原子燃料専門部会

第2回

日時 昭和33年3月3月(火)午後2時〜5時

場所 人事院ビル 原子力委員会会議室

出席者 石川原子力委員会委員、三島部会長、
      今井、岩瀬、大山、小川、小野(飯塚)、川崎、川村、
      小崎、鈴木(菊池)、久野各委員
      佐々木局長、法貴局次長、藤波、井上、亘理その他関係官

議題

1.原子燃料公社精錬パイロットプラント建設業務に関する進捗状況報告
2.国産1号炉燃料加工研究計画(その1)国産1号炉燃料加工試験の現状報告
3.その他

配布資料

原子燃料公社精錬パイロットプラント建設計画(原子燃料公社)

国産1号炉燃料加工試験の現状報告(日本原子力研究所)

天然ウラン燃料要素製造の研究、最近の経過(住友金属工業)

国産1号炉燃料加工の進捗状況(日立製作所)

議事概要
 前回の議事録の承認が行われた後原子燃料公社精錬パイロットプラント建設業務の進捗状況について今井委員から設明があった。これは第1回部会において原子燃料公社の精製還元のテストプラントに関する技術を導入することを決定したが、その後32年末さらに職員を米国へ派遣して具体的な打合せを行い、33年初めから建設計画を立てている。今回はその後の進捗状況の報告を行うこととしたものである。
 ここでウラン等の分析、品質検定等の重要性について次の発言があった。

 石川委員:分析はあらゆるものの基本であるから、優秀な機器を備え、人を海外に派遣して分析技術の養成をはからなければならない。

 三島部会長:分析問題を討議する細織が必要だ。

 岩瀬委員:補助金交付の際、分析にも金を出すべきである。

 佐々木局長:各国の燃料の検査方式を調査すべきだ。
 32年11月フランスから天然ウラン1トンが輸入されたが、これらによって初めて原子燃料の加工試験ができるようになり、日本原子力研究所、住友金属工業(株)および(株)日立製作所におけるそれぞれの分担している加工試験が実施されつつある。
 今回はその第1回として今まで行われている試験の概要の報告を行うこととしたが、今後も試験の進捗にともなって国産燃料加工に関する研究計画を討議していく予定である。


 国産1号炉燃料加工試験の現状報告

日本原子力研究所  川崎 委員
住友金属工業(株)  小崎 委員
(株)日立製作所    飯塚 氏

工場視察の件
 藤波幹事からの提案により3月16日以後数日間、名古屋、関西方面の工場視察を行うことを決定。

部会委員増員の件
 藤波幹事から昭和33年度原子力委員会専門委員の定員増加にともない、本部会の増員あるいは別な専門部会の設置に関し各委員の意見あるいは案の提示方を依頼し、これに対して三島参与ほか、二、三の委員から専門部会とするか否かは別として燃料検定を中心とする問題を取りあげるべきではないかとの意見が出たが、これは燃料公社の精製還元のテストプラントの操業開始後に考慮することとなった。
 その他さらに次のような発言があった。

 大山委員:燃料サイクルを含めた燃料長期計画を作成する必要があるのではないか。

 小川委員:燃料管理はどうなっているか。

 これに対して佐々木局長から国会、原子力委員会における現状の説明があった。

 三島部会長:燃料の調査団を33年度中に出さねばならないと思う。そのための準備として国内外の技術的な問題点をよく追究するための勉強会を早急に組織しておくべきではないか。