第1回放射線取扱主任者試験合格者

145名を発表


 さる3月23、24日の両日にわたって、東京および大阪の両試験場において行われた第1同放射線取扱主任者試験の応募者および受験者数ならびに4月12日公告された合格者氏名(東京91名、大阪54名、合計145名)を以下に紹介する。

第1回放射線取扱主任者国家試験応募者および受験者数

(1)応募者数
 受験地東京238名 受験地大阪230名 計468名

(2)応募者年齢別内訳

(3)応募者学歴別内訳

(4)科目別受験者出欠数


放射線取扱主任者試験合格者公告

放射線取扱主任者試験の実施細目及び放射線取扱主任者免状の交付等に関する規則(昭和33年総理府令第8号)第6条第1項の規定により、第1回放射線取扱主任者試験(昭和33年3月23日及び24日施行)の合格者を次のとおり公告する。

昭和33年4月12日

科学技術庁長官正力松太郎

試験地 東京

受験番号 氏名

32東 3 糠塚英夫

32東 8 久家靖史

32東 9 由本碩亮

32東 10 佐渡卓朗

32東 12 大段康治

32東 13 正井満天

32東 14 長谷川恵之

32東 15 太田孝

32東 16 矢作吉之助

32東 17 坂上朗

32東 18 村越昌彦

32東 19 和田延夫

32東 20 前田寛恕

32東 21 鳥海司郎

32東 23 小野寺敬

32東 27 梅原明

32東 28 高井義郎

32東 29 矢口公彦

32東 31 大野博教

32東 33 熊切淳一

32東 36 有泉昌

32東 38 梶原真塩

32東 46 安部季夫

32東 47 荒木田豊

32東 55 荒川鉄太郎

32東 61 古市博

32東 64 真鍋勝美

32東 65 竹西忠男

32東 66 関川清四郎

32東 67 高橋和雄

32東 68 辻本道弘

32東 70 浅井人久

32東 71 田代均

32東 78 平原恒男

32東 79 飯塚富雄

32東 80 八巻秀雄

32東 82 諫早典夫

32東 85 山本 康夫

32東 86 前田進

32東 87 岡本暘之助

32東 90 田中瑞衛

32東 91 金田久

32東 92 平川浩正

32東 95 西尾一雄

32東 98 長 宥孝

32東 99 平野豊

32東 100 佐伯安男

32東 101 宝蔵昇夫

32東 102 白土栄一郎

32東 103 久保田勝也

32東 106 川島和俊

32東 111 藤原譲

32東 112 吉武敏彦

32東 118 横森春生

32東 121 豬原健夫

32東 122 原口京子

32東 123 切貫久司

32東 124 末綱愛里

32東 125 下河原達哉

32東 126 栗林愿

32東 129 繁田道男

32東 130 鹿毛量

32東 46 安部季夫

32東 47 荒木田豊

32東 55 荒川鉄太郎

32東 61 古市博

32東 64 真鍋勝美

32東 65 竹西忠男

32東 66 関川清四郎

32東 67 高橋和雄

32東 68 辻本道弘

32東 70 浅井人久

32東 71 田代均

32東 78 平原恒男

32東 79 飯塚富雄

32東 80 八巻秀雄

32東 82 諫早典夫

32東 85 山本 康夫

32東 86 前田進

32東 87 岡本暘之助

32東 90 田中瑞衛

32東 91 金田久

32東 92 平川浩正

32東 95 西尾一雄

32東 98 長 宥孝

32東 99 平野豊

32東 100 佐伯安男

32東 101 宝蔵昇夫

32東 102 白土栄一郎

32東 103 久保田勝也

32東 106 川島和俊

32東 111 藤原譲

32東 112 吉武敏彦

32東 118 横森春生

32東 121 豬原健夫

32東 122 原口京子

32東 123 切貫久司

32東 124 末綱愛里

32東 125 下河原達哉

32東 126 栗林愿

32東 129 繁田道男

32東 130 鹿毛量

32東 134 横田暢一

32東 136 堀新

32東 143 今井一彦

32東 145 桜井宏

32東 148 石塚宏

32東 150 田代民夫

32東 156 若月豊

32東 158 井上健一

32東 160 小川誠二

32東 176 佐藤健

32東 180 岡田昇

32東 182 吉田一男

32東 183 浜田一芳

32東 184 松本昭

32東 186 佐藤温吉郎

32東 187 日野光雄

32東 188 日塔光輝

32東 189 大谷康夫

32東 194 藤井正一

32東 198 中尾英雄

32東 199 小林晃

