原子力委員会日誌

第38回(9.7)〜第40回(9.21)

第 38 回

〔日時〕昭和35年9月7日(水)14.00〜17.00

〔配布資料〕
(1)原子力開発利用新長期計画作業のすすめ方について(案)
(2)研究用特殊核物質に関する細目協定について
(3)IAEAにおいて主張すべき項目について
(4)第4回IAEA総会
(5)IAEA事務局部長候補推薦方に関する件

〔審議決定および報告事項〕
(1)第4回IAEA総会に関する件
 資料3によりIAEA において主張すべき項目について事務局から説明があり、この主旨により日本提案を行なうことを決定した。

(2)IAEA事務局部長候補者推薦方に関する件
 資料5により事務局から報告があった。

(3)長期計画に関する件
 資料1により事務局から説明があり、専門部会の性格について質疑があり、参与会の拡大したものという解釈をとること、専門部会構成メンパーについては、産業界、学界等の分野の構成比率程度を決めるに止め、資格としての肩書きを表に出さないことを決め、翌日の参与会に提出することを了承した。

(4)研究用特殊核物質に関する細目協定に関する件
 資料2により事務局から問題点について説明があった。

(5)日加協定による保障措置への移管に関する件
 外務省から標記について、加政府との共同声明を行ないたい旨了解を求めてきたので、審議の結果日英間の関係を考慮した上で、加および米政府と共同声明のための交渉を開始することを了承した。

第 39 回

〔日時〕昭和35年9月14日(水)14.20〜16.30

〔配布資料〕
(1)長期計画専門部会委員名簿(案)
(2)原子力船開発合同会議の設置について
(3)濃縮ウランの入手に関する国内手続について

〔審議決定および報告事項〕
(1)濃縮ウランの入手に関する国内手続について
 資料を朗読の後、井上核燃料課長から主旨説明があり、添付書類の5、濃縮ウランの受入れについて別紙3を訂正し、局長あての念書とすること、賃貸借契約の第22条(疑義の決定)を一部修正し、甲乙協議が整わないときは甲が決定することとして了承された。

(2)長期計画専門部会について
 資料1により局長から説明があり学界関係の新規委員を4ないし5名以内(新規専門委員の余裕は4名)で茅誠司、三井進午両氏をふくめて人選折衡を兼重委員に委嘱することで了承された。

(3)原子力船開発合同会議について
 資料2により局長から説明報告された。

第 40 回

〔日時〕昭和35年9月21日(水)14.00〜17.30

〔配布資料〕
(1)長期計画作業(第1段階)プログラム
(2)長期計画専門部会委員名簿(案)
(3)原子力開発利用長期基本計画の改訂に関する関係各省の意見
(4)当面の懸案事項について
(5)通常国会提出予定法案策定日程(案)
(6)災害補償専門部会名簿(案)
(7)JRR-2の性能検査について

〔審議決定および報告事項〕
(1)長期計画作業プログラムに関する件
 資料1、2および3により、長期計画作業プログラム、長期計画専門部会委員名簿(案)等について事務局から説明があり、長期計画作業プログラムについては了承され、長期計画専門部会委員の学界関係委員の人選折衝については兼重委員から中間報告があった。なお有沢委員から人文科学関係の委員を1名学術会議から選出するようにとの意見が述べられ事務局において検討することになった。

(2)当面の懸案事項について
 資料4および5により、当面の懸案事項について事務局から説明があった。

(3)災害補償専門部会名簿(案)について
 近く設置される予定の災害補償専門部会の名簿(案)について、資料6により事務局から説明があった。

(4)JRR-2の性能検査について
 資料7によりJRR-2の性能検査予定について事務局から説明があった。

(5)IAEAへの訓令の一部変更について
 事務局から訓令の一部変更に関係ある問題点について説明があり、審議の結果、「新しく設けようとしている国際原子力機関のAdvisory Committeeの性格にもよるが、業務分担を調整するためのものであれば賛成してよい。ただし業務分担については、かねての訓令どおり第1次標準をIBWMが担当するのが妥当と考える。しかし総会における訓令案の発言は中止してもさしつかえない」旨、回答することとなった。

(6)保障措置の移管に関する件
 日本、米国およびカナダ政府で交渉の結果、保障措置の国際原子力機関への移管については、国際原子力機関総会において「日本、米国およびカナダ政府は保障措置の国際原子力機関への移管について相談を開始することに意見が一致した」という声明をすることになった旨、事務局から報告があった。