国際原子力機関憲章

第1条 機関の設立

 この憲章の当事国は、以下に定める条件に基き国際原子力機関(以下「機関」という。)を設立する。

第2条 目   的

 機関は、全世界における平和、保健及び繁栄に対する原子力の貢献を促進し、及び増大するように努力しなければならない。機関は、できる限り、機関がみずから提供し、その要請により提供され、又はその監督下若しくは管理下において提供された援助がいずれかの軍事的目的を助長するような方法で利用されないことを確保しなければならない。

第3条 任   務

A 機関は、次のことを行う権限を有する。

1 全世界における平和的利用のための原子力の研究、開発及び実用化を奨励しかつ援助し、要請を受けたときは、機関のいずれかの加盟国による他の加盟国のための役務の実施又は物質、設備及び施設の供給を確保するため仲介者として行動し、並びに平和的目的のための原子力の研究、開発又は実用化に役だつ活動又は役務を行うこと。

2 平和的目的のための原子力の研究、開発及び実用化(電力の生産を合む。)の必要を満たすため、世界の低開発地域におけるその必要に妥当な考慮を払った上で、この憲章に従って、物質、役務、設備及び施設を提供すること。

3 原子力の平和的利用に関する科学上及び技術上の情報の交換を促進すること。

4 原子力の平和的利用の分野における科学者及び専門家の交換及び訓練を奨励すること。

5 機関がみずから提供し、その要請により提供され、又はその監督下若しくは管理下において提供された特殊核分裂性物質その他の物質、役務、設備、施設及び情報がいずれかの軍事的目的を助長するような方法で利用されないことを確保するための保障措置を設定し、かつ、実施すること並びに、いずれかの二国間若しくは多数国間の取極の当事国の要請を受けたときは、その取極に対し、又はいずれかの国の要請を受けたときは、その国の原子力の分野におけるいずれかの活動に対して、保障措置を適用すること。

6 国際連合の権限のある機関及び関係専門機関と協議し、かつ、適当な場合にはそれらと協力して、健康を保護し、並びに人命及び財産に対する危険を最小にするための安全上の基準(労働条件のための基準を含む。)を設定し、又は採用すること、機関みずからの活動並びに機関がみずから提供し、その要請により提供され、又はその管理下若しくは監督下において提供された物質、役務、設備、施設及び情報を利用する活動に対して、前記の基準が適用されるように措置を執ること並びに、いずれかの二国間若しくは多数国間の取極の当事国の要請を受けたときは、その取極に基く活動に対し、又はいずれかの国の要請を受けたときは、その国の原子力の分野におけるいずれかの活動に対して、前記の基準が適用されるように措置を執ること。

7 関係地域で機関が利用しうる施設、工場及び設備が不適当であるか、又は機関の不満足であると考える条件によるほか利用しえないときはいつでも、機関が認められた任務を遂行するため必要な施設、工場及び設備を取得し、又は設置すること。

B 機関は、その任務を遂行するため、次のことを行うものとする。

1. 平和及び国際協力を助長する国際連合の目的及び原則に従い、並びに保障された世界的軍備縮小の確立を促進する国際連合の政策及びその政策に従って締結されるすべての国際協定に従って、機関の事業を行うこと。

2 機関が受領する特殊核分裂性物質の利用につき、それらの物質が平和的目的にのみ利用されることを確保するため、管理を設定すること。

3 機関の資源を、世界の低開発地域における特別の必要を考慮した上で、世界のすべての地域における効果的な利用及び最大限の一般的利益を確保するような方法により、配分すること。

4 機関の事業に関する報告を毎年国際連合総会に提出し、かつ、適当な場合には、安全保障理事会に提出すること。機関の事業に関して安全保障理事会の権限内の問題が生じたときは、機関は、国際の平和及び安全のこ維持に関する主要な責任を負う機関である安全保障理事会に通告するものとし、また、この憲章に基き機関にとって可能な措置(第12条Cに定める措置を含む。)を執ることができる。

5 国際連合の経済社会理事会その他の機関に対し、それらの機関の権限内の事項に関し、報告を提出すること。

C 機関は、その任務を遂行するに当り、加盟国に対し、この憲章の規定と両立しない政治上、経済上、軍事上その他の条件による援助を行ってはならない。

D 機関の事業は、この憲章の規定及びいずれかの国又は一群の国と機関との間で締結され、かつ、この憲章の規定に合致する諸協定の条項に従うことを条件として、諸国の主権に対して妥当な尊敬を払って実施しなければならない。

第4条 加盟国の地位

A 機関の原加盟国は、この憲章が署名のため開放されてから90日以内にこの憲章に署名した国際連合又はいずれかの専門機関の加盟国で、批准書を寄託したものとする。

B 機関の他の加盟国は、国際連合又はいずれかの専門機関の加盟国であるかどうかを問わず、機関の加盟国としての地位を理事会の勧告に基き総会により承認された後に、この憲章の受諾書を寄託する国とする。理事会及び総会は、いずれかの国を加盟国として勧告し、及び承認するに当り、当該国が機関の加盟国としての義務を履行する能力及び意思を有することを、国際連合憲章の目的及び原則に従って行動することについてのその国の能力及び意思に妥当な考慮を払った上で、決定しなければならない。

