ブラッセル国際万国博覧会

開催期日

 昭和33年4月17日〜11月14日

場所

 ベルギー ブラッセル

博覧会の性格

 昭和3年の国際万国博覧会規約による博覧会で、戦前ブラッセル(昭和10年)、パリ(昭和12年)、ニューヨーク、サンフランシスコ(昭和14年)で開かれたものと同じ性格のもので、戦後は今回はじめて開催されるものである。

参加の経緯

 わが国としては、昭和30年9月30日博覧会参加に関する閣議決定を行い参加の態度を明らかにした。

 出品は、日本館を建設し、ここに展示することとしていたが、本年10月8日付のわが国の準備委員会あての書簡により日本館とは全く別にアトミウム(Atomium)の建設を通知し、これへの出品を要請してきた。

 アトミウムは、中空に懸る9個の原子をかたどる球形展示室と地上展示場一室とから成る。このおのおのの球形展示室は直径18メートルであり、直径3メートルの管状の通路によってそれぞれ連絡されている。高さは、約110メートルであって、中心に垂直に円筒が立ち、ここをエレベーターが通って、地上から最高部にある球形室まで25秒で見物人を運ぶ。各ま求形室の間隔は29メートルでこの間をエスカレーターが結んでいる。9個の球形室のうち、上部の4室は展望用にあてられることとなっており、展示場としては下の4球形室が用いられる。

 このうち4球形室は2階になっており、1階の展示場面積が240m2である。展示にあてられる全体の広さは次のとおりである。

    4球形展示室
   各 480m2
    1球形展示室
240m2
    1地上展示場
700m2
     合  計
  約 2,800m2

 わが国は、この球形展示場の1階の2分の1、すなわち120m2を借りて展示することを希望している。

出品内容

 出品内容については関係方面と慎重に検討の上決定するが、以下のごときものが考慮されている。

  1.東海村、国産原子炉、サイクロトロンの模型
  2.アイソトープの利用関係の展示
  3.サーベー・メーター、カウンター、フィルムバッジ、R.I.照射器、ガンマ線探傷器、厚み計、黒鉛等

 なお、同博覧会への出品内容については、日本原子力研究所、日本学術会議、日本原子力産業会議、通商産業省、文部省、その他の研究所を加えて12月10日第1回打合せ会を開いた。

準備予定

 昭和31年11月20日 ベルギーにてアトミウムにつき打合せ会

経費 原子力館に必要な経費については下記のとおり大蔵省に要求している。


  昭和32年9月末日   出品物発送
12月1日
  装飾開始
  昭和33年3月31日
  装飾および展示完成
4月17日
  博覧会開会
11月14日
  博覧会閉会