原子力平和利用調査団の米国派遣

 本年6月、米国ブルックヘヴン原子力調査団来日の際、斎藤科学技術政務次官から原子力調査団渡米あっせんの申入を行い、これを米国対外援助使節団本部に照会の結果、米国政府から受入れに異存のない旨回答があった。したがって、米国対外援助資金の一部をもって原子力平和利用調査団を派遣することとした。

 調査団は下記のごとく、わが国の国会議員、原子力局、日本原子力研究所その他民間における原子力関係者をもって組織され、わが国の原子力の研究、開発利用の推進に寄与するため米国の主要原子力関係諸機関を歴訪し、その研究開発の態勢を視察、権威者と懇談し、技術、社.会経済両面より調査、検討するものである。

調査団 メンバー
国会議員   有田 喜一
  海野 三朗
  斎藤 憲三
  白川 一雄
  前田 正男
  松前 重義
原子力局   鈴木 嘉一
  小斎   弘
原子力研究所   阿部 滋忠
産業会議   大塚 益比古(電源開発)
  島村   同(東京電力)
  長安  実(関西電力)

 なお、本調査団は9月8日出発、10月2日帰国の予定である。また、同調査団は協議の上、下記調査題目を決定した。

原子力平和利用調査団の調査題目

(1) 国際原子力機関と米国の対外原子力政策について一特に動力協定について
(2) 日米の原子力技術提けいの際における特異性
(3) わが国の原子力開発方式についての米国各界の意見
(4) 米国において原子力開発を進めるについての官民の具体的協力体制について
(5) 米国原子力関係の企業系列について
(6) 米国原子力発電開発の現状について
(7) 米国における発電原価の詳細特に燃料問題と保険
(8) 原子力船舶の現状と将来について
(9) 原子力燃料の資源的技術的諸問題
(10) 米国における原子力特許の推移とその将来について
(11) 廃棄物処理の状況について
(12) 原子炉の安全性とその施設について
(13) アジア原子力センターについて
(14) アイソトープおよび放射線の産業への応用について
(15) 放射線の安全管理方式について
(16) 人員養成の具体的方策