C 機関は、すべての加盟国の主権平等の原則に基礎をおくものとし、すべての加盟国は、加盟国としての地位から生ずる権利及び利益をすべての加盟国に確保するため、この憲章により加盟国が負う義務を誠実に履行しなければならない。

第5条 総   会

A すべての加盟国の代表者からなる総会は、年次通常会期において、また、理事会の要請又は加盟国の過半数の要請により事務局長が招集すべき特別会期において、会合する。それらの会期は、総会が別段の決定を行わない限り、機関の本部で開催される。

B 前記の会期において、各加盟国は、1人の代表を出すものとし、代表は、代表代理及び顧問を伴うことができる。代表団の出席の費用は、当該加盟国が負担する。

C 総会は、各会期の初めに、議長及び必要とされる他の役員を選出する。それらの者は、その会期中、その職にあるものとする。総会は、この憲章の規定に従うことを条件として、総会の手続規則を採択する。各加盟国は、1個の投票権を有する。第14条H、第18条C及び第19条Bの規定による決定は、出席しかつ投票する加盟国の3分の2の多数により行う。他の問題についての決定(3分の2の多数により決定されるべき新たな問題又は問題の部類の決定を含む。)は、出席しかつ投票する加盟国の過半数により行う。加盟国の過半数をもって、定足数とする。

D 総会は、この憲章の範囲内の問題若しくは事項又はこの憲章に定めるいずれかの機関の権能及び任務に関する問題若しくは事項を討議することができ、かつ、それらの問題又は事項につき、機関の加盟国若しくは理事会又はその双方に対し、勧告を行うことができる。

E 総会は、次のことを行うものとする。

1 第6条の規定に従って、理事国を選出すること。

2 第4条の規定に従って、諸国の加盟を承認すること。

3 第19条の規定に従って、いずれかの加盟国の加盟国としての特権及び権利を停止すること。

4 理事会の年次報告を審議すること。

5 第14条の規定に従って、理事会が勧告する機関の予算を承認し、又はその予算の全部若しくは一部についての勧告を附して、総会への再提出のため、理事会に返却すること。

6 第12条Cにいう報告を除くほか、機関と国際連合との関係に関する協定に従って国際連合に提出すべき報告を承認し、又は総会の勧告を附して、理事会に返却すること

7 機関と国際連合又は他の機関との間の第16条に定める協定を承認し、又は総会の勧告附して、総会への再提出のため、理事会に返却すること。

8 第14条Gの規定に従って、理事会の借入権能の行使に関する規則及び制限を承認し、並びに機関に対する任意の拠出の受諾に関する規則を承認し、並びに、第14条Fの規定に従って、同条Fにいう一般資金の使用方法を承認すること。

9 第18条Cの規定に従って、この憲章の改正を承認すること。

10 第7条Aの規定に従って、事務局長の任命を承認すること。

F 総会は、次の権限を有する。

1 決定のため理事会が特に総会に付託したすべての事項につき、決定を行う権限

2 理事会の審議事項を提案し、及び理事会に対し、機関の任務に関するいずれかの事項についての報告を要請する権限

第6条 理 事 会

A 理事会は、次のとおり構成される。

1 任期の終了する理事会(又は第1回理事会の場合には、附属書Iにいう準備委員会)は、理事国として原子力に関する技術(原料物質の生産を含む。)の最も進歩した5加盟国及び、次の地域のうちこれらの5加盟国によって代表されていない地域のそれぞれにおいて、原子力に関する技術(原料物質の生産を含む。)の最も進歩した各1加盟国を指定する。

(1)北アメリカ

(2)ラテン・アメリカ

(3)西ヨーロッパ

(4)東ヨーロッパ

(5)アフリカ及び中東

(6)南アジア

(7)東南アジア及び太平洋

(8)極東

2 任期の終了する理事会(又は第1回理事会の場合には、附属書Iにいう準備委員会)は、理事国として、原料物質の他の生産国であるベルギー、チェッコスロヴァキア、ポーランド及びポルトガルのうちから2加盟国並びに技術援助の提供国として他の1加盟国を指定する。いずれかの1年間この部類に属した加盟国は、次の年に同じ部類で再指定される資格を有しない。

3 総会は、理事国として、A1に掲げる地域における加盟国が理事会全体として公平に代表されるように妥当な考慮を払った上で、理事会がその各地域(北アメリカを除く。)の1代表者をこの部類において常に含むように、10加盟国を選出するものとする。Dの規定に従って1年の任期をもって選出される5加盟国を除くほか、いずれかの一任期においてこの部類に属した加盟国は、次の任期に同じ部類で再選される資格を有しない。

