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障害防止法施行規則


総理府令第21号
 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行令に基き、及びこれらを実施するため、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則を次のように定める。

  昭和33年3月31日

内閣総理大臣 岸 信介

放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則

−目次−

第1章 許可の申請等(第1条〜第7条)

第2章 使用者、販売業者等の義務(第8条〜第22条)

第1節 使用等の基準(第8条〜第12条)
第2節 測定(第13条)
第3節 放射線階害予防規定(第14条)
第4節 放射線障害者の発見のための措置等(第15条・第16条)
第5節 記帳(第17条)
第6節 使用の廃止等(第18条〜第21条)
第7節 危険時の措置(第22条)

第3章 放射線取扱主任者の選任等(第23条〜第25条)

第4章 雑則 (第26条〜第28条)

附則

第1章 許可の申請等

(使用の許可の申請)

第1条 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和32年法律第167号。以下「法」という。)第3条第2項の使用の許可の申請書は、別記様式第一によるものとする。

2 前項の申請者には、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行令(昭和33年政令第14号。以下「令」という。)第4条第2項の規定により、次の書類を添えなければならない。

一 法人にあっては、登記簿の抄本

二 予定使用開始時期及び予定使用期間を記載した書面

三 使用施設、貯蔵施設及び廃棄施設を中心とした工場又は事業所内外の平面図

四 使用施設、貯蔵施設及び廃棄施設の各室の間取及び用途、出入口、境界さくその他人がみだりに立ち入らないための施設、標識及び放射線監視設備の位置等並びにこれらの縮尺及び方位を示した平面図

五 しやへい壁その他のしやへい物が放射線を有効にしやへいすることができるとこを示す書面及び図面

六 換気設備が、作業室内の人が常時立ち入る場所における空気中の放射性同位元素の濃度については最大許容空気中濃度以下、排出口における排気中の放射性同位元素の濃度については最大許容室気中濃度の10分の1以下とする能力を有するものであることを示す書面(排出口における排気中の放射性同位元素の濃度を最大許容空気中濃度の10分の1以下とすることが著しく困難である場合においては、その困難な理由及び放射線監視設備の設置その他放射線障害の防止に関し講ずる特別の措置の詳細を記載した書面)並びに換気設備及び放射線監視設備その他放射線障害の防止のために設ける施設の位置並びに換気の系統を示す図面

七 排水設備が、排水口における排液中の放射性同位元素の濃度を最大許容水中濃度の10分の1以下とする能力を有するものであることを示す書面(排水口における排液中の放射性同位元素の濃度を最大許容水中濃度の10分の1以下とすることが著しく困難である場合においては、その困難な理由及び放射線監視設備の設置その他放射線障害の防止に関し講ずる特別の措置の詳細を記載した書面)並びに排水設備及び放射線監視設備その他放射線障害の防止のたのに設ける施設の位置並びに排水の系統を示す図面

(販売の業の許可の申請)

第2条 法第4条第2項の販売の業の許可の申請書は、別記様式第一によるものとする。

2 前項の申請書には、令第5条第2項の規定により、次の書類を添えなけれほならない。

一 法人にあっては、登記簿の抄本

二 予定販売開始時期、予定販売期間及び放射性同位元素の種類ごとの年間販売予定数量(予定販売期間が1年にみたない場合にあっては、その期間の販売予定数量)を記載した書面

三 詰替施設、貯蔵施設及び廃棄施設を中心とした販売所内外の平面図

四 詰替施設、貯蔵施設及び廃棄施設の各室の間取及び用途、出入口、境界さくその他人がみだりに立ち入らないための施設、標識及び放射線監視設備の位置等並びにこれらの縮尺及び方位を示した平面図

五 前条第2項第五号から第七号までに規定する書面及び図面

(使用に係る変更の許可の申請)

第3条 令第6条の使用に係る変更の許可の申請書は、別記様式第二によるものとする。

2 前項の申請書には、次の書類を添えなければならない。

一 使用施設、貯蔵施設又は廃棄施設の位置について変更する場合には、第1条第2項第三号に規定する平面図

二 しやへい壁その他のしやへい物について変更する場合には、第1条第2項第五号に規定する書面及び図面

三 換気設備について変更する場合には、第1条第2項第六号に規定する書面及び図面

四 排水設備について変更する場合には、第1条第2項第七号に規定する書面及び図面

(販売の業に係る変更の許可の申請)

