原子力委員会日誌

(昭和33年第46回〜34年第1回)


第46回

〔日 時〕 昭和33年12月10日(水)14.20〜16.00

〔議 題〕

(1)原子力委員の任期満了にともなう再任について
(2)東海大学原子炉の設置について
(3)原子力年報について
(4)原子力関係科学者技術者に関するアンケートについて
(5)特許法改正による原子力基本法の改正について
(6)原子力関係技術導入の状況について
(7)専門部会の審議状況について

 〔配布資料〕

(1)原子力関係科学者技術者に関するアンケートの集計表
(2)特許法、原子力基本法(抄)
(3)放射線の許容線量及び放射性物質の許容濃度について
(4)原子力船専門部会の諮問案
(5)関西研究用原子炉設置計画の審査について

審議決定および報告事項

(1)原子力委員の任期満了にともなう再任について
 今年末をもって任期の満了する石川委員と兼重委員の再任について、9日の閣議で承認された旨報告があった。

(2)東海大学原子炉の設置について
 松前代議士の質問書に対する政府の答申は、9日の閣議で承認された旨報告された。

(3)原子力年報について
 昭和32年度の原子力年報が完成され、本委員会に配布報告された。

(4)原子力関係科学者技術者に関するアンケートについて
さきに発表された民間企業についてのアンケートのほか、さらに大学・国立試験研究機関についてのアンケートが集計されたので、集計表につき説明があり、今後その解析を行う旨報告があった。

(5)特許法改正による原子力基本法の改正について
 改正内容が実質的に原子力基本法に及ぼす影響はさして考えられないので、関係議員の了解を得て改正することを了承した。

(6)原子力関係技術導入の状況について
 乙種の古河電気工業・住友金属鉱山・原子燃料公社の技術導入状況の報告があり、甲種の日本原子力発電・富士電機製造の技術導入についてはまだ不明の点が多く、また、原子力の今後のあり方に重大な影響があるので、後刻再検討することになった。

(7)専門部会の審議状況について
 原子炉安全基準専門部会の答申「放射線の許容量及び放射性物質の許容濃度について」の説明を行った。
原子力船専門部会の諮問「原子力船開発研究の対象として、適当に船種・船型および炉の選定」について説明があり、12日の専門部会に諮問することになった。
 原子炉安全審査専門部会の「関西研究用原子炉設置計画の審査について」の報告があった。

第47回

 〔日 時〕12月17日(水)15.30〜17.15

 〔議 題〕

(1)核燃料開発に対する考え方について
(2)核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案要綱(案)について

 〔配布資料〕

(1)核燃料開発に対する考え方(案)
(2)第4回核燃料経済専門部会議事録
(3)第1回原子力災害補償専門部会議事録
(4)原子力船開発のための研究題目とその方法に関する報告書
(5)核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案要綱(案)

審議決定および報告事項

(1)IAEAへの天然ウラン購入申込みのその後の動きについて
 太田調査課長からその後の経過の報告があった。

(2)核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案要綱(案)について藤波課長から説明があり、これにより法律案を作成して関係方面と折衝することになった。

第48回

 〔日 時〕12月24日(水)14.00〜16.10

 〔議 題〕

(1)昭和34年度原子力予算について
(2)核燃料開発に対する考え方
(3)英国との燃料購入契約について
(4)IAEAからの天然ウラン入手にともなう協定について
(5)展覧会への原子炉出品について
(6)サバナ号の訓練要員派遣の件

 〔配布資料〕

(1)核燃料開発に対する考え方
(2)第5回原子炉安全基準専門部会議事録
(3)第1回動力炉調査専門部会議事録

審議決定および報告事項

(1)昭和34年度原子力予算について
 12月23日内示のあった原子力予算案について、今後の復活要求の進め方等につき報告があった。

(2)核燃料開発に対する考え方
 打合せ会等において討論された諸点を採り入れた「核燃料開発に対する考え方」の最終案が提出され一部字句等修正の上決定された。

(3)「英国との燃料購入契約について
 英国より購入する燃料の契約について外務省を通じて英側に提示すべき当方の考え方が提出され、当面の交渉当事者を日本原子力発電会社とすること等を内容とする方針が了承された。

(4)IAEAからの天然ウラン入手にともなう協定について
 標記協定についてはIAEAの「核燃料提供協定特別委員会」において検討されているが、その原案の一部につき報告があった。

(5)展覧会への原子炉出品について
 米国が東京で開かれるTrade Fairに原子炉を出品したい旨非公式に申し入れてきたが、これについてはなるべく摩擦のないよう慎重に考慮することとなった。

(6)サバナ号の訓練要員派遣の件
 標記訓練コースは3月から4ヵ月、15ヵ月のコースが開かれ、民間からの派遣者の推薦は産業会議が行う旨報告があった。

昭和34年第1回

 〔日 時〕昭和34年1月7日(水)14.00〜17.00

 〔議 題〕

(1)昭和34年度原子力関係予算について
(2)核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律について
(3)国際原子力機関のフェローシップ計画について

 〔配布資料〕

(1)昭和34年度原子力予算総表
(2)IAEAフェローシップの候補者選考について

審議決定および報告事項

(1)昭和34年度原子力関係予算について
 34年度(一般会計)原子力関係予算につき、昨年末の大蔵省との折衝結果の報告を待った。

(2)核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律について関係各省庁との交渉についての中間報告があり、同法の改正についてはさらに十分なる検討を行い、急いで今国会に提出することは見合わせることとした。

(3)IAEAのフェローシップ候補者選考について
 1959〜60年度IAEAの留学生の募集については、IAEAから申入れがあったので、関係各界から希望者を募り、20名の候補者を決定することとした。