B A1及びA2に定める指定は、総会の各年次通常会期の60日以前に行うものとする。A3に定める選挙は、総会の年次通常会期において行うものとする。

C A1及びA2の規定に従い理事会において代表される加盟国は、その指定に続く総会の年次通常会期の終りから、その次の総会の年次通常会期の終りまでを、任期とする。

D A3の規定に従い理事会において代表される加盟国は、自国が選出された総会の年次通常会期の終りから、その後の2回目の総会の年次通常会期の終りまでを、任期とする。ただし、第1回理事会のための理事国の選挙においては、5国は、1年を任期として選出するものとする。

E 各理事国は、1個の投票権を有する。機関の予算額の決定は、第14条Hに定めるところに従い、出席しかつ投票する理事国の3分の2の多数により行う。他の問題に関する決定(3分の2の多数により決定されるべき新たな問題又は問題の部類の決定を含む。)は、出席しかつ投票する理事国の過半数により行う。全理事国の3分の2をもって、定足数とする。

F 理事会は、この憲章に定める総会に対する責任に従うことを条件として、この憲章に従い、機関の任務を遂行する権限を有する。

G 理事会は、みずから決定する時に会合する。その会合は、理事会が別段の決定を行わない限り、機関の本部で行う。

H 理事会は、理事のうちから議長及び他の役員を選出するものとし、また、この憲章の規定に従うことを条件として、理事会の手続規則を採択するものとする。

I 理事会は、適当と認める委員会を設けることができる。理事会は、他の機関との関係において理事会を代表すべき者を任命することができる。

J 理事会は、機関の諸事項及び機関により承認されたすべての計画に関し、総会に対する年次報告を作成するものとする。理事会は、また、国際連合又は機関の活動と関連のある活動を行う他の機関に対して機関が提出するように要請されている、又は要請されることのある報告を、総会に提出するため、作成するものとする。これらの報告は、年次報告とともに、総会の年次通常会期の少くとも1箇月前に、機関の加盟国に提出するものとする。

第7条 職   員

A 機関の職員の長は、事務局長とする。事務局長は、理事会が、総会の承認を得て、4年を任期として任命する。事務局長は、機関の首席行政官とする。

B 事務局長は、職員の任命、組織及び職務の執行に対して責任を負うものとし、かつ、理事会の権威及び管理の下にあるものとする。事務局長は、理事会が採択する規則に従って、自己の任務を遂行するものとする。

C 職員には、機関の目的及び任務の遂行のため必要な資格を有する科学上、技術上その他の人員を含むものとする。機関は、その恒久職員を最少数に保たなければならないという原則を指針とするものとする。

D 職員の募集及び雇用並びに勤務の条件の決定に際しては、最高水準の能率、技術的能力及び誠実性を有する被用者を確保することに、最大の考慮を払うものとする。この考慮に従うことを条件として、機関に対する加盟国の寄与に対し、及びできる限り広い地理的基礎によって職員を募集することの重要性に対して、妥当な考慮を払うものとする。

E この憲章の規定及び、理事会の勧告に基き、総会が承認する一般規則に従うことを条件として、職員の任命、報酬及び解雇に関する条件は、理事会が作成する規則に従うものとする。

F 事務局長及び職員は、その任務の遂行に際し、機関以外のいかなるところからも指示を求め、又は受けてはならない。それらの者は、機関の職員としての地位に影響を及ぼすいかなる行動も慎まなければならず、また、機関に対する自己の責任に従うことを条件として、機関に対する自己の公的任務により知るに至った産業上の秘密又は他の機密の情報をもらしてはならない。各加盟国は、事務局長及び職員の責任の国際的性質を尊重することを約束し、また、それらの者が任務を遂行するに当って、それらの者に影響を及ぼそうとしてはならない。

G この条にいう「職員」には、警備員を含む。

第8条 情報の交換

A 各加盟国は、自国の判断により機関にとって有用と考える情報を提供するものとする。

B 各加盟国は、第11条の規定に従って機関により与えられた援助の結果として得られるすべての科学的情報を機関に提供しなければならない。

C 機関は、A及びBの規定により機関に提供された情報を収集整理し、かつ、それを利用しやすい形式で利用に供するものとする。機関は、原子力の性質及び平和的利用に関する情報の加盟国間における交換の奨励のための積極的措置を執るものとし、また、この目的のため、加盟国間の仲介者となるものとする。

第9条 物質の供給

A 加盟国は、自国が適当と考える量の特殊核分裂性物質を、機関が同意する条件で、機関に提供することができる。機関に提供された物質は、提供する加盟国の裁量により、その加盟国が貯蔵し、又は機関の同意を得て、機関の貯蔵所に貯蔵することができる。