第4条 令第7条の販売の業に係る変更の許可の申請書は、別記様式第二によるものとする。

2 前条第2項の規定は、前項の申請書を提出する場合について準用する。

(許可の申請書の提出部数)

第5条 第1条第1項、第2条第1項、第3条第1項及び前条第1項の申請書の提出部数は、それぞれ正本1通及び副本4通とする。

(許可証の訂正)

第6条 法第10条第1項若しくは第4項又は法第11条第1項若しくは第4項の規定により許可証の訂正を受けようとする者は、別記様式第三の許可証訂正届を科学技術庁長官に提出しなければならない。

2 前項の届出に係る書面の提出部数は、それぞれ正本及び副本1通とする。

(許可証の再交付)

第7条 法第12条の規定により許可証の再交付を受けようとする者は、別記様式第四の許可証再交付申請書を科学技術庁長官に提出しなければならない。

2 許可証をよごし、又は損じた者が前項の申請書を提出する場合には、その許可証をこれに添えなければならない。

3 第1項の申請書の提出部数は、正本及び副本1通とする。

4 許可証を失った者で許合証の再交付を受けたものは、失った許可証を発見したときは、すみやかに、これを科学技術庁長官に返納しなければならない。

第2章 使用者、販売業者等の義務

第1節 使用等の基準

(使用の基準)

第8条 法第15条の規定による使用の技術上の基準は、次のとおりとする。

一 放射性同位元素、放射性同位元素装備機器又は放射線発生装置の使用は、使用施設(放射性同位元素を使用する場合又は放射線発生装置を使用して放射性同位元素を製造する場合にあっては、作業室)において行うこと。ただし、令第8条第2項から第4項までに規定する場合には、この限りでない。

二 使用施設の目につきやすい場所に、放射線障害の防止に必要な注意事項を掲示すること。

三 放射性同位元素、放射性同位元素装備機器又は放射線発生装置の使用に従事する者以外の者が、使用施設又は工場若しくは事業所外でこれを使用する場合にあっては、使用の場所(以下「使用施設等」という。)に立ち入るときには、その使用に従事する者の指示に従わせること。

四 使用施設等に常時立ち入る者の1週間の被ばく放射線量は、次の措置を講ずることにより、科学技術庁長官の定める許容週線量(以下「最大許容週線量」という。)をこえないようにすること。

イ しやへい壁その他のしやへい物を用いることにより放射線のしやへいを行うこと。

ロ 達隔操作装置、紺子等を用いることにより放射性同位元素、放射性同位元素装備機器又は放射線発生装置と人体との間に適当な距離を設け、又は人体が放射線に被ばくする時間を短くすること。

五 作業室に常時立ち入る者の呼吸する空気中の放射性同位元素の濃度は、放射性同位元素によって汚染された空気を換気し、又は浄化することにより、最大許容空気中濃度をこえないようにすること。この場合において、換気設備があるときには、これを用いて換気し、又は浄化しなければならないこと。

六 作業室に常時立ち入る者の飲用する水中等の放射性同位元素の濃度は、最大許容水中濃度をこえないようにすること。

七 作業室又は管理室内の人の触れるものの放射性同位元素の表面濃度は、その表面の放射性同位元素による汚染を除去し、又はその触れるものを廃棄することにより、科学技術庁長官の定める許容表面濃度(以下「最大許容表面濃度」という。)をこえないようにすること。

八 作業室においては、作業衣等を着用して作業し、これらを着用してみだりに作業室から退出しないこと。

九 人体、作業衣等の表面の放射性同位元素による汚染の除去は、管理室がある場合には、管理室において行うこと。

十 放射性同位元素によって汚染された物で、その放射性同位元素の表面濃度が最大許容表面濃度をこえているものは、みだりに作業室から持ち出さないこと。

十一 令第8条第3項及び第4項に規定する場合(工場又は事業所外の場合において使用する場合に限る。)には、放射線量率が許容線量率の10分の1をこえるおそれのある場所に人がみだりに立ち入らないような措置を講ずること。