32東 203 守屋忠雄

32東 213 鮫島広年

32東 214 古屋晃

32東 218 菅原泰造

32東 219 照井道男

32東 220 下村宏

32東 223 五十嵐健治

32東 226 吉田条二

試験地 大阪

32大 2 岸直行

32大 5 工藤一男

32大 6 小越修

32大 8 加藤武司

32大 11 真鍋朋信

32大 13 大内伊助

32大 17 長畑康夫

32大 19 向山鋭次

32大 21 二星郁夫

32大 26 岡林茂樹

32大 29 鈴木与四郎

32大 30 篠原康夫

32大 33 津田禎三

32大 48 小林義男

32大 49 山寺礼三

32大 50 八星孚

32大 55 松井雅男

32大 57 大段健治

32大 63 板橋義夫

32大 73 岩下真三

32大 79 坪野博宜

32大 85 小出鈴雄

32大 86 村瀬武男

32大 93 入江久志

32大 96 山崎裕

32大 104 辻井純郎

32大 105 岩井正

32大 107 川村和郎

32大 111 富永洋

32大 112 内田薫

32大 114 岸田達男

32大 115 草野秀

32大 125 岩崎立夫

32大 126 山田勝彦

32大 127 杉原瑞穂

32大 130 吉田治夫

32大 146 永井章文

32大 153 栗林宗人

32大 155 加藤敬香

32大 156 椙山太郎

32大 158 近藤茂

32大 167 松本文次

32大 168 大西武

32大 176 辻垣淳一

32大 177 吉村嘉男

32大 183 岡田正

32大 185 平一朗

32大 189 信沢寅男

32大 190 笹倉博

32大 193 植村悌二

32大 203 水野明浩

32大 214 久米三四郎

32大 216 五島仁士

32大 217 岩田志郎

第1回放射線取扱主任者試験問題集

1.法令

第1−1問 「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」における放射線、放射性同位元素装備機器及び放射線発生装置とはいかなるものをいうか、具体的に列挙せよ。

第1−2問 「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行令」に規定する換気設備について次の問に答えよ。
(1)換気設備は、いかなる場合に設けなければならないか
(2)換気設備は、いかなる能力を有していなければならないか
(3)換気設備は、いかなる構造及び材料のものでなければならないか

第1-3問 「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」において、次の行為のうち全く自由に行えるものには○印を、自由に行えないものには×印をつけよ。
(1)使用者又は販売業者が他の使用者又は販売業者に放射性同位元素を譲渡すること
(2)販売業者が放射性同位元素を輸出すること
(3)使用者がその許可証に記載された種類の放射性同位元素を所持すること
(4)販売業者の従業者がその職務上放射性同位元素を所持すること
(5)18歳末満の者が放射性同位元素を取り扱うこと

第1-4問 「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」において下記の各項のごとき場合、使用者又は販売業者が、科学技術庁長官の許可を受けること若しくは届け出ることが必要な項にはそれぞれ許可叉は届出の字句を、許可又は届出の両者とも不必要な項には不必要の字句を、番号順に記せ。
(1)許可申請書に記載したその氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名の変更
(2)許可申請書に記載した使用の目的及び方法の変更
(3)放射性同位元素の運搬
(4)放射線障害予防規定の作成
(5)法人である使用者の解散
(6)放射線取扱主任者の選任
(7)放射線取扱主任者の解任
(8)放射性同位元素装備機器の販売
(9)放射性同位元素のすべての使用の廃止(許可を取り消された場合を除く。)
(10)放射線発生装置の運搬

第1−5問 「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」及び同法施行令の規定に基き、次の文中の    のうちに入る適当な語句を番号とともに記せ。

(1)使用者及び販売業者は、総理府令で定めるところにより、1.    するおそれのある場所について、2.    、粒子束密度及び3.    の状況を測定してその結果を記録し、かつ、これを保存しなければならない。