B 加盟国は、また、第20条に定める原料物質及び他の物質を機関に提供することができる。理事会は、第13条に定める協定に基き機関が受諾するそれらの物質の量を決定する。

C 各加盟国は、自国のり法律に従って、即時に又は理事会が指定する期間内に提供する用意のある特殊核分裂性物質、原料物質及び他の物質の量、形状及び組成を機関に通告しなければならない。

D 加盟国は、機関の要請を受けたときは、自国が提供した物質のうちから、機関が指定する物質を、機関が指定する量だけ、他の加盟国又は加盟国群に遅滞なく引き渡さなければならず、また、機関の施設における作業及び科学的研究のため実際に必要な物質を、実際に必要な量だけ、機関自体に遅滞なく引き渡さなければならない。

E 加盟国が提供した物質の量、形状及び組成は、理事会の承認を得て、当該加盟国がいつでも変更することができる。

F Cの規定による最初の通告は、この憲章が当該加盟国について効力を生じた日から3箇月以内に行わなければならない。理事会が別段の決定を行わない限り、最初に提供される物質は、この憲章が当該加盟国について効力を生じた年に続く暦年による1年の期間に対するものとする。その後の通告も、同様に、理事会が別段の措置を執らない限り、通告が行われた年に続く暦年による1年の期間に関するものとし、また、各年の11月1日以前に行わなければならない。

G 機関は、加盟国が機関に対し提供する用意があると通告した量の物質のうち、機関が引渡を要請した物質の引渡の場所及び方法並びに、適当な場合には、その物質の形状及び組成を指定するものとする。機関は、また、引き渡された物質を検量しなければならず、かつ、そのように引き渡された物質の量を、定期的に、すべての加盟国に報告しなければならない。

H 機関は、その所持する物質の貯蔵及び保護の責任を負うものとする。機関は、それらの物質が、(1)天候による障害、(2)許可を得ていない移動又は転用、(3)破損又は破壊(サボタージュを含む。)及び(4)強制的差押から守られることを確保しなければならない。機関は、その所持する特殊核分裂性物質を貯蔵するに当り、その物質が多量にいずれかの国又は世界の一地域に集中しないように、その物質の地理的配分を確保しなければならない。

I 機関は、できる限りすみやかに、次のもののうち必要となるものを設置し、又は取得しなければならない。

1 物質の受入、貯蔵及び送出のための工場、設備及び施設

2 物理的保障手段

3 十分な保健上及び安全上の手段

4 受領された物質の分析及び検量のための管理試験所

5 1から4まのでに掲げるもののため必要な職員のための住居及び行政上の施設

J この条の規定に従って提供された物質は、この憲章の規定に基き理事会が決定するところに従って、利用されるものとする。いずれの加盟国も、自国が機関に提供する物質を機関が別個に保管するように要求する権利又はその物質が利用されるべき特定の計画を指定する権利を有しないものとする。

第10条 役務、設備及び施設

 加盟国は、機関に対し、機関の目的及び任務の遂行に役だつ役務、設備及び施設を提供することができる。

第11条 機関の計画

A 機関のいずれかの加盟国又は加盟国群は、平和的目的のための原子力の研究、開発又は実用化の計画を設定することを希望するときは、このため必要な特殊核分裂性物質及び他の物質、役務、設備並びに施設の確保に当って、機関の援助を要請することができる。この要請には、計画の目的及び範囲の説明を添えるものとし、理事会は、その要請を検討するものとする。

B 機関は、また、要請を受けたときは、いずれかの加盟国又は加盟国群が前記の計画を遂行するため必要な融資を外部から確保するように取りきめることについて、援助することができる。この援助の供与に当っては、機関は、その計画のために、いかなる担保の提供又は財政的責任の負担をも要求されないものとする。

C 機関は、要請を行った加盟国の希望を考慮した上、前記の計画のため必要な物質、役務、設備及び施設が、1若しくは2以上の加盟国により供給されるように取り計らうことができるものとし、又は機関が、みずから、それらのもののいずれか若しくはすべてを直接に提供することを引き受けることができる。

D 機関は、前記の要請を検討するため、計画を審査する資格を有する者を、その要請を行った加盟国又は加盟国群の領域内に送ることかできる。この目的のため、機関は、その要請を行った加盟国又は加盟国群の承認を得て、機関の職員を使用し、又はいずれかの加盟国の国民で適当な資格を有するものを雇用することができる。

E 理事会は、この条の規定に基く計画を承認する前に、次の事項に妥当な考慮を払うものとする。

1 計画の有用性(その科学的及び技術的実行可能性を含む。)