(詰替の基準)

第9条 法第16条の規定による詰替の技術上の規準は、次のとおりとする。

一 放射性同位元素の詰替は、作業室において行うこと。

二 作業室の目につきやすい場所に、詰替上の注意書項を掲示すること。

三 放射性同位元素の詰替に従事する者以外の者が詰替施設に立ち入る場合には、その詰替に従事する者の指示に従わせること。

四 詰替施設に常時立ち入る者の1週間の機ばく放射線量は、次の措置を講ずることにより、最大許容週線量をこえないようにすること。

イ しやへい壁その他のしやへい物を用いることにより放射線のしやへいを行うこと。

ロ 達隔操作装置、紺子等を用いることにより放射性同位元素と人体との間に適当な距離を設け、又は人体が放射線に被ばくする時間を短くすること。

五 作業室に常時立ち入る者の呼吸する空気中の放射性同位元素の濃度は、放射性同位元素によって汚染された空気を換気し、又は渉化することにより、最大許容空気中濃度をこえないようにすること。この場合において、換気設備があるときには、これを用いて換気し、又は浄化しなければならないこと。

六 作業室に常時立ち入る者の飲用する水中等の放射性同位元素の濃度は、最大許容水中濃度をこえないようにすること。

七 作業室又は管理室内の人の触れるものの放射性同位元素の表面濃度は、その表面の放射性同位元素による汚染を除去し、又はその触れるものを廃棄することにより、最大許容表面濃度をこえないようにすること。

八 作業室においては、作業衣等を着用して作業し、これらを着用してみだりに作業室から退出しないこと。

九 人体、作業衣等の表面の放射性同位元素による汚染の除去は、管理室がある場合には、管理室において行うこと。

十 放射性同位元素によって汚染された物で、その放射性同位元素の表面濃度が最大許容表面濃度をこえているものは、みだりに作業室から持ち出さないこと。

(保管の基準)

第10条 法第17条の規定による保管の技術上の基準は、次のとおりとする。

一 放射性同位元素の保管は、貯蔵施設において行うこと。

二 貯蔵施設の目につきやすい場所に、保管上の注意事項を掲示すること。

三 貯蔵施設には、その貯蔵能力をこえて放射性同位元素を貯蔵しないこと。

四 放射性同位元要は、容器に入れて保管すること。

五 放射性同位元素の保管に従事する者以外の者が貯蔵施設に立ち入る場合には、その保管に従事する者の指示に従わせること。

六 貯蔵施設に常時立ち入る者の1週間の被ばく放射線量は、次の措置を講ずることにより、最大許容週線量をこえないようにすること。

イ しやへい壁その他のしやへい物を用いることにより放射線のしやへいを行うこと。

ロ 遠隔操作装置、鉗子等を用いることにより放射性同位元素と人体との間に適当な距離を設け、又は人体が放射線に被ばくする時間を短くすること。

七 貯蔵施設に常時立ち入る者の呼吸する空気中の放射性同位元素の濃度は、容器の外における空気を汚染するおそれのある放射性同位元素を保管する場合には、これを気密な構造の容器に保管することにより、最大許容空気中濃度をこえないようにすること。

八 貯蔵施設に常時立ち入る者の飲用する水中等の放射性同位元素の濃度は、最大許容水中濃度をこえないようにすること。

九 貯蔵施設に常時立ち入る者の触れるものの放射性同位元素の表面濃度は、次の措置を講ずることにより、最大許容表面濃度をこえないようにすること。

イ 液体状の放射性同位元素は、こぼれにくい構造であり、かつ、浸透しにくい材料を用いた容器に入れること。

ロ 液体状又は固体状の放射性同位元素を入れた容器で、きれつ、破損等の事故の生ずるおそれのあるものには、受皿、吸収材その他の施設又は器具を用いることにより、放射性同位元素による汚染のひろがりを防止すること。

(運搬の基準)

