放射線審議会の答申

 さる1月23日開催された第3回放射線審議会において、次にかかげるような厚生大臣および労働大臣に対する答申がなされた。

昭和34年1月23日

 総理府放射線審議会長   
 都 築 正 男

 厚生大臣 坂 田 道 太 殿

「診療用放射線の防護に関する技術的基準」及び「放射性医薬品製造規則案に規定する許容度」に対する答申

 昭和33年11月19日厚生省発医第155号をもって諮問のあった「診療用放射線の防護に関する技術的基準」及び昭和33年11月20日厚生省発薬第194号をもって諮問のあった「放射性医薬品製造規則案に規定する許容度」については、昭和33年11月21日の第2回放射線審議会総会において放射線影響部会にこれらの審議を附託したが、同部会は、同年12月12日及び19日に会合し、審議したところ、最大許容表面濃度については昭和34年1月23日労働大臣あてに当審議会が答申したところによらなければならないことのほかは、貴案のとおりで適当であるとの結論を得たので、当審議会は、ここにこの旨答申する。

 なお、この答申は、現に当審議会の特別部会において審議中の国際放射線防護委員会の勧告とは切り離してなされるものであり、その結論の如何によってはこの答申の内容にも変更の余地があるので、この点について特に留意されたい。

厚生省発医第155号
   昭和33年11月19日

厚生大臣 橋 本 竜 伍

 放射線審議会会長殿

診療用放射線の防護に関する技術的基準に関する諮問について

 診療用放射線の防護に関し別紙要綱に定める技術的基準により医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)の一部を改正いたしたいので、放射線障害防止の技術的基準に関する法律(昭和33年法律第162号)第6条の裁定に基き諮問する。

診療用放射線防護に関する医療法施行規則改正要綱

 (エックス線装置の防護)

第1 エックス線管回路最大電圧(波高値とする。)が10キロボルト以上の診療用エックス線装置(以下「エツクス線装置」という。)は、次に掲げる障害防止の方法を講じたものでなければならないものとすること。

一 エックス線管は、利用線錐以外のエックス線が別に定める鉛当量以上の物を通過した利用線錐の強さ以下になるようにしやへいすること。

二 別に定める鉛当量以上を有する照射筒を附すること。

三 被照射体の周囲に適当な散乱線防護の設備をすること。

四 波高値をもって測定したエックス線管回路電圧60キロボルト以上で操作するときは、その利用線錐の総濾過がアルミニウム当量2ミリメートル以上になるように附加濾過板を附すること。

五 透視用エックス線装置は、次に掲げる障害防止の方法をもあわせ講じたものでなければならないものとすること。

(イ)エックス線管に10ミリアンペア以上の電流を通じたときは回路を開放位にする自動装置を設けること。
(ロ)透視台には、エックス線管焦点皮膚間距離が40センチメートル以下にならない装置を設けること。
(ハ)エックス線管焦点螢光被間距離65センチメートルにおいて利用線錐の底面積が蛍光板の有効面積をこえない構造のものとすること。
(ニ)利用線錐に対する適当な可動しぼりを附すること。
(ホ)螢光板には別に定める鉛当量以上の鉛ガラスを附すること。
(ヘ)螢光板のわくには、適当な散乱線防護の設備をすること。

六 間接撮影用エックス線装置は、次に掲げる障害防止の方法をもあわせ講じたものでなければならないものとすること。

(イ)利用線錐が角錐形となり、かつ、その底面積が螢光板の有効面積を超えない構造のものとすること。
(ロ)螢光箱の周囲は、エックス線照射方向とそれ以外の方向との区分に応じ別に定める鉛当量以上を有する構造とすること。

七 治療用エックス線装置は、次に掲げる障害防止の方法をもあわせ講じたものでなければならないとすること。

(イ)濾戸過板が引き抜かれたとき、回路を開放位にする濾過板保持装置を設けること。
(ロ)運動式のものについては、被照射体を通過した後の利用線錐に対して別に定める鉛当量以上を有する防護物を設けること。

 (診療用放射線照射装置の防護)

第2 放射線を放出する同位元素又はその化合物若しくはこれらの含有物(以下「放射性同位元素」という。)を装備している診療の用に供する照射機器でその装備する放射性同位元素の数量が100ミリキュリーをこえるもの(以下「診療用放射線照射装置」という。)は、次に掲げる障害防止の方法を講じたものでなければならないものとすること。