2 計画の効果的な実施を確保するための企画、資金及び技術要員の妥当性

3 物質の取扱及び貯蔵のため並びに施設の運用のための提案された保健上及び安全上の基準の妥当性

4 要請を行った加盟国又は加盟国群の必要な資金調達、物質、施設、設備及び役務を確保することについての能力の不足

5 機関が利用しうる物質及び他の資源の公平な配分

6 世界の低開発地域における特別の必要

7 その他関係のある事項

F 機関は、計画を承認したときは、その計画を提出した加盟国又は加盟国群と協定を締結するものとし、その協定は、次のことを定めるものとする。

1 必要な特殊核分裂性物質及び他の物質の計画への割当

2 特殊核分裂性物質のその時の保管(機関により保管されているか、又は機関の計画への利用のため提供する加盟国により保管されているかを問わない。)の場所から、計画を提出した加盟国又は加盟国群への、必要な積送の安全を確保し、かつ、妥当な保健上及び安全上の基準に合致する条件の下における移転

3 機関がみずからいずれかの物質、役務、設備及び施設を提供するときは、その提供の条件(料金を含む。)並びに、いずれかの加盟国がそれらの物質、役務、設備及び施設を供給するときは、計画を提出した加盟国又は加盟国群と供給国とが取りきめる条件

4 (a)提供される援助が、いずれかの軍事的目主を助長するような方法で利用されないこと及び(b)計画が第12条に定める保障措置(関係保障措置は、協定中に明記するものとする。)に従うべきことについて、計画を提出した加盟国又は加盟国群が行う約束

5 計画から生ずる発明若しくは発見又はその発明若しくは発見に関する特許についての機関及び関係加盟国の権利及び利益に関する適当な規定

6 紛争の解決に関する適当な規定

7 その他の適当な規定

G この条の規定は、また、適当な場合には、既存の計画に関する物質、役務、施設又は設備に対する要請にも適用される。

第12条 機関の保障措置

A 機関は、機関のいずれかの計画に関し、又は、他の取極の関係当事国が機関に対して保障措置の適用を要請する場合に、その取極に関し、その計画又は取極に関連する限度において、次のことを行う権利及び責任を有する。

1 専門的設備及び施設(原子炉を含む。)の設計を検討すること並びに、その設計が軍事的目的を助長するものでなく、妥当な保健上及び安全上の基準に合致しており、かつ、この条に定める保障措置を実効的に適用しうるものであることを確保するという見地からのみ、その設計を承認すること。

2 機関が定める保健上及び安全上の措置の遵守を要求すること。

3 前記の計画又は取極において使用され、又は生産される原料物質及び特殊核分裂性物質の計量性の確保に役だつ操作記録の保持及び提出を要求すること。

4 経過報告を要求し、及び受領すること。

5 照射を受けた物質の化学処理のため用いられる方法を、その化学処理が物質の軍事的目的への転用に役だてられるものでなく、かつ、妥当な保健上及び安全上の基準に合致するものであることを確保することのみを目的として、承認すること、回収され又は副産物として生産された特殊核分裂性物質が、関係加盟国の指定する研究のため、又はその指定する既存の若しくは建設中の原子炉において、継続的に機関の保障措置の下で、平和的目的に利用されるように要求すること並びに回収され又は副産物として生産された特殊核分裂性物質で前記の利用のため必要な量をこえる余分のものを、その蓄積を防ぐため、機関に寄託するように要求すること。ただし、機関に寄託されたその特殊核分裂性物質は、その後関係加盟国が要請したときは、前記の規定に基く利用のため、関係加盟国にすみやかに返還されるものとする。

6 機関が関係国と協議の後指定した規察員を受領国の領域に派遣すること。その視察員は、いつでも、供給された原料物質及び特殊核分裂性物質並びに核分裂性生産物の計量のため、並びに第11条F4にいう軍事的目的の助長のために利用しないことについての約束、この条のA2にいう保健上及び安全上の措置並びに機関と関係国との間の協定に定める他のいずれかの条件に対する違反の有無の決定のために必要なすべての場所、資料及び人(この憲章に基き保障措置の適用が要求される物質、設備又は施設に職掌上関係する者)に近づくことができる。機関が指定した視察員は、関係国の要請を受けたときは、自己の職務の執行を遅滞させられ、又は妨げられないことを条件として、その国の当局の代表者を伴わなければならない。

7 違反が存在し、かつ、受領国が要請された是正措置を適当な期間内に執らなかったときは、援助を停止し、又は終止し、並びに当該計画の促進のため機関又は加盟国が提供したいずれかの物質及び設備を撤収すること。

B 機関は、必要な場合には、視察部を設置するものとする。視察部は、機関の承認、監督又は管理を受ける計画に対して適用するために定めた保健上及び安全上の措置に機関が違反していないかどうか、並びに機関が保管し、又はその作業において使用され若しくは生産される原料物質及び特殊核分裂性物質がいずれかの軍事的目的の助長のため使用されることを防止するために、機関が十分な措置を執っているかどうかを決定するため、機関がみずから行うすべての作業を検査する責任を負うものとする。機関は、前記の違反が存在すること又は前記の十分な措置が執られていないことを是正するための改善の措置を直ちに執らなければならない。

