参  与  会

第4回

〔日時〕昭和36年4月13日(木)14.00〜16.30

〔場所〕総理大臣官邸

〔配布資料〕
(1)昭和36年度原子力開発基本計画
(2)昭和36年度日本原子力研究所事業計画
(3)昭和36年度原子燃料公社事業計画
(4)昭和36年度核原料物質採鉱計画
(5)科学技術庁組織令の一部を改正する政令
(6)原子炉立地基準
(7)原子力船専門部会設置について
(8)35年度予算による原子力映画の完成について
(9)JRR-2出力上昇試験について
(10)放射線検査車について
(11)原子力委員会各専門部会の審議状況
(12)科学技術週間
   原子力デー行事計画について

〔出席者〕石川、有沢、西村、駒形各委員

稲生、大屋、岡野、菊池、倉田(代)、久留島、嵯峨根、瀬藤(代)、高橋、成富、藤岡、伏見、松根、三島、三宅、安川、山県各参与

原研、公社、原電、通産省、大蔵省、運輸省

杠局長、井上、村田、田中、亘理、佐藤各課長、その他担当官

〔議事概要〕
(1)議事に入る前に西村、駒形両委員の挨拶

(2)原子力船専門部会設置について
井上課長:原子力委員会が策定した長期計画に基づき8ないし10年後に原子力第一船を完成する目標で、今からその方針を具体的に決めるため、たとえば建造主体をどうするかという問題については(1)すべて民間資金で造るか(2)国と民間あいまって建造保有するか(3)全額国の資金で行なうか等第一船建造計画の具体化についての基本方針を決めるためである。

 委員の候補者には、造船関係、海運関係、原子力関係から各4名程度、その他、金融界、産業界、原船協、運輸省、学界からなり、合計20名程度である。

岡野参与:8ないし10年というのは努力目標か、それともできるだろうというのか。せめて努力目標にしてもらいたい。

石川委員:いろいろ問題があるが、それらは専門部会の検討をまちたい。

(3)JRR-2出力上昇試験について
菊池参与:JRR-2はAMFの燃料を含んでいる炉であるが資料9のように、その出力が千kWに達した。その後炉を一たん止めオーバーホールし、いろいろ調べてみた。今の燃料でも1万kWに上げられると思うが無理には上げない。しかし2〜3千kWまでは問題ないと思うので遠くないうちに上げたい。

 外部からの照射依頼は9月からうける予定である。

石川委員:炉は万事差支えないか。

菊池参与:ない。

大屋参与:組合の反対はないか。

菊池参与:ない。所員全体へのPRが少なかったことと、防護隊を作ったりしたことなどのため、やりとりがあったが反対はない。

(4)科学技術庁組織令の一部を改正する政令について
井上課長:原子力局には従来調査課と科学調査官があり、大臣訓令で事務分掌を区分してきたが、予算が通ったので、従来の調査課長が国際協力課長に、科学調査官が調査課長になった。

石川委員:ベルギーの下田大使から、日本からもユーラトムに代表を送ることが認められた旨通知があった。

大屋参与:参加国でなくても代表が送れるのか。

有沢委員:オブザーバーである。

(5)昭和36年度原子力開発利用基本計画について
事務局:大要を説明

大屋参与:大学の問題かも知れないが、日本にも大加速機を置いたらという動きがあるが、原研もようやく軌道に乗って来たことであり、基礎研究にもこういうものを置いて日本も何か打ち出したらよいと思うが、伏見さん、いかがですか。

伏見参与:たいへん結構です。大体300億円位かかるものと思われる。

藤岡参与:学術会議で検討を行なっているが、まずこういうものを作ることが妥当かどうか、研究費は国民所得の2%位が望ましいが、5ヵ年計画で300億円位は出せるだろうか等慎重に検討したが、近く総会があるので、決めて声明の形で発表する予定である。

大屋参与:委員会でも考える値打ちのあるものと思う。

菊池参与:最近やっと方針がまとまって、動き出したが是非やってもらいたい。

石川委員:ああいうものを一つ位もつのも良いと思う。皆でバック・アップしたい。

藤岡参与:資料などもあるので届ける。

(6)昭和36年度日本原子力研究所事業計画について
菊池参与:資料2により概要を説明した。

石川委員:放射線中央研究機構準備室長には民間から出してもらいたいとの意向があり、東洋レーヨンの向山氏が予定されていると聞いている。

 また放射線化学専門部会は改組する。

伏見参与:スイミングプール型炉、放射線中央研究機構はイニシアチブが外部から与えられ、所員のサポートが得られないというようなことがないか。

菊池参与:本質的には心配されるようなことはない。

嵯峨根参与:大学とは違うんだということは次第にわかってもらえると思う。

(7)昭和36年度原子燃料公社事業計画について
高橋参与:資料3を説明。

藤岡参与:日本の採鉱可能量はわかるか。

高橋参与:把握できていない。

藤岡参与:新しい方法が発明されて堆積形鉱床が見つかるようになったのか。

高橋参与:古い地層にしか堆積層がないと思っていたが、掘っている間に次第に良いものが見つかってきた。

(8)原子炉立地基準について
佐藤課長:資料6の概要を説明。

岡野参与:関西炉など取扱いを非常に慎重にしないと大変なことになる。

嵯峨根参与:それらの基準は炉の種類により違うが、そういう点が抜けている。

松根参与:日本にアプライした場合はむずかしいか。

佐藤課長:ユニットを、どの程度に考えるかによる。

稲生参与:ダブル・コンティナ一にすると安全拒離は短かくなる。

(9)35年度予算による原子力映画の完成について
 科学技術週間
 原子力デーの行事計画について
 原子力委員会各専門部会の審議状況

村田課長:上記4件につき説明。

(10)放射線検査車について
亘理課長:資料10によりその大要を説明。

石川委員:放医研の事業計画は本日報告できなかったが、次回位に報告するつもりだ。

放医研の付属病院が近く開設されるので、追って日時はお知らせするが、開院式には是非出席願いたい。

伏見参与:広島大学に放射線研究病院が出来るそうだが、横の連絡を密にしてもらいたい。

(11)その他
局長:国会に提出されている法律案の審議状況を説明。