委員会日誌

第 43 回

〔日時〕昭和34年11月4日(水) 14.15〜16.20

〔配付資料〕
(1)通常国会提出予定法案
(2)原子力委員会専門委長の異動について
(3)教育訓練用小型原子炉の設置許可申請書
(4)原子力関係科学者技術者養成訓練専門部会議事録
(5) IAEAに対する技術援助要請の件
(6) Draft Agreement (IAEA Gov/286)
(7)原子炉設置許可申請書および同添付書類の一般公開について

〔議事決定および報告事項〕
(1)専門委員の異動について
 通産省公益事業局技術長の人事異動に伴い、資料2のとおり各部会の専門委員の任命換へをすることになった。

 また核融合専門部会の嵯峨根委員の辞任に伴い同部会に杉本朝雄民を追加することになった。

(2)通常国会提出法案について
 局長および島村次長から資料1につき説明があった。原研法の一部改正については次回の原研との打合せの際討議することになった。

(3)教育訓練用小型原子炉の安全審査について
 原子炉規制課長から資料3につき説明があった審議の結果、研究費補助金は原子力局で炉の安全性を検討し、一方安全審査部会の意見を聞いた上交付することとし、審査部会による安全性の確認を交付の条件としないことになった。

(4)コールダーホール改良型炉の設置申請書類の公開について
 原子炉規制課長から資料7につき説明があり、審議の結果、既定の方針によって申請書類(写)のうち商業秘密を除いたものを公開することとした。公開の主体は科学技術庁長官または総理大臣が行なうことになった。

(5)日米濃縮ウラン貸借細目協定について
 調査課長から協定締結上の問題点について報告があった。

(6) IAEAからの技術者招聘について
 原研がIAEAを通じて招聘を予定しているマグナッソソ氏を受け入れる場合の問題点につき調査課長から報告があった。

第 44 回

〔日時〕昭和34年11月11日(水) 14.20〜16.10

〔配付資料〕
(1)日本原子力発電株式会社の原子炉の設置の安全性について
(2)報告書の提出に際して
(3)原子炉設置許可申請書および同添付書類の一般公開について
(4)専門委員の異動について
(5)技術輸入申請について
(6)第13回核燃料経済専門部会議事録
(7)スターリング・コール氏一行日程(案)

〔審議決定および報告事項〕
(1)コールダーホール改良型炉の設置について
 さる9日答申されたコールダーホール改良型炉の原子炉安全審査専門部会の審議ならびに答申書について矢木部会長から報告があり、質疑が行なわれた。

(2)日本原子力研究所の人事について
 日本原子力研究所監事に菅田清治郎氏を、同理事に前田克己氏を任命する件につき了承された。

(3)専門委員の異動について
 運輸省船舶局長の更迭に伴う専門委員の異動について了承された。

(4)技術輸入の申請について
 フランス中央国立科学研究所から昭和電工が輸入するグラフト重合の申請について申請どおり承認することが了承された。

(5)IAEAコール事務局長の来日日程について
 資料の提出があり、まだ最終的でない旨説明があった。

第 45 回 (臨)

〔日時〕昭和34年11月12日(木) 17.35〜19.15

〔配布資料〕
(1)コールダーホール)改良型原子炉の設置許可までのTime-Schedule
(2)爆撃演習場に関する小委員会(合同審査会)の審査結果
(3)東海村周辺の制限空域について
(4)模擬爆弾誤投下の影響

〔審議決定および報告事項〕
原子力委員会の審議日程として、13日、16日、18日、20日、21日、22日および27日を予定することとし、審査検討のスケジュールを至急作成することとなった。近く矢木安全審査部会長、福田第7小委員長を招き,蕃査の内容を確認し、一方予定地隣接爆撃演習地における演習内容を事務局で調査し,米軍その他に申し入れるべき事項をまずきめ、並行して災害補償、経済性の検討を行ない、 11月30日を目標に委員会としての答申を固めることになった。

第 46 回(臨)

〔日時〕昭和34年11月18日(水) 10.15〜12.20

〔配付資料〕
(1)内閣総理大臣への意見具申(案)
(2)東海村原子力施設の安全確保のための水戸射爆撃演習に対する所要措置

〔審議決定および報告事項〕
(1)日本原子力発電(株)の原子炉の設置の安全性について(部会報告書)の査読
 報告書の8 ,放射線障害対策の査読を行なった。

(2)水戸射爆撃演習場に対する措置について
 資料1、 2につき審議が行なわれた結果、この問題に対する基本的方針として、演習の内容を現状以上に悪化させないことを書面で確認した上で内閣総理大臣に答申することが決定された。