C 視察部は、また、この条のA6にいう計量の結果を入手しかつ検認する責任並びに第11条F4にいう約束、この条のA2にいう措置及び機関と関係国との間の協定に定める計画の他のすべての条件に対する違反の有無を決定する責任を負うものとする。視察員は、違反を事務局長に報告しなければならず、事務局長は、その報告を理事会に伝達しなければならない。理事会は、発生したと認める違反を直ちに改善するように受領国に要求しなければならない。理事会は、その違反をすべての加盟国並びに国際連合の安全保障理事会及び総会に報告しなければならない。受領国が適当な期間内に十分な是正措置を執らなかった場合には、理事会は、機関又は加盟国が提供する援助の削減又は停止を命ずる措置並びに受領加盟国又は受領加盟国群に提供された物質及び設備の返還を要求する措置のうちの一方又は双方を執ることができる。機関は、また、第19条の規定に従い、違反を行った加盟国に対し、加盟国としての特権及び権利の行使を停止することができる。

第13条 加盟国に対する償還

 理事会と物質、役務、設備又は施設を機関に提供する加盟国との間に別段の合意がない限り、理事会は、提供される品目の費用の償還を規定する協定をその加盟国と締結するものとする。

第14条 会   計

A 理事会は、機関の費用の年次予算見積を総会に提出するものとする。これに関する理事会の作業を容易にするため、事務局長は、最初に予算見積を準備するものとする。総会は、その見積を承認しなかったときは、勧告を附して、理事会に返却する。この場合には、理事会は、新たな見積を、承認を得るため総会に提出しなければならない。

B 機関の費用は、次の部門に分類するものとする。

1 行政費。これには、次のものを含むものとする。

(a)機関の職員(B2にいう物質、役務、設備及び施設に関連して雇用される職員を除く。)の費用、会議に要する費用並びに機関の計画の準備及び情報の配布のため必要な費用

(b)機関の計画に関して、又は第3条A5の規定によりいずれかの2国間若しくは多数国間の取極に関して、第12条に定める保障措置を実施する費用並びに機関による特殊核分裂性物質の取扱及び貯蔵に要する費用(Eにいう貯蔵及び取扱に要する費用を除く。)

2 機関がその認められた任務を遂行するために取得し、又は設置した物質、施設、工場及び設備に関する費用(1に掲げる費用を除く。)並びに機関が加盟国との協定に基き提供する物質、役務、設備及び施設の費用

C B1(b)の費用を定めるに当り、理事会は、機関と2国間又は多数国間の取極の当事国との間の保障措置の適用に関する協定に基き回収することができる金額を控除するものとする。

D 理事会は、B1に掲げる費用を、総会が定める基準に従って、加盟国に割り当てるものとする。総会は、この基準を定めるに当り、国際連合がその通常予算に対する国際連合の加盟国の分担金の割当の際に採択した原則を指針とするものとする。

E 理事会は、機関が加盟国に提供する物質、役務、設備及び施設の料金(合理的かつ画一的な貯蔵料及び取扱料を含む。)の基準を定期的に定めるものとする。この基準は、B2に掲げる費用(理事会がFの規定に従ってB2の使途に充てることのある任意の拠出を引いたもの)をまかなうために十分な収入を機関にもたらすように作成しなければならない。前記の料金収入は、加盟国が提供したいずれかの物質、役務、設備又は施設に対してその加盟国に支払うため、及び機関がみずから必要のとするB2に掲げる他の費用をまかなうため使用される別個の資金とする。

F Eにいう収入のうち同項にいう費用をこえる金額及び機関に対する任意の拠出は、理事会が総会の承認を得て決定するところに従って使用される一般資金とする。

G 理事会は、総会が承認した規則及び制限に従うことを条件として、機関のために借入権能を行使する権限(ただし、その権限により行われたに借款に関して、機関の加盟国にいかなる責任も負わせてはならない。)を有するものとし、また、機関に対して行われる任意の拠出を受諾する権限を有する。

H 会計上の問題に関する総会の決定及び機関の予算額に関する理事会の決定は、出席しかつ投票する者の3分の2の多数を必要とする。

第15条 特権及び免除

A 機関は、各加盟国の領域内において、機関の任務の遂行のため必要な法律上の能力並びにそのため必要な特権及び免除を享有する。

B 加盟国の代表、代表代理及び顧問、理事会のために任命された理事、その代理及び顧問並びに機関の事務局長及び職員は、機関に関連する自己の任務を独立して遂行するために必要な特権及び免除を享有する。

C この条にいう法律上の能力、特権及び免除は、理事会の指示に従って行動する事務局長によってこの目的のために代表される機関と加盟国との間の別個の1又は2以上の協定において定められるものとする。

第16条 他の機関との関係

A 理事会は、総会の承認を得て、機関と国際連合との間及び機関と他の機関でその業務が機関の業務と関連があるものとの間の妥当な関係を設定する1又は2以上の協定を締結する権限を有する。