第11条 法第18条の規定による運搬(鉄道、軌道、索道、無軌条電車、自動車及び軽車両によるものを除く。)の技術上の基準は、次のとおりとする。

一 放射性同位元素を運搬する場合には、これを容器に入れること。

二 容器の外における空気を汚染するおそれのある放射性同位元素は、容器に封入すること。

三 波体状の放射性同位元素は、こぼれにくい構造であり、かつ、浸透しにくい材料を用いた容器に入れること。

四 容器(容器をこん包する場合には、そのこん包)の表面には、放射性同位元素の種類及び数量を明示し、かつ、別表で定めるところにより、標識を附すること。

五 液体状又は固体状の放射性同位元素を入れた容器で、きれつ、破損等の事故の生ずるおそれのあるものは、吸収材その他放射性同位元素による汚染のひろがりを防止することができる材料で包むこと。

六 放射性同位元素を入れた容器は、容易に破損しないように措置すること。

七 放射性同位元素の運搬に従事する者の1週間の被ばく放射線量は、放射性同位元素と人体との間に適当な距離を設け、又は人体が放射線に被ばくする時間を短くすることにより、最大許容週線量をこえないようにすること。

八 放射線のしやへいは、次に定めるところにより、行うこと。

イ 容器内の放射性同位元素から1メートルの距離において放射線量率が10ミリレム毎時をこえないようにすること。

ロ 容器(容器をこん包する場合には、そのこん包)の表面の放射線量率が200ミリレム毎時をこえないようにすること。ただし、郵送する場合には、容器(容器をこん包する場合には、そのこん包)の表面の放射線量率が10ミリレム毎24時をこえないようにするものとする。

2 前項の規定は、放射性同位元素を使用施設内において運搬する場合その他これを運搬する時間が極めて短く、かつ、放射線障害の発生するおそれがない場合には、適用しない。

(廃棄の基準)

第12条 法第19条の規定による廃棄の技術上の基準は、次のとおりとする。

一 放射性同位元素及び放射性同位元素によって汚染された物の廃棄に従事する者以外の者が廃棄施設に立ち入る場合には、その廃棄に従者する者の指示に従わせること。

二 廃棄施設に常時定ち入る者の触れるものの放射性同位元素の表面濃度は、その表面の放射性同位元素による汚染を除去し、又はその触れるものを廃棄することにより、最大許容表面濃度をこえないようにすること。

三 作業衣等を着用して作業し、これらを着用してみだりに作業の場所から退出しないこと。

四 人体、作業衣等の表面の放射性同位元素による汚染の除去は、管理室がある場合には、管理室において行うこと。

五 放射性同位元素によって汚染された物で、その放射性同位元素の表面濃度が最大許容表面濃度をこえているものは、みだりに廃棄施設から持ち出さないこと。

六 液体状の放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された液を流す場合には、排水設備において排水し、又は浄化すること。

七 前号に規定する浄化は、ろ過、イオン交換樹脂法による吸着、放射線の強さの時間による減衰、多量の水による希釈等の方法により行うこと。

八 ふたのできる排液処理槽は、排液の採取、排液中における放射性同位元素の濃度の測定等を行う場合を除き、確実にふたをしておくこと。

九 廃棄施設に常時立ち入る者の飲用する水中等の放射性同位元素の濃度は、最大許容水中濃度をこえないようにすること。

十 廃棄施設に常時立ち入る者の呼吸する空気中の放射性同位元素の濃度は、次の措置を講ずることにより、最大許容空気中濃度をこえないようにす

ること。

イ 放射性同位元素によって汚染された物を焼却する場合には、焼却炉において行うこと。

ロ 焼却炉の排出口にける排気中の放射性同位元素の濃度が最大許容空気中濃度の10分の1をこえるおそれのある場合には、換気設備を用いることにより排気し、又は浄化すること。

十一 液体状若しくは固体状の放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された物を第六号及び前号イに規定する方法以外の方法で廃棄する場合には、これを令第10条第五号に規定する容器に入れ、かつ、その容器を同号に規定する設備において保管すること。ただし、科学技術庁長官が定める種類及び30日あたりの数量の固体状の放射性同位元素又はその放射性同位元素によって汚染された物で固体状のものにあっては土中埋没、固体状の放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された物で固体状のものにあっては、本文の規定によりこれを入れた容器を保管することが著しく困難である場合に限り、海洋投棄をすることができる。

