原子燃料公社予算要求増額

 原子燃料公社において昭和32年度概算要求総額を1,487,308千円として計上したが、その後さらに昭和34年に完成を予定される国産原子炉に供給する燃料要素約6〜7トンを生産するためにはさらに製錬関係の設備能力を増大する必要があるので、検討の結果154,035千円の増額を必要とするため、ここに原子力委員会の決定を経てこの増額分を大蔵省に要求した。(これについては本誌30ページ参照)この予算の内容は次のごとき計画からなっている。

(1)パイロットプラント

 重点を抽出、精製、還元の二工程におく。

 原料鉱石は当初輸入鉱石を考慮するが、目標は国内鉱におく。本プラントの抽出施設は1日鉱石処理30tとして、精製、還元、熔解施設の能力はこれに対応するものとする。

 またこれら諸施設の附帯設備として重要なものは、電力、給水、廃滓廃水処理、保安、工作等の諸設備および住宅である。

(2)鉱石試験所

 昭和31年度債務負担行為で一部建設が新年度初頭に完成するが、これの残部を引き続き早期に完成してパイロットプラントの運転開始に先だち、各種鉱石についての製錬方式の判定、作業管理分析、製品品位検定などの機能をそなえるようにする。