B 機関と国際連合との関係を設定する1又は2以上の協定は、次のことを規定するものとする。

1 機関が、第3条B4及び5に定める報告を提出すること。

2 機関が、国際連合の総会又はそのいずれかの理事会により採択された機関に関係のある決議を検討すること並びに、要請を受けたとき、前記の検討の結果機関又は機関の加盟国がこの憲章に従って執った措置について、国際連合の適当な機関に対し、報告を提出すること。

第17条 紛争の解決

A この憲章の解釈又は適用に関する問題又は紛争で交渉によって解決されないものは、関係国が他の解決方法について合意する場合を除くほか、国際司法裁判所規程に従い、国際司法裁判所に付託するものとする。

B 総会及び理事会は、それぞれ、国際連合総会の許可を得ることを条件として、機関の活動の範囲内で生ずる法律上の問題に関して、国際司法裁判所の勧告的意見を要請する権能を与えられる。

第18条 改正及び脱退

A この憲章の改正は、いずれの加盟国も提案することができる。事務局長は、改正案の本文の認証謄本を作成し、かつ、総会によるその審議の少くとも90日前までに、これをすべての加盟国に送付するものとする。

B この憲章の規定の全般的再検討の問題は、この憲章の効力発生後の第5回目の年次総会の会期において、同会期の議事日程に記載するものとする。この再検討は、出席しかつ投票する加盟国の多数決による承認を得たときは、その次の総会において行われる。その後は、この憲章の全般的再検討の問題に関する提案は、同様の手続に従い、総会による決定のため提出することができる。

C 改正は、次の場合において、すべての加盟国につき効力を生ずる。

(i)総会が、各改正案につき理事会が提出する意見を審議した上、 出席しかつ投票する加盟国の3分の2の多数決により承認し、かつ、

(ii) 全加盟国の3分の2が、それぞれ自国の憲法上の手続に従って受諾した場合。加盟国による受諾は、第21条Cにいう寄託国政府への要請書の寄託により行われる。

D 加盟国は、この憲章が第21条Eの規定に従って効力を生じた日から5年後又はその加盟国がこの憲章の改正を受諾することを望まないときはいつでも、第21条Cにいう寄託国政府にあてた書面による脱退通告により、機関から脱退することができるものとし、寄託国政府は、直ちにその旨を理事会及びすべての加盟国に通報しなければならない。

E 加盟国の機関からの脱退は、第11条の規定に従って発生したその加盟国の契約上の義務又は脱退する年についてのその加盟国の財政的義務に影響を及ぼすものではない。

第19条 特権の停止

A 機関の加盟国で機関に対する分担金の支払を滞納しているものは、その滞納金額が当該年度に先だつ2年間に支払うべき分担金の額以上の額となるときは、機関における投票権を失うものとする。もっとも、総会は、支払が行われなかったことがその加盟国にとってやむを得ない事情によると認めるときは、その加盟国に投票することを許することができる。

B この憲章又はこの憲章に従って自国が締結したいずれかの協定の規定に継続して違反した加盟国については、理事会の勧告に基き、出席しかつ投票する加盟国の3分の2の多数決をもって行動する総会が、その加盟国としての特権及び権利の行使を停止することができる。

第20条 定   義

 この憲章において、

1 「特殊核分裂性物質」とは、プルトニウム239、ウラン233、同位元素ウラン235又は233の濃縮ウラン、前記のものの1又は2以上を含有している物質及び理事会が随時決定する他の核分裂性物質をいう。ただし、「特殊核分裂性物質」には、原料物質を含まない。

2 「同位元素ウラン235又は233の濃縮ウラン」とは、同位元素ウラン235若しくは233又はその双方を、同位元素ウラン238に対するそれらの2同位元素の合計の含有率が、天然ウランにおける同位元素ウラン238に対する同位元素ウラン235の率より大きくなる量だけ含有しているウランをいう。

3 「原料物質」とは、次のものをいう。ウランの同位元素の天然の混合率からなるウラン同位元素ウラン235の劣化ウラントリウム金属、合金、化合物又は高含有物の形状において前掲のいずれかの物質を含有する物質他の物質で理事会が随時決定する含有率におい、て前掲の物質の1又は2以上を含有するもの理事会が随時決定するその他の物質

第21条 署名、受諾及び効力発生

A この憲章は、1956年10日26日に、国際連合又はそのいずれかの専門機関のすべての加盟国による署名のため開放され、かつ、それらの国による署名のため90日間開放しておかれる。

B 署名国は、批准書を寄託することにより、この憲章の当事国となるものとする。

C 署名国の批准書及びこの憲章の第4条Bの規定に基き加盟国としての地位を承認された国の受諾者は、ここに寄託国政府として指定されるアメリカ合衆国政府に寄託するものとする。