一 放射線源の収納容器は、別に定める鉛当量以上を有すること。

二 照射口には、適当な濾過板を設けること。

三 照射口は、室外から遠隔操作によって開閉できる構造のものとすること。

四 運動式のものにあっては、その利用線錐に対して別に定める鉛当量以上を有する防護物を設けること。

 (エックス線装置使用室)

第3 エックス線装置使用室の構造設備の基準は、次のとおりとすること。

一 床、天じよう及び周囲の面壁(以下「画壁等」という。)は、利用線錐の方向のものとそれ以外の方向のものとの区分及び治療用のエックス線装置とそれ以外のエックス線装置との区分に応じ別に定める鉛当量以上を有すること。ただし、エックス線装置使用室の外側が、人が通行し又は停在することのない場所である場合は、この規定を適用せず、エックス線管と画壁等との間に防護物を設けた場合は、利用線錐の方向の面壁等の鉛当量を軽減することができること。

二 エックス線装置を操作する場合は、エックス線装置使用室と別室とすること。ただし、エックス線診察室にあっては、一定の鉛当量以上を有する防護物を設けたときは、この限りでないこと。

 (診療用放射線照射装置使用室)

第4 診療用放射線照射装置使用室の構造設備の基準は、次のとおりとすること。

一 診療用放射線照射装置使用室の主要構造部は、不燃性の建築材料を用いた構造とすること。

二 画壁等は、利用線錐の方向のものとそれ以外の方向のものとの区分に応じ別に定める鉛当量以上を有すること。ただし、診療用放射線照射装置使用室の外側が、人が通行し又は停在することのない場所である場合は、この規定を適用せず、放射線源の収納容器と画壁等との間に防護物を設けた場合は、利用線錐の方向の画壁等の鉛当量を軽減することができること。

三 診療用放射線照射装置使用量には、標識を附し、常時出入する出入口は1箇所とすること。

 (診療用放射線照射器具使用室)

第5 放射性同位元素を装備している診療の用に供する照射機器で、その装備する放射性同位元素の数量が100ミリキュリー以下で1ミリキュリーをこえるもの(以下「診療用放射線照射器具」という。)の使用室の構造設備の基準は、次のとおりとすること。

一 画壁等は別に定める鉛当量以上を有することとすること。ただし、診療用放射線照射器具使用室の外側が、人が通行し又は停在することのない場所である場合は、この限りでないとすること。

二 診療用放射線照射器具使用室には標識を附し、常時出入する出入口は1箇所とすること。

 (診療用放射性同位元素使用室)

第6 医薬品である放射性同位元素でその数量が別に定める数量以上のもの(以下「診療用放射性同位元素」という。)の使用室の構造設備の基準は、次のとおりとすること。

一 診療用放射性同位元素使用室は、画壁をもって小分け調剤等を行う準備室(以下「準備室」という。)及びこれを用いて診療を行う室に区画すること。

二 診療用放射性同位元素使用室には、その外側において1週間の放射線量(以下「週線量」という。)が300ミリレム以下になるような面壁等を設けることとすること。ただし、診療用放射性同位元素使用室の外側が、人が通行し、又は停在することのない場所である場合は、この限りでないとすること。

三 診療用放射性同位元素使用量には標識を附し、常時出入する出入口は1箇所とすること。

四 診療用放射性同位元素使用室の内部の壁、床等及びそれらの表面は、診療用放射性同位元素による汚染の除去が容易に行われる構造及び材料とすること。

五 診療用放射性同位元素使用室には、出入口の附近等に放射線測定器、洗浄設備及び更衣設備を設けること。

六 準備室には洗浄設備及び次に定めるところにより換気設備を設けること。ただし、別に定める種類及び数量の診療用放射性同位元素を使用する場合は換気設備を設けないことができること。

(イ)排出口における排気中の放射性同位元素の濃度を許容度の10分の1以下とする能力を有するものであること。
(ロ)準備室内の人が常時立ち入る場所における空気中の放射性同位元素の濃度を許容度以下とする能力を有するものであること。
(ハ)気体のもれにくい構造とし、蝕食しにくい材料を用いること。
(ニ)故障が生じた場合において放射性同位元素によって汚染された空気のひろがりを急速に防止することができる装置を設けること。
(ホ)その旨を示す標識を附すること。

 (診療用放射性同位元素等の貯蔵施設)

