実用原子炉に関する乙種技術導入について

 原子力委員会においては、実用原子炉に関する乙種技術導入の一般方針を検討中であったが12月18日第49回定例会議において次のごとく決定した。
 これは最近原子炉の設計、製作、建設等について、民間企業の間に技術導入の動きが活発化する見通しであるが、これに対し、原子力委員会は、現段階において原子炉の製造もしくは生産に直接結びつく技術導入は時期尚早であるとし、主として原子力の研究開発の促進に有効と認められる情報、資料、図面等の導入を対象とする乙種技術援助契約の認可基準の一般的方針を定めたものである。

実用原子炉に関する乙種技術導入について

実用原子炉に関する技術導入のうち、いわゆる乙種に属するものであって、下記の各号に適合するものは、その導入を認めることが適当であると考える。


(イ) 導入される技術が今後国内における研究開発を進めていく上に有効と認められるものであること。
(ロ) 対価が妥当であること。
(ハ) 受入者の技術水準が導入される技術を消化するに十分であること。
(ニ) (1)製作図面、(2)製造のための冶工具資料、(3)製造設備に関する資料等が対象となる場合は直接生産を前提としたものでないことが明らかであること。


 技術援助契約の種類には甲種技術援助契約と乙種技術援助契約の2種類があり、〔外資に関する法律(昭和25年5月10日公布法律第163号)第10衆参照〕甲種技術援助契約とは、「技術援助契約でその期間又はその対価の支払の期間が1年を超えるもののうちその対価を外国へ向けた支払により受領しようとするもの」であり、乙種技術援助契約とは、「甲種技術援助契約以外の技術援助契約」である。