十二 廃棄施設に常時立ち入る者の1週間の被ばく

放射線量は、最大許容週線量をこえないようにすること。

十三 第十一号ただし書の規定による土中埋没は、次に定めるところにより、行うこと。

イ 地くずれ及び浸水のおそれが少く、かつ、飲料の用に供する井戸又は貯水池、田、畑その他これに類するものに影響を及ぼさない箇所に埋没すること。

ロ 埋没箇所の周囲にはさくその他の施設を設け、かつ、埋没箇所及びさくその他の施設には別表で定めるところにより標識を附し、これらに人がみだりに立ち入らないようにすること。ただし、最後に理没をした日から1年を経過した場合には、この限りでない。

十四 第十一号ただし書の規定による海洋投棄は、次に定めるところにより、行うこと。

イ 容器に封入すること。

ロ イの容器は、廃棄の際及び廃棄後において破損するおそれがない程度の強度を有し、水が浸透せず、腐食に耐え、かつ、放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された物を入れたときの比重が1.2以上であるものとすること。

ハ 投棄する箇所の海洋の深さは、2,000メートル以上であること。


第2節 測定

(放射線障害が発生するおそれのある場所等の測定)

第13条 法第20条第1項の規定による測定及びその測定の結果の記線の保存は、次の各号に定めるところによる。

一 放射線量率、粒子束密度及び放射性同位元素による汚染の状況の測定は、これらを知るために最も適した箇所において、かつ、放射線測定器を用いて行うこと。ただし、放射線測定器を用いて測定することが著しく困難である場合には、計算によってこれらの値を算出することができる。

二 前号の測定は、次の表の上欄に掲げる項目に応じてそれぞれその下欄に掲げる場所について行うこと。



三 第一号の測定は、1月をこえない作業期間ごとに1回行うこと。

四 第一号の測定の結果の記録は、5年間保存すること。

2 法第20条第2項の規定による測定及びその測定の結果の記録の保有は、次の各号に定めるところによる。

一 放射線量、粒子束密度の時間積分量及び放射性同位元素による汚染の状況を測定する場合には、放射線測定器又は放射線測定用具を用いること。ただし、1週間の人体の被ばく放射線量が最大許容週線量の10分の1をこえるおそれのない場合又は放射線測定器若しくは放射線測定用具を用いて測定することが著しく困難である場合には、計算によってこれらの値を算出することができる。

二 放射線量及び粒子束密度の時間積分量の測定は、放射線に最も大量に被ばくするおそれのある人体部位(その部位が手、足等である場合にあっては、手、足等のほか、胸若しくは腹)について行うこと。

三 放射性同位元素による汚染の状況の測定は、次に定めるところにより、行うこと。

イ 放射性同位元素による人体、作業衣等の表面の汚染の状況の測定は、手、足、作業衣の表面その他放射性同位元素によって汚染されるおそれのある部位について行うこと。

ロ 放射性同位元素による人体内部の汚染の状況の測定については、人が呼吸する空気中の放射性同位元素の濃度を計算することにより算出すること。

四 第二号の測定にあっては作業中継続して、前号の測定にあっては作業を終了したときに行うこと。

五 第二号及び第三号の測定(第三号イの測定にあっては、手、足等の人体部位の表面が最大許容表面濃度をこえて放射性同位元素により汚染され、その汚染を容易に除去することができない場合においてその人体部位についての測定に限る。)の結果の記録は、保存すること。ただし、測定に係る者が使用者又は販売業者の従業者でなくなった場合においてこれを科学技術庁長官が指定する機関に引き渡すときには、この限りでない。

第3節 放射線障害予防規定

(放射線障害予防規定)