(2)使用者及び販売業者は、総理府令で定めるところにより、使用施設、4.    貯蔵施設又は廃棄施設に立ち入る者に対し、5.    しているかどうかを発見するために必要な措置を講じなければならない。

(3)使用者及び販売業者並びに6.    は、放射性同位元素を運搬する場合(7.    又は8.    により運搬する場合を除く。)においては、総理府令(鉄道、軌道、索道、無軌条電車、自動車及び軽車両による運搬については9.    令)で定める技術上の基準に従ってしなければならない。

(4)10.    である使用施設の主要構造部は、耐火構造又は11.    その他の12.    を用いた構造とすること。ただし、科学技術庁長官が定める13.    及び14.    の放射性同位元素を使用

する場合には、この限りでない。

(5)使用施設には、放射線を15.    にしやへいすることができるしやへい壁その他の16.    を設けること。

(6)貯蔵施設は、貯蔵室、貯蔵箱等17.    の施設とすること。

(7)工場又は事業所内において18.    が科学技術庁長官が定める許容線量率の19.    をこえるおそれのある場所には、境界さくその他人がみだりに立ち入らないようにするための施設を設けること。

(8)液体状の放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された液を流す場合には、排水設備(排水管、20.    その他液体状の放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された液を21.    し、又は22.    する一連の設備をいう。)を設けること。

(9)廃棄施設は、23.    及び24.    のおそれの少い場所に設けること。

2.管理技術

第2−1問 放射性同位元素を使う場合、又は放射線発生装置を使って放射性同位元素を製造する場合には通常管理室を設けることになっているが、この管理室について下の問に答えよ。
(1)管理室を設ける目的は何か
(2)管理室を設ける場所はどこが適当か
(3)管理室の内部に是非設けなければならない設備三つをあげよ

第2−2問

A)下の各種作業室床仕上のうち、放射性同位元素による汚染と云う点から見て不適当なもの一つをあげよ。

a.磁器タイル張り b.アスファルトモルタル塗

C.板張り     d.アスファルトタイル張り

B)下の各種構造物の中から多量の放射性同位元素を使う使用施設として不適当なもの二つをあげよ。

a.鉄筋コンクリート造 b.木造板張り  C.ブロック造

d.木造モルタル塗   e.鉄骨石綿板張り

第2−3問 次の場合にとるべき適切な処置を順序に従い、箇条書にして簡単に記せ。

(1)10マイクロ・キュリーの燐32(32P)を含む少量の水溶液を実験机上にこぼした場合
(2)10ミリ・キュリーのセシウム137(137Cs)を含む少量の水溶液を運搬中に、セメントモルタル塗の床にこぼした場合

第2−4間 次の文の正しいものには○印を、間違っているものには×印をつけよ。

(1)コバルト60(60Co)のガンマ線を遮蔽する場合、遮蔽物の厚さと密度との積が同じであれば、鉛を用いても、コンクリートを用いても、その遮蔽効果は大差がない。

(2)作業室への物品の持込みには、特に制限はない。

(3)使用する放射性同位元素を選択する場合には、使用の目的に適し、かつ最も危険度の少いものを選ぷべきである。

(4)ガンマ線に曝射された物体はかなりの誘導放射能を帯びる可能性があるから、その物体の放射能を検査しなければならない。

(5)放射性同位元素を含む溶液を入れたガラス器具類は必ず廃棄せねばならない。

第2−5問 放射線障害を防止するため行わねばならない健康管理の方法について知るところを記せ。

第2−6問 放射線の人体最大許容量とは如何なることか。

3.測定技術

第3−1問 空間のガンマ線量分布を測定するのに使用されるガイガー・ミュラー計数管式と電離箱式の放射線サーベイ・メーターにつき、それぞれの特性上の特徴と使用上の注意事項とを述べよ。

第3−2問 放射線測定に関する次の各項の計算を行え。但し計算を行う前提条件があれぱ、それも明記せよ。

(1)総計数値が、625の場合の統計的誤差(標準誤差)(%)を求めよ

(2)分解時間が100マイクロ秒の計数装置で測定した結果、計数率が20,000毎秒であったという。この場合の計数落しによる誤差(%)を求めよ

(3)2πガス・フロー計数管を使用した計数装置でコバルト60を含む試料について測定した結果、ベータ粒子の計数率が1,110毎分であったという。この場合のコバルト60の量(マイクロ・キュリー)を求めよ

