原子力委員会日誌

第28回(6.1)〜第31回(6.22)

第 28 回

〔日時〕昭和35年6月1日(水)14.15〜16.00

〔配布資料〕
1.原子炉製作等に関する甲種技術援助契約について
2.原子力委員会放射能調査専門部会委員の交代について
3.特殊核物質の賃貸借に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府を代表して行動する合衆国原子力委員会との間の第3次〜第5次協定
4.再処理専門部会中間報告書
5.Leon Steinig氏の来日について
6.Basic Standard Agreement on Technical Assistanceについて

〔審議決定および報告事項〕
1.議事録の確認
 事務局から前回議事録の朗読が行なわれ、審議決定および報告事項中の運輸省官房長を運輸省幹部と訂正し、了承された。

 なお、中泉氏の専門委員辞退の申入れも認めた。

2.原子炉製作等に関する甲種技術援助契約について
 事務局から前委員会で審議し、その後決裁の形で承認を得た方針について説明があり、本日決定された。

3.専門委員の任免について
 辞任の願のあった気象庁長官和達氏の解任を認めその代りに気象庁の川畑氏を任命することに決定した。

4.第3次〜第5次細目協定について
 原研における三つの臨界実験装置に使用する燃料に係る細目協定について事務局から報告があった。

5.Leon Steinig氏の来日について
 Leon Steinig氏の来日とその目的について事務局から説明があった。なお、氏の都合を聞き局長が招待することになった。

6.再処理専門部会中間報告書
 専門部会でまとめた中間報告書の内容につき事務局から説明があった。なお、この種の問題は他の分野と関係が深い上長期計画との関連もあるので関係部会長会議を開くことになり、その案を事務局で作成することになった。

7.原子力産業会議のIAEAの準会員決定について
 標記の件について事務局から報告が行なわれた。

8.参与会について
 2日に開催される参与会の議題について説明が行なわれ了承された。

第 29 回

〔日時〕昭和35年6月8日(水)14.00〜16.00

〔配布資料〕
1.昭和36年度原子力予算について
2.昭和36年度原子力関係予算編成日程
3.JRR-1の核燃料物質の取扱施設の変更について
4.海上人命安全条約会議の中間報告(原子力船関係)

〔審議決定および報告事項〕
1.議事録の確認
 事務局から前回議事録の朗読が行なわれ、審議決定および報告事項中再処理専門部会中間報告書の関係部会長会議を関係部会長ならびに関係者会談を訂正し了承された。

2.36年度原子力予算について
 事務局から昭和36年原子力利用関係予算の処理および編成日程について説明があり、概算要求原案提出日をできうれば繰り上げ、説明聴取のための日数を多くすることになった。

3.JRR-1の核燃料物質の取扱施設の変更について
 内閣総理大臣から原子力委員会に諮問のあった「JRR-1の核燃料物質の取扱施設の変更の安全性について」に関し事務局から答申案の説明があり、若干の訂正を行ない決定した。

4.海上人命安全条約会議の中間報告について
 標記の事項について事務局から報告があり、「原子力船の入港に際して受入国は、当該原子力船の安全審査の結果、入港を拒否できることができるようにすること。」、「受入国は、第3者補償に関する措置いかんによっては原子力船の入港拒否が可能であるような措置方針を明確にすること。」の2点につき代表者に訓令を出すことになった。

第 30 回

〔日時〕昭和35年6月15日(水)14.30〜16.20

〔配布資料〕
1.原子力メモ53、54号
2.海上人命安全条約会議の経緯について
3.International Conference on safety of Life at Sea,1960
4.長期計画作成上の問題点

〔審議決定および報告事項〕
1.海上人命安全条約会議の経緯について
 標記の事項について事務局から資料2について説明があり、入港拒否についてのIMCOにおける議長発言と日本政府の解釈について再調査することになった。

2.長期計画作成上の問題点
 事務局から資料4の説明が行なわれ、その問題点につき検討が行なわれた。

第 31 回

〔日時〕昭和35年6月22日(水)14.10〜16.00

〔配布資料〕
1.核燃料経済専門部会専門委員の追加について
2.核燃料経済専門部会に小委員会を設ける方針について
3.既存長期計画等に対する各機関の意見
4.JPDRの契約交渉について
5.JPDRの契約交渉案(免責条項)
6.JPDR用燃料の加工契約について

〔審議決定および報告事項〕
1.議事録の確認
 事務局から前回議事録の朗読が行なわれ、審議決定および報告事項第2項「再調査することになった」を「再調査の上委員長の了解を得て処置することとする」に訂正し了承された。

2.原研副理事長および理事の任免に関する内閣総理大臣への意見について
 原研の森田副理事長、久布白、杉本、西堀、前田の各理事の任期が6月25日で満了するので、おのおの再任させることにつき内閣総理大臣から意見を求めてきているが、委員会としてはさしつかえない旨回答することを決定した。

3.核燃料経済専門部会専門委員の追加について
 事務局から資料1により説明が行なわれ、原子燃料公社理事今井美材氏を専門委員に追加することを決定した。

4.核燃料経済専門部会に小委員会を設ける方針について
 事務局から資料により説明が行なわれ、再処理経済検討小委員会を設置することが了承された。

5.IMCOの海上人命安全条約会議について
 事務局から6月12日に署名したことおよび署名に至る経緯の報告があった。

6.JPDRの契約交渉について
 日本原子力研究所がGE社から購入するJPDRの購入契約の交渉経緯について説明が行なわれ、今後の停止条件を含む契約内容で原研が先方と交渉することが了承された。

 なお、これに付帯して事務局から米国加工業者に燃料要素の加工を委託する場合における免責等の態様について説明があった。

7.原研職員の酸化トリウムの運搬の法律違反事件について
 事務局から原研職員が酸化トリウムの運搬に際して、「車両運搬規則」等に違反したため書類送検された事件について説明が行なわれた。

8.既存長期計画等に対する各機関の意見について
 資料3により事務局から説明が行なわれた。