原子力船専門部会審議方針

原子力船専門部会

34.2.2

1.審議の進め方

 原子力船および船舶用原子炉の検討にあたっては次の諸点について以下述べるとおり審議検討を進めることが適当と考える。

(1)原子力船および船舶用原子炉の必要性とその研究計画の内容、研究経費の見積り等につき取りまとめる。
(2)原子力船として備えるべき条件の検討を行い、これらの条件を満足する船舶を選定し、その船種、船型、その他主要目を決定する。
(3)船舶用原子炉として備えるべき条件の検討を行い、これらの条件を満足する原子炉の型式、種類、その他主要目を決定する。

 これらにつき審議を進めるために当専門部会内に次の小委員会を設けて審議のために必要な資料の作成整備を行う。

(イ)研究計画小委員会
(ロ)船種、船型小委員会
(ハ)舶用炉小委員会

 上記各小委員会の連絡調整およびその作成した資料の審議検討は当部会において行い、原子力委員会に答申する。

2.小委員会の作業内容

 各小委員会の作業内容は次のとおりとする。

(イ)研究計画小委員会(委員長:中田金市)
 原子力船および船舶用原子炉の研究開発の必要性とその研究計画の内容および研究経費の見積り等につき資料を作成する。
(ロ)船種、船型小委員会(委員長:山県昌夫)
 まず研究開発の対象とする原子力船として適当なものを選定するために次の3種類のものにつき検討を行う。

 (1)海上を移動する実験研究所としての性格を有する小型の船舶で、総合研究終了後は原子力船乗組員の訓練その他本船に適した特殊目的に使用するような船舶
 (2)商船としての経済性は第1条件としないが開発のための経済的、技術的便宜さからみてあまり小型でも大型でもなく、ほぼ6,000〜15,000総トン程度の船舶で、完成後しばらくの間は各種実験ならびに要員訓練等に使用するとともに順次実用航路にも従事せしめるような船舶
 (3)最も近い将来において開発されると考えられる原子力商船で一応商船としての採算性も考慮したもので、大きさ約20,000〜40,000総トン程度の船舶で、前者と同じく完成後しばらくの間は各種実験、要員訓練等に使用するとともに順次実用航路にも従事せしめるような船舶

 これらを比較検討するため、および研究開発の対象として適当な原子力船の概要を定めるに必要な資料を作成する。

(ハ)舶用炉小委員会(委員長:嵯峨根遼吉)
 原子力船に塔載される原子炉について次のごとく作業を行うものとする。
 原子力船に塔載するに適当な大きさおよび出力を有する原子炉の概要を定めるための資料を作成する。