(4)48.0ミリ・キュリーのコバルト60標準線源から空気中で400センチ・メートルのところにガンマ線用放射線サーベイ・メーターを置いたとき、その指示値が17.0ミリ・レントゲン毎時であったという。この場合の指示値の誤差(%)を求めよ。但しコバルト60標準線源から空気中100センチ・メートルのところにおける照射線量率は1.35レントゲン毎時であるとする

第3−3問 ガイガー・ミュラー計数管、およびこれを使用した測定器に関する次の各項について説明せよ。

(1)プラトー

(2)プラトーの傾斜

(3)不感時間(dead time)

(4)回復時間(recovery time)

(5)分解時間(resolving time)

(6)自然計数(natural count)

4.物理学

第4−1問 次の諸単位について簡単に説明せよ。

(1)レントゲン(roentgen)

(2)キュリー (curie)

(3)ラド(rad)

(4)レム(rem)

第4−2問 次の核応式を写し、その□の中に適当な記号を記入せよ。但しβ−は陰電子の、γはガンマ線の記号を表わす。


第4−3問 次に掲げる放射性同位元素を含む物質を壁の厚さ2mmの鉛容器に納めたとき、その外部で電磁放射線が検出される。こからほどうして発生したか、それぞれの場合について説明しなさい。

(1)13N (2)60Co(3)90Sr+90Y

5.化学

第5−1問 次のことばを簡単に説明せよ。

(1)放射化学 radiochemistry
(2)放射線化学 radiation chemistry
(3)保持担体 Hold−back carrier
(4)標識化合物 Labelled compound
(5)放射化分析 Activation analysis 或いは Radioactivation analysis
(6)同位元素効果 Isotope effect
(7)イオン交換樹脂 Ion exchange resin
(8)超ウラン元素 Trans-uranium elements
(9)オートラジオグラフ Autoradiograph
(10)核種 Nuclide

第5−2問 次のA、B 2問中1問を選んで解答せよ。

A) 1 キュリーのラドン222(222Rn)の重量(g)とそれが標準状態でしめる体積(ml)とを示せ。

但し、{222Rnの半減期 3.825日

    Avogadro数 6.02×1023

B)ペニシリン製剤中のペニシリン含有量を知るため、その1.00gを正確にはかり、溶媒にとかした。次に生合成でつくった35S−ペニシリン10.0mgを加え、通常の精製法でペニシリンを純粋に結晶としてとり出した。この抽出されたペニシリンと生合成ペニシリンとにつき、同一条件で放射能を測定したところ、下表の結果となった。ペニシリン製剤1g中に含まれるペニシリンのmg数及びその標準偏差を求めよ。但し、ひよう量の誤差は熟視し得るものとする。


6.生物学

第6−1問 人がγ線により外部全身照射を受けたとする。次の場合その人の身体にどんな障害が起るかを簡明に記せ。

(1)毎週300ミリレムの割合で1年間受けた場合
(2)50レムを1回だけ受けた場合
(3)400レムを1回だけ受けた場合

第6−2問 次のラジオ・アイソトープが誤って人体に入ったとき、如何なる臓器組織に主として沈着し障害を与え易いか。

(1)放射性燐(32P)
(2)放射性沃素(沃度)(131I)
(3)放射性セシウム (137Cs)
(4)放射性ストロンチウム(90Sr)
(5)放射性鉄(59Fe)

第6−3問 次の文中の   内に適当な語句を番号と共に記せ。

電離放射線照射(ionizig radiation)は突然変異(mutation)を誘発させる。動物の成熟精子では染色体異常(chromosome aberration)と点突然変異(point mutation)、又はゲン突然変異(gene mutation)とがある。γ線線照射の場合1.   は照射線量にほぼ正比例して増大し、2.   は線量の2乗又は2/3乗で増大するといわれている。したがって障害予防上微量照射が長く続くような場合には3.   の発生に注意しなければならず、一時的大量照射の場合には4.   の発生も考えに入れなければならない。

第6−4問 生物学的効果比率(RBE)(relativ biological effectiveness)について簡明に記せ。