第14条 法第21条第1項の規定による放射線障害予防規定は、次の事項について定めるものとする。

一 放射性同位元素の取扱又は放射性同位元素装備機器若しくは放射線発生装置の使用に従事する者に関する職務及び組織に関すること。

二 放射性同位元素、放射性同位元素装備機器又は放射線発生装置の使用に関すること。

三 放射性同位元素の詰替、保管及び運搬に関すること。

四 放射性同位元素及び放射性同位元素によって汚染された物の廃棄に関すること。

五 放射線量率、粒子束密度等の測定並びにその測定の結果の記録及び保存に関すること。

六 使用施設、詰替施設、貯蔵施設又は廃棄施設に立ち入る者に対する放射線障害の発生を防止する

ために必要な教育及び訓練に関すること。

七 放射線障害が発生しているかどうかを発見するために必要な措置に関すること。

八 放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者に対する保健上必要な措置に関すること。

九 法第25条に規定する記帳及び保存に関すること。

十 危険時の措置に関すること。

十一 その他放射線障害の防止に関し必要な事項

2 法第21条第1項の規定による届出に係る書面は、別記様式第五によるものとする。

3 法第21条第3項の規定による届出は、変更後の放射線障害予防規定を添えてしなければならない。

4 前項の届出に係る書面は、別記様式第六によるものとする。

5 第2項又は第3項の届出に係る書面の提出部数は、それぞれ正本及び副本1通とする。

第4節 放射線障害者の発見のための措置等

(放射線障害者の発見のための措置)

第15条 使用者及び販売業者が、法第23条の規定により講じなければならない措置は、次の各号に定めるところによる。

一 使用施設、詰替施設、貯蔵施設又は廃棄施設に立ち入る者(一時的に立ち入る者を除く。)に対し、健康診断を行うこと。

二 健康診断の結果を記録すること。

三 前号の記録を保存すること。ただし、健康診断を受けた者が使用者又は販売業者の従業者でなくなった場合においてこれを科学技術庁長官が指定する機関に引き渡すときには、この限りでない。

四 第二号の記録の写を健康診断を受けた者に対し交付すること。

2 健康診断の方法は、問診及び検査又は検診とする。

3 使用施設、詰替施設、貯蔵施設又は廃棄施設に初めて立ち入る者(一時的に立ち入る者を除く。)に対する問診は、次の事項について行うものとする。

イ 放射線(百万電子ボルト未満のエネルギーを有する電子線及びエックス線を含む。以下本項において同じ。)の被ばく歴の有無

ロ 被ばく歴を有する者については、作業の場所、内容、期間、放射線障害の有無その他放射線による被ばく状況

4 検査又は検診は、次の部位及び項目について行うものとする。

イ 皮ふ

ロ 末しよう血液中の白血球及び赤血球の数並びに血球素量

ハ 末しよう血液像

ニ その他科学技術庁長官が定める部位及び項目

5 健康診断は、第1項第一号の者については、初めて立ち入る者にあってはその立ち入る前に、常時立ち入るものにあっては3月をこえない期間ごとに行わなければならない。

6 前項の規定にかかわらず、第1項第一号の者が次の一に該当するときは、遅滞なく、その者につき同号の健康診断を行わなければならない。

イ 放射性同位元素を誤って飲み込んだとき。

ロ 放射性同位元素により最大許容表面濃度をこえて皮ふが汚染され、その汚染を容易に除去することができないとき。

ハ 放射性同位元素により度ふの創傷面が汚染されたとき。

ニ 最大許容週線量をこえて放射線に被ばくし、又は彼ばくしたおそれがあるとき。

ホ 最大許容空気中濃度をこえて放射性同位元素により汚染された空気を呼吸し、若しくは呼吸したおそれがあり、又は最大許容水中濃度をこえて放射性同位元素により汚染された水を飲用し、若しくは飲用したおそれがあるとき。

ヘ 放射線障害を受けたおそれのある自覚症状を訴えたとき。

(放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者に対する措置)

第16条 使用者及び販売業者が、法第24条の規定により講じなければならない措置は、次の各号に定めるところによる。

一 放射線障害又は放射線障害を受けたおそれの程度に応じ、使用施設、詰替施設、貯蔵施設及び廃棄施設に立ち入る時間を短縮し、若しくはこれらに立ち入ることを禁止し、又は放射線(百万電子ポルト未満のエネルギーを有する電子線及びエックス線を含む。)に被ばくするおそれが少い業務に配置転換すること。

二 放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者に対し、保健指導を行うこと。

第5節 記帳

(記帳)

