〔日 時〕昭和33年10月16日(木)14.00〜17.00 〔場 所〕東京都千代田区丸ノ内3の14 東京会館 〔出席者〕 〔議 題〕 〔配布資料〕 1.「核燃料開発に対する考え方」(案)に関する意見(個人別) 「核燃料開発に対する考え方」(案)に関する意見について 資料1および2によって「核燃料開発に対する考え方」(案)に対してよせられた意見を報告した。 大屋参与:産業会議の意見ではなく、私個人としての意見を申し上げる。核燃料の探鉱や採鉱の段階については、日本にはあまりウラン資源がないという事態が考えられ、一方では原子力発電のためにできるだけ原子炉の燃料を自給しようという考えがある。そこでイエローケーキを境にして産業の規模が非常に異なってくるのではないか。原則論としては探鉱の段階から出発して燃料要素にして無事に原子炉に入れるまでを一貫してやるのがよいが、以上のような事情から、日本としてはイエローケーキ→精製錬→加工の段階だけは民間の手でできるだけ一貫した責任でやるのがよいと思う。この際、ウラン燃料の所有権が国にあってもさしつかえない。国内鉱→イエローケーキの段階は処理量が少ないので民間ではなりたたないと思われる。探鉱の状況を見守りながら場合によっては燃料公社が中心となり、民間の協力を求めてやることが考えられる。 原子力災害補償に関する基本方針について 資料3によって説明を行った。 島村課長:ご説明した資料はまだ案の段階である。このように抽象的な内容なので早く決定したい。今後の進め方としては、専門家を外国に出して外国の現在の制度や考えていることを調査することと、専門部会を設けて意見を聞くことを考えている。 日米一般協定改正の議定書について 資料5によって説明を行った。 原子力関係科学者技術者に関するアンケートの集計結果について 資料6によって説明を行った。 文部省村上情報室長:大学関係のアンケートはご依頼により文部省で集めている。夏休みが間に入り集計がおくれているが、なるべく早い機会にお届けするつもりである。 瀬藤参与:こういう結果はfirst数字に信頼がおける程度と思うが、大学の講座の増設については有力な根拠になろう。 専門部会の活動状況について 法貴次長から資料7.8.9.10および11にもとづいて最近の動きを説明し、参与の質疑に答えた。 田中参与:燃料政策の面で、低濃縮ウランの製造はどの程度考えていくか。また大学では基礎研究をどの程度行っているか。 法貴次長:拡散法は考えられないので、他の方法に関し基礎研究をぜひやりたい。大学での研究については不明である。核燃料経済専門部会では、天然ウラン、濃縮ウラン、プルトニウム等の使用を長期的に考えていくので、この見方から濃縮ウランの必要性を考えるつもりである。 駒形参与:原研としては、国産1号炉はできるだけ国産にしたい。燃料についても初期装荷は無理だが、次の装入燃料からは国産でという考えできた。国際原子力機関から燃料も入ることになったので、技術的に可能なものは国産でということで、核燃料専門部会に考えていただくことになっている。 中泉参与:原子炉安全専門部会は第1小委員会が中心になって動いているとのことであるが、最大許容量を決める能力は日本にもないので、国際的な勧告をこれはよかろうからといってそのまま採用するということになるであろう。その際そういう判断は医学の知識が必要になるが、第1小委員会には医学関係の人がいないのではないか。 法貴次長:ごもっともな御意見で、医者の意見も入れていくようにする。 島村課長:最大許容量は総理府の放射線審議会が最終的にまとめることとなる。原子炉安全基準専門部会は原子炉siteに関する必要な安全上の問題をまとめようとしている。 田中参与:放射線審議会にもお医者さんが少なかったと思う。 中泉参与:国際的勧告をうのみにするというのでなく、日本も合理的な数値を考えるべきで、それには放医研を強力にするほかはない。 その他 (1)外国の原子力専門家の招聘について 石川委員:委員会として外国から相当の人を呼ぶための旅費がとってある。英国のコッククロフト、米国のワインバーグを呼ぶ計画で交渉した結果、コッククロフトは11月にハーウェルのマメリーをともなってくることになった。ワインバーグは明年4月に来朝する予定である。もう1人をさらに呼ぶつもりで考慮中である。 (2)SENNにおける設置炉決定の経緯について原子力局田宮技官から調査結果を報告した。 |