第7 診療用放射性同位元素又は診療用放射線照射器具を貯蔵する施設(以下「貯蔵施設」という。)の構造設備の基準は、次のとおりとすること。

一 貯蔵室、貯蔵箱等外部と区画された構造の施設とすること。

二 貯蔵室の主要構造部及び貯蔵箱等は不燃性の材料を用いた構造とすること。

三 貯蔵施設には標識を附し、常時出入する貯蔵室の出入口は1箇所とすること。

四 貯蔵施設の外部に通ずる部分にはかぎ等を設けること。

五 貯蔵施設には別に定める鉛当量又は物質当量以上を有する診療用放射線照射器具及び診療用放射性同位元素の貯蔵容器を備えること。

六 診療用放射性同位元素の貯蔵容器は次に定める要件をもあわせ有するものとし、かつ、標識を附すること。

(イ)貯蔵容器の外における空気を汚染するおそれのある診療用放射性同位元素を入れるものは、気密な構造とすること。
(ロ)液体状の診療用放射性同位元素を入れる貯蔵容器は、こぼれにくい構造とし、浸透しにくい材料を用いること。
(ハ)液体状又は固体状の診療用放射性同位元素を入れる貯蔵容器できれつ、破損等の事故の生ずるおそれのあるものには、放射性同位元素による汚染のひろがりを防止するための施設又は器具を設けること。

 (運搬容器)

第8 診療用放射線照射器具又は診療用放射性同位元素を運搬する容器はそれぞれ前項第五号及び第六号に定める診療用放射線照射器具又は診療用放射性同位元素の貯蔵容器に準じた構造のものとすること。ただし、運搬容器の鉛当量又は物質当量は、別に定めるところにより貯蔵容器のそれよりも軽減されたものであること。

 (廃棄施設)

第9 診療用放射性同位元素又は放射性同位元素により汚染された物を廃棄する施設(以下、「廃棄施設」という。)の構造設備の基準は、次のとおりとすること。

一 液体状の診療用放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された液を流す場合には、次に定めるところにより排水設備を設けること。

(イ)排水口における排液中の放射性同位元素の濃度を許容度の10分の1以下とする能力を有するものであること。
(ロ)構造及び材料は、排液が外にもれるおそれの少いものであること。
(ハ)排水管には、その旨を示す標識を附すること。
(ニ)排液処理槽は、排液を採取することができる構造又は排液中における放射性同位元素の濃度が測定できる構造とし、かつ、排液の流出を調節する装置を設けること。
(ホ)排液処理槽の上部の開口部は、ふたのできる構造とするか、又はその周囲に、さく等の施設を設け、かつ、これらにその旨を示す標識を附すること。

二 放射性同位元素によって汚染された物を焼却する場合には、次に定めるところにより焼却炉を設けること。

(イ)気体がもれにくく、かつ、灰が飛散しにくい構造とすること。
(ロ)さく等の施設を設け、かつ、その旨を示す標識を附すること。
(ハ)排出口における排気中の放射性同位元素の濃度が許容度の10分の1をこえるおそれがあるときは、第6項第六号に規定する換気設備を設けること。ただし、排出口を準備室の換気設備に連絡したときは、この限りでないこと。

三 液体状若しくは固体状の診療用放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された物を前2号に規定する方法以外の方法で廃棄する場合には、次に定めるところにより容器を備え、かつ、この容器を保管する設備を設けること。

(イ)容器又は容器を保管する設備は、放射線を有効にしやへいすることができるものであること。
(ロ)容器は、これに入れた診療用放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された物が浸透しにくい材料を用いること。
(ハ)きれつ、破損等の事故のおそれのある容器には、放射性同位元素による汚染のひろがりを防止するための施設又は器具を設けること。
(ニ)容器には、標識を附すること。
(ホ)容器を保管する設備には、さく等の施設を設け、かつ、標識を附すること。

 (放射線による診療中の患者を収容する病室)

第10 診療用放射線照射器具又は診療用放射性同位元素により診療を受けている患者を収容する病室は、これらの患者の専用のものとし、その病室の外側における週線量が300ミリレム以下になるよう画壁等その他必要なしやへい物を設けなければならないとすること。ただし、その病室の外側が、人が通行し又は停在することのない場所である場合は、この限りでないこと。

 (使用等の場所)

第11 エックス線装置、診療用放射線照射装置、診療用放射線照射器具又は診療用放射性同位元素の使用、貯蔵又は廃棄は、次に掲げる場合を除くほか、それぞれ第3項から第7項まで及び第9項に定める施設で行わなければならないこととすること。