第17条 法第25条第1項又は第2項の規定により使用者又は販売業者が備えるべき帳簿に記載しなければならない事項の細目は、次の各号に定めるところによる。

一 放射性同位元素の使用、保管又は廃棄に関する事項については、次によるものとする。

イ 使用又は廃棄の年月日

ロ 保管の期間

ハ 使用、保管又は廃棄に係る放射性同位元素の種類及び数量

ニ 使用の目的

ホ 使用、保管又は廃案の方法

ヘ 使用、保管又は廃棄の場所

ト 使用、保管又は廃棄に従事する者の氏名

二 放射性同位元素装備機器又は放射線発生装置使用に関する事項については、次によるものとする。

イ 使用の年月日

ロ 使用に係る放射性同位元素装備機器又は放射線発生装置の種類

ハ 使用の目的及び方法

ニ 使用の場所

ホ 位用に従事する者の氏名

三 放射性同位元素によって汚染された物の廃棄に関する事項については、次によるものとする。

イ 廃棄の年月日

ロ 廃棄に係る物の種類及び数量

ハ 廃棄の方法

ニ 廃棄の場所

ホ 廃棄に徒事する者の氏名

四 放射性同位元素の販売に関する事項については、次によるものとする。

イ 仕入又は販売の年月日

ロ 仕入先又は販売先

ハ 仕入又は販売に係る放射性同位元素の種類及び数量

2 法第25条第1項又は第2項の規定により使用者又は販売業者は、1年ごとに、前項に規定する帳簿を閉鎖しなければならない。

3 法第25条第3項の規定による帳簿の保存の期間は、前項に規定する帳簿の閉鎖後5年間とする。

第6節 使用の廃止等

(使用の廃止等の届出)

第18条 法第27条第1項の規定による届出は、使用又は販売の業の廃止の日から30日以内に許可証を添えてしなければならない。

2 法第27条第3項の規定による届出は、死亡又は解散の日から30日以内に許可証を添えてしなければならない。ただし、相続人に代って相続財産を管理する者又は清算人若しくは破産管財人の選任に相当の日数を要する場合その他30日以内に届け出ることが極めて困難である場合には、その困難な理由が消滅した日から30日以内とする。

3 前2項の出に係る書面は、それぞれ別記様式第七、別記様式第八によるものとする。

4 第1項又は第2項の届出に係る書面の提出部数は、それぞれ正本1通及び副本2通とする。

(許可の取消、使用の廃止等に伴う措置)

第19条 法第28条第1項に規定する者は、第13条第2項第五号及び第15条第1項第二号の記録を科学技術庁長官が指定する機関に引き渡さなければならない。

2 前項に規定する引渡は、許可の取消、使用若しくは販売の業の廃止又は死亡若しくは解散の日から30日以内にしなければならない。ただし、相続人に代って相続財産を管理する者又は清算人若しくは破産管財人の選任に相当の日数を要する場合その他30日

以内に引き渡すことが極めて困難である場合には、その困難な理由が消滅した日から30日以内とする。

3 法第28条第2項の報告に係る書面は、別記様式第九によるものとする。

4 前項の報告に係る書面の提出部数は、正本及び副本1通とする。

(譲渡及び譲受の制限)

第20条 法第29条第四号又は第五号の規定による放射性同位元素の譲渡は、同条第四号の規定による譲渡にあっては許可の取消の日、同条第五号の規定による譲渡にあっては使用又は販売の業の廃止の日から30日以内にしなければならない。

2 法第29条第六号の規定による放射性同位元素の譲渡は、死亡又は解散の日から30日以内にしなければならない。ただし、相続人に代って相続財産を管理する者又は清算人若しくは破産管財人の選任に相当の日数を要する場合その他30日以内に譲り渡すことが極めて困難である場合には、その困難な理由が消滅した日から30日以内とする。

(所持の制限)

第21条 法第30条第二号又は第三号の規定により放射性同位元素を所持することができる期間は、許可の取消又は使用若しくは販売の業の廃止の日から30日とする。

2 法第30条第四号の規定により放射性同位元素を所持することができる期間は、死亡又は解散の日から30日とする。ただし、相続人に代って相続財産を管理する者又は清算人若しくは破産管財人の選任に相当の日数を要する場合その他30日以内に法第28条第1項の規定により放射性同位元素を譲り渡し、又は破棄することが極めて困難である場合には、その困難な理由が消滅した日から30日とする。