 また原子力施設の安全のために、確保すべき事項、その内容を早急に決定した上で防衛庁、外務省等関係省庁と交渉することになった。

第 47 回

〔日時〕昭和34年11月18日(水) 13.45〜15.05

〔配布資料〕
(1)核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)
(2)特殊核物質配分要領
(3)原研給与と公務員給与の比較
(4) IAEAコース研修生
(5) IAEAから購入予定の天然ウランの現物実地点検に関する件
(6)原子力平和利用に関する事務総長の中間報告に関する件
(7)原子炉施設地域の安全確保のための水戸射爆撃演習場に対する所要措置

〔審議決定および報告事項〕
(1)IAEA研修生受け入れについて
 IAEAから受け入れる研修生の選考結果および研修の実施について報告され、開講式には石川委員が出席することとなった。

(2) IAEAから講入予定の天然ウラン点検についてIAEAから講入予定の天然ウラン点検について、資料の提出があり、天然ウランについては16日Nominalな引取り、 20日に現物引取りが行なわれる旨報告があった。

(3)原子炉等規制法施行令の一部改正について
 原子炉等規制法一部改正に伴う施行令改正について案が提出され、審議の結果損害賠償保障措置の金額について、 3段階に分けることは了承されたが、最高限については保険業界の引受能力、出力の小さなものについては保険料率等を調査し、検討を続けることとなった。

(4)特殊核物質の配分要領について
 特殊核物質の配分要領について案が提出されたが、なお検討の上決定することとなったこ、

(5)水戸射爆撃演習場に対する措置について
 原子力施設の安全確保上必要な措置として、資料7が確認された。

第 48 回(臨)

〔日時〕昭和34年11月23日(月) 12.30〜17.40

〔配付資料〕
(1)Nv.F.R. Farmerとの懇談会議事録
(2)ファーマー論文との関係
(3)原子炉等非常事故時における一般公衆に対する退避等の措置に関する安全基準線量について

〔審議決定および報告事項〕
(1)立地条件
 立地条件についての部会の結論だけで予定地が適当だとの態度はとらず、周辺地域の整備について今後さらに検討することとなった

(2)放出キュリー (ファーマー論文との関係)
 部会の報告書の内容、ファーマ-論文との関係につき説明があり、了承された。

(3)緊急時退避基準線量
 審査部会の基準、安全基準部会審議の状況等につき報告、説明があり、了承された。

(4)コンテーナ一
 部会における審査の結果等について説明があったが、今後さらにコンテーナーを設けた場合の安全上の得失を検討することになった。

(5)学術会議に意見を求める件
 現段階においては、学術会議に意見を求めることは適当でないので、これは行なわないことになった。

(6)経済性について
 申請時以後の建設費の変動等につき説明があった。 11月25日3時30分から通産省から経済性についての見解を聴取することになった。一方委員会としては、建設費の内容等が固まった後に審議することとし、燃料が中空の場合と中実の場合ならびに一般的にコールダーホール改良型原子炉の経済性を合わせて検討することになった。

第 49 回

〔日時〕昭和34年11月25日(水)15.50〜17. 00

〔配布資料〕
(1)コールダーホール改良型原子力発電所の経済性について
(2)原子力委員会専門委員の追加について

〔審議決定および報告事項〕
(1)コールダーホール改良型原子力発電所の経済性について
 小室通産省公益事業局長等から説明があり、質疑応答があった。

 通産省の意見としては新鋭火力と比較した場合ほとんど同等で「経済性を有する」とのことであった。

(2)コールダーホール改良型原子炉設置問題について報告
 藤波課長から予定地隣接の演習地のヘリコプターによる視察の予定。茨城県知事からの周辺地帯整備立法の推進請願、福田専門委員の東海村原発予定敷地訪問の結果について報告があった。

(3)原子力委員会専門委員の追加について
 原案どおり東大教授渡辺茂、同向坊隆の両氏を原子力関係科学者技術者養成訓練専門部会の委員とすることが了承された。