国際原子力機関のフェローシップ候補者推薦

本年度は合計25名を推薦

 国際原子力機関では、原子力技術者の訓練および交流を重要な活動の一つとして取り上げており、機関の初年度である1958年度には、機関の予算4,339,000ドルのうち、250,000ドルをフェローシップ計画に割り当て、このほか各加盟国から提供されたフェロ−シップを含めて200名のフェロ−が選抜され、各加盟国内の各研究機関等で養成訓練を受けている。

 わが国からは3名が応募し、それぞれ米国およびフランスに留学している。1959年度も前年度を上回る規模で、このフェローシップ計画を進めており、わが国に対してもその候補者の推薦を求めてきた。

 わが国では、大学関係については文部省で、それ以外の公務員および民間関係者については原子力局でそれぞれ選考が進められ、合計25名が国際原子力機関に対し推薦された。

 その内訳は次のとおりである。

  大学関係

  10名

  大学以外の公務員

  7名

  民   間

  8名

     計

  25名

 これらの候補者は、国際原子力機関が加盟国内の各研究機関と交渉して各候補の研究希望内容に適合する受入れ機関が決まり次第、逐次国際原子力機関のフェローの資格が与えられる。留学は今年9月から開始されることになっている。

 なおこのフェローシップは、候補者の資格、研究の目的等により次の4種類に分類されている。

(1)一般技術訓練:基礎的な技術訓練
(2)専門訓練:原子力科学および工学面の理論ならびに実験面における専門家養成
(3)研究訓練:原子力科学および工学面での研究を含む高度の訓練
(4)大学課程:ソ連、チェコから提供されたもので、高校卒業程度のものに原子力に関する大学課程を教授するもの

 留学の期間は研究、訓練の内容、希望により数週間から5〜6年まであるが、2年以下のものは原則として大学卒業程度以上のものを対象としている。