最近におけるわが国のエネルギー需給状況から原子力発電対策を急いでおく必要のあることはいうまでもないことであるが、さしあたって導入すべき原子炉としては、訪英原子力発電調査団の報告にもあるように、英国型がよいと考えられている。しかしながらこれを導入するにあたっては地震対策をはじめまだ種々検討すべき問題点がすくなくないので今年も再度調査団を派遣することが考えられている。さきに訪英調査団が解散した後、原子力委員会においては、動力炉専門委員会でこれに対する検討を進めていたが、特に地震対策については英国と全く条件を異にする点からも十分な検討を行う必要があると考えられ、その問題の重要性にかんがみ専門家よりなる小委員会を設置してこの対策にあたらせることになり、下記の人々が委員に委嘱された。 原子炉地震対策小委員会メンバー
同小委員会は、3月23日第1回、同30日第2回の会議を開催したが、その概要を以下にしるす。 第 1 回 日時:昭和32年3月23日(土)午前10時から 場所:人事院ビル 原子力委員会会議室(236号室) 出席者:石川原子力委員 武藤委員以下17委員 法貴局次長の開会の挨拶にはじまり、小委員会設置の経過説明があり、武藤教授に委員長を依頼し、また委員の自己紹介が行われた。
第 2 回 日 時:昭和32年3月30日(土)午前10時から 場 所:建築学会会議室 出席者:石川原子力委員 武藤委員長以下16委員 久田(建築研)、梅村(東大)、黒柳、秋野(原研)、浅田、 各委員が持ち寄った資料を中心として説明、質疑および検討が行われた。 |