D この憲章の批准又は受諾は、各国がその憲法上の手続に従って行うものとする。

E この憲章は、附属書を除くほか、18国(この18国のうちには、カナダ、フランスの、ソヴィエト社会主義共和国連邦、グレ−ト・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメリカ合衆国のうち、少くとも3国を含まなければならない。)がBの規定に従って批准書を寄託した時に効力を生ずる。その後に寄託される批准書及び受諾書は、それが受領された日に効力を生ずる。

F 寄託国政府は、この憲章のすぺての署名国に対し、各批准書寄託の日及びこの憲章の効力発生の日をすみやかに通報するものりとする。寄託国政府は、すべての署名国及び加盟国に対し、いずれかの国がその後この憲章の当事国となる日をすみやかに通報するものとする。

G この憲章の附属書は、この憲章が署名のため開放された最初の日に効力を生ずる。

第22条 国際連合への登録

A この憲章は、寄託国政府により、国際連合憲章第102条の規定に従って登録される。

B 機関と加盟国との間の協定、機関と他の機関との間の協定及び機関の承認を条件とする加盟国間の協定は、機関に登録されるものとする。それらの協定は、国際連合憲章第102条の規定に基き登録を必要とするときは、機関により、国際連合に登録されるものとする。

第23条 正文及び認証謄本

 ひとしく正文である中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語により作成されたこの憲章は、寄託国政府の記録に寄託するものとする。この憲章の正当に認証された謄本は、寄託国政府により、他の署名国政府及び第4条Bの規定に基き加盟国としての地位を承認される国の政府に送付されるものとする。

 以上の証拠として、下名は、正当に委任を受け、この憲章に署名した。

1956年10月26日に国際連合本部で作成した。

 (各国代表署名省略)

附属書I 準備委員会

A 準備委員会は、この憲章が署名のため開放された最初の日に設立されるものとする。同委員会は、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チェッコスロヴァキア、フランス、インド、ポルトガル、南アフリカ連邦、ソヴィエト社会主義共和国連邦、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメリカ合衆国の各1人の代表者並びに国際原子力機関憲章に関する国際会議により選ばれる他の6国の各1人の代表者により構成される。準備委員会は、この憲章が効力を生じ、総会が会合して、第6条の規定に従い理事会が構成されるまで、引き続き存在する。

B 準備委員会の費用は、国際連合が提供する借款によりまかなうことができ、このため、準備委員会は、国際連合の適当な当局と必要な取極(その借款の機関による返済のための取極を含む。)を行うものとする。これらの資金では不足であるときは、準備委員会は、諸政府から前払金を受けることができる。この前払金は、当該政府の機関に対する分担金と相殺することができる。

C 準備委員会は、次のことを行う。

1 準備委員会の役員を選出し、同委員会の手続規則を採択し、必要なときは随時会合し、その会合の場所を決定し、及び必要と認める委員会を設置すること。

2 書記局長及び必要とされる職員を任命すること。それらの者は、準備委員会が決定する権能を行使し、及び同委員会が決定する任務を遂行するものとする。

3 総会の第1回会期の準備(仮議事日程及び手続規則案の作成を含む。)を行うこと。同会期は、この憲章の効力発生後できる限りすみやかに開催されるものとする。

4 第6条A1、A2及びBの規定に従い、第1回理事会の構成員の指定を行うこと。

5 総会の第1回会期及び理事会の第1回会合のため、機関にとって重要な事項で即時取り上げられるべきものにつき、研究、報告及び勧告を行うこと。これらの事項には、

(a)機関の会計、(b)機関の第1年度の事業計画及び予算、(c)機関の運営上の企画に関連する技術的問題、(d)機関の恒久職員団の設置並びに(e)機関の恒久本部の所在地を含む。

6 理事会の第1回会合のため、機関の法的地位並びに機関と招請国政府との間の関係における権利及び義務を定める本部協定の規定につき、勧告を行うこと。

7(a)この憲章の第16条の規定に基く協定の案を作成するため、国際連合と交渉を行うこと。その案は、総会の第1回会期及び理事会の第1回会合に提出するものとする。

(b)総会の第1回会期及び理事会の第1回会合に対し、この憲章の第16条において予定する機関と他の国際機関との関係に関して、勧告を行うこと。

ヴェネズエラ共和国国際連合代表部から国際原子力機関憲章に関する国際会議議長あての昭和31年10日25日付の書簡に述べられた条件ヴェネズエラ代表は、次の了解に基き、政府の承認を条件として、この憲章に署名する。

1 第17条に関し、ヴェネズエラの行うこの憲章に対する署名又は批准は、そのつど行われる同国の明示の同意なしに国際司法裁判所の管轄権を受諾することを意味しない。

2 第18条Cにいうこの憲章のいかなる改正に関しても、ヴェネズエラは、条約の批准及び寄託に関する憲法上の規定があらかじめ履行されていない場合には、その改正を有効なものと認めない。