原子力委員会日誌

第32回(6.29)〜第34回(8.3)

第32回

〔日 時〕 昭和35年6月29日(水)14.15〜16.00

〔配布資料〕
1.昭和35年度原子力平和利用研究委託費交付(案)
2.昭和35年度原子力平和利用研究費補助金交付(案)
3.外人招へい予定者
4.核燃料専門委員の増員について
5.JRR-2の検査について
6.動力試験炉に関する契約

〔審議決定および報告事項〕
1.議事録の確認
 事務局から前回議事録の朗読が行なわれ、審議決定および報告事項第6項の“説明が行なわれうんぬん”とあるのを“説明が行なわれた”とし以下削除して了承された。

2.原研の理事および監事の任免に関する内閣総理大臣への意見について
 原研の木村理事および柳下監事の任期が満了するので、おのおの再任させることにつき内閣総理大臣から意見を求めてきているが、委員会としてはさしつかえない旨回答することに決定した。

3.昭和35年度研究委託費および研究費補助金について
 事務局から資料1、2により説明が行なわれ原案が了承された。

4.外人招へいについて
 事務局から資料3により説明が行なわれ、原案どおり3人の招へいに関し、在米大使館を通じ打診することが了承された。

5.核燃料専門委員の追加について
 事務局から資料4により説明が行なわれ、原案どおり3名(内1名新任、2名兼任)の増員が了承された。

6.動力試験炉に関する契約について
 事務局から資料6により説明が行なわれ、GEの契約(案)の内の免責条項がわが国の賠償法の内容と矛盾しないか先方に再確認することになった。

7.JRR-2の換査について
 事務局から資料5により説明が行なわれ、検査を厳重に行なうように各委員から要望があった。

第33回

〔日 時〕 昭和35年7月27日(水)14.00〜

〔配布資料〕
1.原子力開発利用長期基本計画、基礎となる考え方
2.昭和35年度原子力平和利用研究委託費および補助金課題別交付一覧
3.学校法人近畿大学原子炉の安全性について

〔審議決定および報告事項〕
(1)原子力開発利用長期基本計画について
 かねてから審議中の原子力開発利用長期基本計画について改訂案ならびに決定に際しての原子力委員会声明の原案が事務局から提出され、一部字句修正の上決定された。

(2)昭和35年度委託費、補助金の交付について
 標記につき7月25日科学技術庁庁議において交付先ならびに交付金額等の決定が行なわれた旨報告があった。

(3)近畿大学原子炉の安全性について
 近畿大学から提出された原子炉設置許可申請について原子炉安全審査専門部会から答申があった旨報告され、内容の検討ならびに委員会から内閣総理大臣への答申作成については来週行なわれることとなった。

(4)JPDRの契約について
 JPDRの契約のうち懸案となっていた原子力災害補償についての交渉経過の説明があり、原子力災害の内容についてはGE側に確認を求めることとなった。

第34回

〔日 時〕 昭和35年8月3日(水)14.00〜16.40

〔配布資料〕
1.学校法人近畿大学の原子炉の設置について
2.原子力委員会参与の任命について
3.JRR-2の原子炉建設と初期装荷燃料要素について
4.34年年下半期核燃料物質使用状況
5.34年年下半期核燃料物質生産状況
6.IAEAの放射性物質安全輸送規則に関する意見

〔審議決定および報告事項〕
(1)学校法人近畿大学の原子炉の設置について
 先に原子炉安全審査専門部会から答申があった近畿大学の原子炉設置に係る許可申請についての委員会答申案につき説明が行なわれ、原案どおり決定された。

(2)参与の任命について
 昭和35年7月28日付で任期満了になる東大教授脇村義太郎氏の再任につき了承された。

(3)JRR-2の原子炉建設と初期装荷燃料要素について
 JRR-2の初期装荷燃料要素の加工、入手状況について報告があった。

(4)保障措置に関する米国国務長官から在米本邦臨時代理大使あて口上書について
 口上書について報告があり、その返答については次回の定例原子力委員会で検討することになった。

(5)IAEAの放射性物質安全輸送規則について
 IAEAの放射性物質安全輸送規則に関する意見について報告があった。