一 エックス線装置、又は診療用放射線照射器具を移動して使用する場合

二 物理的半減期が30日以下である固体状の診療用放射性同位元素等でアルファ線を放出しないものを土中埋没により廃棄する場合

 (土中埋没)

第12 前項第二号の場合において土中埋没により診療用放射性同位元素等を廃棄する場合は、次に定めるところによること。

一 30日間に土中埋没する診療用放射性同位元素等の数量が5ミリキュリーをこえないようにすること。

二 地くずれ及び浸水のおそれが少く、井戸、田畑等に影響を及ぼさない箇所に埋没すること。

三 埋没箇所には境界、さく等を設け、標識を附し、人がみだりに立ち入らぬようにすること。

 (注意事項の掲示)

第13 病院又は診療所の管理者は、放射線等取扱施設の目につきやすい場所に放射線障害の防止に必要な注意事項を掲示しなければならないこと。

 (管理区域)

第14 病院又は診療用の管理者は、放射線等取扱施設の外側で週線量又は空気中の放射性同位元素の濃度が許容度の10分の1をこえるおそれがある場所を管理区域とし、当該区域にその旨を示す標識を附さなければならないこと。

第15 前項の管理区域には人がみだりに立ち入り又は停在しないようにし、やむをえない事由により人を停在させる場合はその者が許容度の10分の1をこえて被ばくし又は汚染しないような措置を講じなければならないこと。

 (被ばく防止)

第16 病院又は診療所の管理者は、次の措置を講ずることにより放射線等取扱施設に常時立ち入る者の1週間の被ばく放射線量が許容度をこえないようにしなければならないこと。

一 しやへい物を用い放射線のしやへいを行うこと。

二 遠隔操作装置等を用い放射線源と人体との間に距離を設け、又は被ばく時間を短くすること。

 (空気汚染の防止)

第17 病院又は診療所の管理者は、診療用放射性同位元素使用量、貯蔵施設又は廃棄施設に常時立ち入る者の呼吸する空気中の放射性同位元素の濃度が許容度をこえないようにしなければならないこと。

 (表面汚染の防止)

第18 病院又は診療所の管理者は、診療用放射性同位元素使用室、貯蔵施設又は廃棄施設内の人の触れるものの放射性同位元素の表面濃度が別に定める最大許容表面濃度をこえないようにしなければならないこと。

 (取扱者の遵守事項)

第19 病院又は診療所の管理者は、診療用放射性同位元素又はこれにより汚染された物を取り扱う者に次に掲げる事項を遵守させなければならないこと。

− 診療用放射性同位元素使用量又は廃棄施設においては、作業衣等を着用して作業し、これらを着用してみだりにこれらの施設から退出しないこと。

二 最大許容表面濃度をこえて放射性同位元素により汚染されている物をみだりに施設外に持ち出さないこと。

第20 病院又は診療所の管理者は、放射線診療を行う医師又は歯科医師に次に掲げる事項を遵守させなければならないこと。

一 エックス線装置又は診療用放射線照射装置を使用中は使用室にその旨を明示すること。

二 診療用放射線照射器具又は診療用放射性同位元素により診療を受けている患者には適当な標示をすること。

 (散乱線による危害の防止)

第21 病院又は診療所の管理者は、エックス線装置若しくは診療用放射線照射装置又はこれらの使用室について適宜散乱線の量を測定する等危害の発生しないように必要な措置を講じなければならないこと。

 (エックス線装置の測定)

第22 病院又は診療所の管理者は、治療用エックス線装置について、そのエックス線を6箇月に1回以上検定に合格したエックス線量計で測定し、その記録を5年間保存しなければならないこと。

 (放射性障害が発生するおそれのある場所の測定)

第23 病院又は診療所の管理者は、放射線障害の発生するおそれのある場所について、1箇月に1回以上放射線量及び診療用放射性同位元素又は放射性同位元素による汚染の状況を測定してその結果を記録し、かつ、これを5年間保存しなければならないこと。

 (許容度)

第24 この要綱中の許容度は、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律による許容度の例により定めるものとすること。


厚生省発薬第194号
   昭和33年11月20日

厚生大臣 橋 本 竜 伍

放射線審議会会長 殿

放射性医薬品製造規則案に規定する許容度に関する諮問について

 薬事法(昭和23年法律第197号)第32条第2項の規定に基き、厚生省令をもって放射性医薬品製造規則を制定いたしたいので、当該規則において規定する許容度に関し、放射線障害防止の技術的基準に関する法律(昭和33年法律第162号)第6条の規定に基き諮問する。

