、国際協力課長、研究振興課長、核燃料課長、アイソトープ課長、原子炉規制課長 原子力開発機関監理官、その他担当官

〔議事概要〕

事務局から
 1.国内外における原子炉の設置状況
 2.37年度放射能対策関係予算の組替え要求
 3.専門部会等の審議状況

について資料各号に基づき報告、説明があり
 4.日米フォーラムにおける諸問題について大屋参与から概要次の通り発言があった。

大屋参与:閉会後に動力炉に関する問題に限って特別セッションを持った。

 ウイルソン・ウニバー氏等も出席し
 (1)来年夏か秋にアメリカで小人数で合同会議を開く。
 (2)日米双方数名で連絡委員会をつくる。
 (3)ハンフォード研究所に日本側の優秀な研究者を常駐させたい。
との提案がアメリカ側からあり、日本側はこれを受諾した。

 会議ではプルトニウムと経済問題が主なもので、経済問題については米側はコマーシャルベ−スですることを強調していた。

 燃料問題については、濃縮ウランの供給は25年を保証し、5年の予告で契約を解除できるといっていた。

 米国では濃縮ウランの民有化とともにプルトニウムも民有の方向に進んでいる。米側の意見ではプルトニウムは買いもどさないとはいわないが必ず買いもどすという保証はしないというニュアンスをもったものである。

 プルトニウムの値も上がりはじめており、それをコマーシャルベースにおくことにより、プルトニウムの活用の途がひらけ、ひいては発電コストも下がる。日本も再処理を進めた方がよいとウイルソン氏はいっていた。

 田中核燃料課長から原研、公社におけるプルトニウムの研究の内容と予算について報告があり、

石川委員:プルトニウムはアメリカからニュートロンソースとして250g、研究用に10g、イギリスから400g受入れることができる。

村田調査課長:ピットマン氏によれば、ハンホードのPRTR(Plutonium Recycle Testing-Reactor)は昨年から試験に入っているがプルトニウムを燃料としてどのくらいつかえるかということは近いうちに明らかとなるが、ウラン235と充分匹敵できるといっていた。

 日本側の計算では軟水炉には使えないとなったがピットマンは軽水炉でも充分使えるといっていた。

松根参与:新聞には原子力政策の変更と出ていたがこの点についてはどうか。

杠局長:濃縮ウランの民有とプルトニウムの買上げを保証しないということは大きな問題であるので、三木長官が新聞記者の質問に答えて、この点については検討する。といったことが新聞に原子力政策の変更と出たのである。

村田調査課長:長官は同時に次のことを強調した。
 (1)軍事利用はしない。
 (2)平和利用を動かすことなく進める。

松根参与:
 (1)プルトニウムの研究方法の再検討をするか。
 (2)アメリカでは材料試験炉の利用率は悪いというが日本ではどう考えているか。

石川委員:
 (1)プルトニウムの値はわかっていない。今はプルトニウムそのものについて勉強する段階である。
 (2)材料試験炉については今までアメリカの材料試験炉の利用率はよいと考えていた。日本では5〜6年先のことになる。

松根参与:
 (1)長期計画を実行する上に日本の研究所が研究の計画性を持たなければならないといえる。
 (2)日本の研究所とアメリカの研究所の共同研究の点はどうか。

石川委員:バンデルワイデン氏は共同研究をできる人を希望していた。

 外務省を通じやることになった。

岡野参与:米英は軍事利用があるが、日本は平和利用だけであるので、この立場のちがいを考えておかなければならない。

大屋参与:38年度はプルトニウムの研究に予算を大いに出してほしい。

石川委員:原子炉1基ぐらいではプルトニウムはいくらもできない。たまるまでどうするかが問題である。ただアメリカ側は買わないというのではなく買うという保証はしないということである。

岡野参与:二号炉の問題は急ぐ必要はない。

石川委員:来年の秋ごろに向う側が動きだすだろう。

瀬藤参与:二号炉はやはり金の問題である。

大屋参与:イギリスの方法は2年据置き、5年年賦である。

稲生参与:原子炉の出力ほとんどん大きくなるので、発電系統等の容量を大きくとっておいた方がよい。

西村委員:ウイルソン氏は再処理を大いにやってほしいと希望していた。

大山参与:プルトニウムを扱うについては当然再処理が問題になる。

次回は1月18日とする。