原子燃料専門部会答申事項について

 原子燃料専門部会はすでに去る8月初旬各委員発令予定者の出席を求めて当面の第一テーマである「原子燃料公社精錬パイロットプラントの精錬方式」について予備的な会合を開いたが、さらに9月10日第1回の原子燃料専門部会を開催した。この結果かねてから問題になっていた原子燃料公社の精錬技術の導入の決定をなし、また同時に専門部会の審議テーマ追加などについて次のような答申が三島部会長から正力委員長あて9月12日付でなされた。

原子燃料専門部会答申事項について

 昭和32年9月10日に開催された原子燃料専門部会の審議終了事項について答申いたします。
 原子燃料公社精錬パイロットプラントの精錬方式については、現在米国オークリッヂ国立研究所において開発試験中のウラン精錬方式を採用し、金属ウラン30kg/日規模のパイロットプラントを建設するという公社の計画案は適当である。
 なお、上記の審議と関連して次の2点についても検討が行われたので、その結論をあわせて報告いたします。

1. 本部会の当面のテーマとして原子燃料の加工についても並行的に取り上げるよう原子力委員会に要望する。

2. 民間企業の製錬についても意見の交換が行われたが、本件は公社の製錬方式とは切り離し、ウラン製錬に関する民間企業全般の政策的問題としてまず原子力委員会において審議することを要望する。

 原子力委員会においては、9月13日開催の第37回定例会議においてこの答申書を検討審議した結果、原子燃料公社精錬技術について本答申のとおり決定した。
 また9月20日開催の第38回定例会議においては、下記「原子燃料専門部会審議テーマ追加について」説明を聴き、了承した。

原子燃料専門部会審議テーマ追加について

 本部会では当面の審議テーマのうち(1)公社が32年度に建設すべき精錬パイロットプラントの精錬方式については、審議を終了したが、さらに燃料加工について次のようなテーマを追加したい。

 「燃料要素の加工に関する試験研究促進についての方針の検討」

 提出理由は、燃料要素の加工については (a)熔解、造塊および合金 (b)研削加工 (c)焼結型燃料(たとえばペレット)の製造 (d)被覆などの諸工程があり、今後国内技術の試験研究促進上必要を生じた場合に、これらの問題について審議検討することが必要である。