原子力委員会専門部会の審議状況

放射能調査専門部会

 第12回(3月11日(水)14.00から)

1.国連科学委員会について

 ニューヨークで3月23日から開催される第6回国際連合放射能調査科学委員会への代表出発にあたって同委員会に対する日本側意見の調整を行った。

  なお同会議へ出席する日本代表としては都築正男(日赤中央病院長)、田島英三(立教大学教授)の両氏が決定し、また同委員会の事務局職員として三浦義彰(東大医助教授)、木村資生(遺伝研第2研究室長)の両氏が推薦され、目下交渉が行われている。

2.放射能白書について

 専門部会でとりまとめた放射能白書については目下原子力委員会において検討中であるが、とりあえず出版の手続をすすめることとされた旨報告があった。

3.成果発表会について

 大学関係の分については日本学術会議(放射線影響調査特別委員会)において発表会等が開催されているが、科学技術庁関係の分についても今秋発表会を行うよう計画をたてることとなった。

原子炉安全審査専門部会

 第9回(2月17日(火)13.30〜17.00)

配布資料

1.第8回議事録
2.立教大学原子炉設置資料
3.国際見本市展示炉資料
4.人口密集地における小型原子炉設置の最低必要条件について(案)
5.コールダーホール改良型原子炉審査小委員会(第7小委員会)要員名簿

1.立地条件について

 配布資料「人口密集地における小型原子炉の設置の最低必要条件について(案)」にもとづいて事務局から説明が行われた。続いて兼重原子力委員から「この件については第8回議事録には審査部会の内規とすると書いてあるがその内容からして原子力委員会の内規として取り扱う方が適当であると考えている」旨の説明があって後検討に移った。そのおもなものは次のとおりである。

(イ)上記資料における特に退避が困難なものとは、小学校、幼椎園、病院等と考えている。
(ロ)住宅との距離は許可申請時のときのものであって、設置後この距離内に住宅を建ててはならないとまでは考えていない。その場合はcase by caseで処理する。
(ハ)小型炉とは出力10kW以下の炉を考えている。
(ニ)最短距離とは地図上の距離(水平距離)であってコンテナーなどの有無を考慮していない。
(ホ)記の2は当直者、守衛等controlの容易な者を対象にしている。夜間作業を行うものもこれに含まれる。

 以上のような検討の結果、主旨は了承された。

3.立教大学設置原子炉について

 事務局から立教大学設置原子炉について経緯の説明が行われた。ついでこれの審査にあたり小委員会(第6小委員会)を設けることになり、小委員として次の各専門委員が部会長から指命された。
 杉本、内田、山崎、各専門委員
 なお、この際矢木部会長から原子力委員に対して専門委員の追加を考慮してほしい旨の申入れがあり、原子力委員から善処するとの答弁があった。

4.国際見本市展示炉について

 小委員の武田専門委員から要旨次の報告があったo「小委員会は2月17日に開催したが、まだ詳細に検討していない。今後の検討においては次の点を確認して行いたいと思っている。

(1)設置場所の適否特に地盤の良否
(2)炉の安全性
(3)運転管理にあたる人の技術的能力
(4)観衆に対する安全確保

 なお、この炉は展示用であって見本市開催までの期間も短く、早急に審査を行わなければならないと思われる。」

 次いで討論に移り、次のような意見があった。

(1)小委員会および部会での審査は科学的な検討に限り、政策的配慮は原子力委員会で行うこととしたい。
(2)運転計画、観衆の整理方法を確認する必要がある。

 なお、小委員としては前の部会で武田専門委員だけが決定していたが、さらに江藤、竹山各専門委員を追加して審査を進めることとした。

5.コールダーホール改良型原子炉の審査について

 事務局から「コールダーホール改良型原子炉については資料が近々提出されるので、改めて小委員会を構成してこれに関連して現在の第2、第3小委員会は解散する」ことについて提案、了承された。また小委員会の委員としては配布資料「コールダーホール改良型原子炉審査小委員会(第7小委員会)委員名簿」のとおり了承された。

核燃料経済専門部会

 第7回(3月2日(月)13.30〜17.00)

1.中間報告のとりまとめについて

 各専門委員からそれぞれ「中間報告」作成の素材としての案が提出され、それらの内容に関して審議を行った。その結果、内容を手直ししたうえでさらに次回に案を各専門委員が再提出することとした。

2.核燃料サイクルの試算の結果について

 山田専門委員から核燃料サイクルの試算結果が提出された。

3.専門委員の追加について

 新たに千谷利三、高橋実、佐々木重雄の三氏を専門委員として本部会に加えるという事務局の意見が示され、各専門委員の了承を得た。