JRR-2の臨界到達 1.原子炉の建設 原研においては、31年夏、同炉の建設請負に関し、ACF、AMF、GEおよびNAAの4社について見積り合せを行なったところ、AMF社の条件が最も良かったので、31年10月、AMF社と原子炉建設契約を締結した。 JRR-2の建設工事はその途次において耐震の面から非常用冷却系統等に関し設計の変更があり、さらに熱交換器、重水ポンプ等の修理を行なわなければならなかった等の理由により、33年4月据付完了という当初の完成予定より1年半以上遅延することとなった。 2.初期装荷燃料の加工 その後AMF社が提示した燃料仕様書に対するM&C社との意見の調整および加工契約案中に規定された免責条項についての特別立法のため若干の時日を要したが、当庁とM&C社との加工契約は、34年10月16日に正式に締結された。 検査に関しては、34年11月、当庁は原研にこれを委託し、原研はAMF社と検査契約を結び原研とAMF社と共同で現地検査を行なった。その検査の状況は次のとおりである。 本年2月末、燃料22本の加工が終り、3月末AMF社の最終検査を経て、出荷手続を完了した。出荷直前、AMF社の要求により、流水試験を実施したが、その結果、燃料要素の強度および燃料板のウランアルミ合金中に密度の大きい介在物が存在するらしいことの二つの問題が生じたので、解決のため原研研究炉管理部長神原氏が渡米した。 神原氏、AMF社およびM&C社の間の協議の結果、さらにM&C社でboiling water testを実施し、結局第1次装荷分として加工した22本のうち3本は再加工することにした。残り19本の燃料要素については、AMF社から介在物の大きさを推定した熱計算の結果から低出力運転が勧告された。 原研は諸種資料を検討した結果、本年7月当庁にあて、燃料要素19本は、検査に合格したものと認められるとともに、初期の運転計画に支障を及ぼさないと報告してきたので、当庁としては、本年8月12日、サンフラソシスコで燃料要素19本(235Uの量として3,404.80グラム)を受け取り、15日に原研東海研究所に搬入を終えた。 3.臨 界 試 験 当初の臨界予想量8本との違いについては、原子炉の設計計算を現在原研で検討中である。 4.今後の運転計画 第2回以降の燃料要素の仕様書については、原研の責任において作成するものであり、現在慎重に検討中である。 |