第7節 危険時の措置

(危険時の措置)

第22条 使用者及び販売業者並びにこれらの者から運搬を委託された者が、法第33条第1項の規定により講じなければならない応急の措置は、次の各号に定めるところによる。

一 使用施設、詰替施設、貯蔵施設又は廃棄施設に火災が起り、又はこれらの施設に延焼するおそれがある場合には、消火又は延焼の防止に努めるとともに直ちにその旨を消防吏員に通報すること。

二 放射性同位元素又は放射性同位元素装備機器を他の場所に移す余裕がある場合には、必要に応じてこれを安全な場所に移し、その場所の周囲にはなわ張り、標識等を設け、かつ、見張人をつけることにより、関係者以外の有が立ち入ることを禁止すること。

三 放射線障害の発生を防止するため必要がある場合には、使用施設、詰替施設、貯蔵施設又は廃棄施設の内部にいる者及び附近にいる者に避難するよう警告すること。

四 放射性同位元素による汚染が生じた場合には、すみやかに、そのひろがりの防止及び除去を行うこと。

五 放射線障害を受けた者又は受けたおそれのある者がいる場合には、すみやかに救出し、避難させる等緊急の措置を講ずること。

六 その他放射線障害を防止するために必要な措置を講ずること。

第3章 放射線取扱主任者の選任等

(放射線取扱主任者等の選任)

第23条 使用者及び販売業者が法第34条第1項の規定により選任しなければならない放射線取扱主任者の数は、1工場若しくは1事業所又は1販売所につき少くとも1人とする。法第37条第1項の規定により

選任しなければならない放射線取放主任者の代理者の数も、同様とする。

2 法第34条第1項の規定による選任は、放射性同位元素、放射性同位元素装備機器若しくは放射線発生装置の使用又は放射性同位元素の販売の業を開始するまでにしなければならない。

(放射線取扱主任者の選任等の届出)

第24条 法第34条第2項の放射線取扱主任者の選任及び解任の届出に係る書面は、別記様式第十によるものとする。

2 前項の届出に係る書面の提出部数は、それぞれ正本1通及び副本2通とする。

(放射線取扱主任者の代理者の選任等の届出)

第25条 法第37条第3項の放射線取扱主任者の代理者の選任及び解任の届出に係る書類は、別記様式第十一によるものとする。

2 前項の届出に係る書面の提出部数は、それぞれ正本1通及び副本2通とする。

3 放射線取扱主任者が職務を行うことができない期間が30日にみたない場合には、法第37条第3項に規定する届出を要しない。

第4章 雑則

(標識)

第26条 令第8条第1項第六号、第八号ホ、第九号ホ及び第十号、令第9条第七号、第八号ニ及び第九号、令第10条第二号ハ及びホ、第三号ロ、第五号ニ及びホの規定による標識の形状及びこれを附する箇所は、別表のとおりとする。

(収去証)

第27条 法第43条第2項の規定により放射線検査官が放射性同位元素又は放射性同位元素によって汚染された物を収去するときは、収去された者に収去証を交付しなければならない。

(放射線検査官の身分を示す証明書)

第28条 法第43条第3項の放射線検査官の身分を示す証明書は、別記様式第十二によるものとする。

附則

1 この府令は、昭和33年4月1日から施行する。

2 法附則第3項の届出に係る書面は、別記様式第十三によるものとする。

3 前項の届出に係る書類の提出部数は、正本及び副本1通とする。

4 法附則第4項の規定による放射件同位元素の譲渡、放射性同位元素による汚染の除去又は放射性同位元素若しくは放射性同位元素によって汚染された物の廃棄は、法附則第3項の届出をした日又は法第3条第1項若しくは法第4条第1項の規定により不許可の処分を受けた日から30日以内にしなければならない。

5 法附則第4項に規定する者は、同項の規定により講じた措置をすみやかに科学技術庁長官に報告しなければならない。

6 前項の報告に係る書面は、別記様式第十四によるものとする。

(別記) 

様式第一





様式第二




様式第三


様式第四


様式第五


様式第六


様式第七



様式第八


様式第九


様式第十



様式第十一



様式第十二


様式第十三


様式第十四


別表