核燃料物質の所有方式


 原子力委員会においてはかねて懸案の核燃料所有方式について検討をかさねてきたが、4月4日開催の第14回定例会議において、しばらくの間は原則として民間の所有を認めないが、内外における諸条件が整うに従い、民間の所有を考慮することを決定した。
 これにさきだち、1日原子力委員会は、自民党有志議員および原子力産業界との懇談会を開催したが、この会合においても、暫定的に原則として民間の所有を認めないとの結論に達したものである。原子力委員会の決定は次のとおりである。

核燃料物質の所有方式について

核燃料物質は「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」によって規制されるが、その運用にあたって核燃料物質の所有方式をいかにするかは重要な問題である。原子力委員会は世界各国のこれに関する実情等をも勘案の上、慎重検討の結果、平和利用の保障及び安全の確保に対する政府の責任上の見地ならびに国民感情に対する考慮等から下記の方針によることが適切であるとの結論を得た。

 記

一 核燃料物質は、しばらくの間は原則として民間にその所有を認めないこと。

一 ただし、内外における諸条件が整うに従い、民間の所有を考慮すること。

 なお、上記決定は、原子力委員会設置法第3条の規定に基き、内閣総理大臣に報告された。