放射線医学総合研究所の歩み

 本年7月1日発足以来、研究態勢の整備につとめてきた放射線医学総合研究所も、既報のとおり、11月11日衆参両院本会議において設置場所を千葉市に変更することが正式に承認され、いよいよ建設に踏み出すこととなったが、その際、衆議院科学技術振興対策特別委員会において、つぎのような附帯決議が行われた。

附帯決議

 放射線医学総合研究所の研究事項中、原子炉等と密接な連携を要するものがあるにかんがみ、政府は、本研究所の設置又は運営に当り、その施設の一部を茨城県東海村に設置するよう、すみやかに措置すべきである。
 右決議する。

 これについては、早速慎重に考慮して、適切な措置を講ずるよう関係者間において、具体的検討を開始している。 一方、敷地変更にともなう種々の折衝が関係官公庁間に進められているが、32年度実行予算の一部改訂が大蔵省との間に行われ、総予算430百万円(うち国庫債務負担348百万円)で、大要つぎのような建設計画を決定した。

  本部棟 300坪
  訓練・技術棟 300坪
  食堂・講堂 240坪
  研究棟1,400〜1,500坪
  ボイラー室 90坪
  変電所 55坪
  X線棟 240〜250坪

  このほか、コバルト60照射装置を設置するRI棟700〜800坪については、なお折衝を続けている。
 これら建物の設計については、放射線医学総合研究所側からの依頼にもとづいて建設省関東地方建設局において担当し、工事着工を明年4月に予定している。工期8ヵ月(本部棟、訓練・技術棟、食堂・講堂などは6ヵ月)で、明年9、10月には一部建物が完成し、12月には研究棟もでき上るので、そのころまでには新庁舎において業務が開始できるはずである。
 人員整備も各研究室長が決定し、研究員も充員されつつあり、定期的に、また、随時、業務打合せ会を開始し、平常は既存試験研究機関において所定の研究を実施している。