放射性医薬品製造規則案に規定する許容度

1 放射性医薬品の製造所においては、次の各項に定める個所における空気中の放射性物質(放射性医薬品及びその原料又は材料として使用される物又は使用された物で放射線を放出するもの並びにこれらの崩壊生成物で放射線を放出するものをいう。以下同じ。)の濃度、水中の放射性物質の濃度又は放射線量が当該各項に定める許容度の10分の1をこえないようにしなければならない。

一 製造室、小分室及び試験室に設けられた換気設備の排出口及び廃棄施設に設けられた焼却炉の排出口における排気中の放射性物質の濃度許容度は空気中に含まれる別表第一に定める種類区分による放射性物質につき同表の「空気中許容濃度」欄に定める濃度(空気中に含まれる放射性物質が同表による種類区分につき2種類以上ある場合には、各放射性物質の濃度の当該放射性物質につき同表同欄に定める各濃度に対するそれぞれの割合の和が1となる濃度)とする。

二 廃棄施設に設けられた排水設備の排水口における排液中の放射性物質の濃度許容度は、水中に含まれる別表第一に定める種類区分による放射性物質につき、同表の「水中許容濃度」欄に定める濃度(水中に含まれる放射性物質が同表による種類区分につき2種類以上ある場合には、各放射性物質の濃度の当該放射性物質につき同表同欄に定める各濃度に対するそれぞれの割合の和が1となる濃度)とする。

三 製造室、小分室及び試験室内の場所で人が常時立ち入る場所における空気中の放射性物質の濃度並びに作業所等に常時立ち入る者の1週間の被ばく放射線量、当該者が作業所等において呼吸する空気中の放射性物質の濃度及び当該者が作業所等において飲用する水中の放射性物質の濃度許容度は、次の各号に掲げる数値の和が1となる放射性物質の濃度又は線量とする。

 ただし、手、前ぱく、足又は足関節部については、1500ミリレム毎週とする。

 イ 放射性物質によって汚染された空気を呼吸するおそれのある場合における当該空気中に含まれる別表第−に定める種類区分による各放射性物質の濃度を当該放射性物質につき同表の「空気中許容濃度」欄に定める濃度に2.5を乗じて得た濃度でそれぞれ除して得た数値を合計して得た数値

 ロ 放射性物質によって汚染された水を飲用するおそれのある場合における当該水中に含まれる別表第一に定める種類区分による各放射性物質の濃度を当該放射性物質につき同表の「水中許容濃度」欄に定める濃度に2.5を乗じて得た濃度でそれぞれ除して得た数倍を合計した数値

 ハ 放射線を被ばくするおそれがある場合における当該線量を300ミリレム毎週で除して得た数値

2 製造所内の場所であって、放射線量率又は空気中の放射性物質の濃度が次に定める許容度の10分の1をこえるおそれのある作業所又は貯蔵施設の附近の場所には、境界、さくその他人がみだりに立ち入らないようにするための施設を設けなければならない。許容度は次の各号に掲げる数値の和が1となる放射線量率又は放射性物質の濃度とする。

 イ 放射線を被ばくするおそれがある場合における当該線量率300ミリレム毎週で除して得た数値

 口放射性物質によって汚染された空気を呼吸するおそれがある場合における当該空気中に含まれる別表第一に定める種類区分による各放射性物質につき同表の「空気中許容濃度」欄に定める濃度でそれぞれ除して得た数倍を合計した数値

3 作業所等において人の触れるものの放射性物質の表面密度は、別表第二に掲げる放射性物質の種類につき、それぞれ同表に定める許容表面密度をこえないようにしなければならない。

4 放射性物質の運搬に従事する者の1週間の被ばく放射線量は300ミリレム毎週をこえないようにしな ければならない。

5 放射性物質を運搬する場合には、これを容器に入れ、容器内の放射性物質から1メートルの距離において放射線量率が10ミリレム毎時をこえず、かつ、容器(容器をこん包する場合には、そのこん包)の表面の放射線量率が200ミリレム毎時をこえないようにしなければならない。ただし、郵送する場合には、容器(容器をこん包する場合には、そのこん包)の表面の放射線量率が10ミリレム毎24時をこえないようにしなければならない。

別表第一




別表第二