アイソトープ利用の技術者養成訓練計画

 昭和31年度のアイソトープ利用に関する技術者の養成訓練計画については、かねて原子力局が中心となって関係各省、各試験研究機関および関係団体と数回にわたり会合を行い、その運営方法、講習会の内容等について協議した結果、次のような結論に達した。

 従来の講習会の形態は継承するが、これを更に強化するため会期を延長し、特に実習に重点をおき、実習は基礎実習、専門実習に分け、専門実習は理工学コース、農学コース、工業コースに分類して講習を実施することが適当である。また更に原子力およびラジオアイソトープに関する知識は日常生活に必要となりつつある現状から、次代の青少年の教育にあたることが望ましい。

 以上の趣旨から原子力局では、昭和31年度の夏期におけるアイソトープ利用に関する技術者養成の講習会を次の要領で関係団体によって実施させることになった。

(1)日本放射性同位元素協会では、従来の講習会を強化し、日本原子力産業会議と共催により講習期間を延長し、その内容の充実を図る。

(2)日本放射性同位元素協会では中学校、高等学校の理科教員がアイソトープに関する正確なる基礎知識を修得することの必要性にかんがみ、本年はじめての試みとしてこれら理科教員を対象として講習会を別途開催する。

(3)日本科学技術連盟では、アイソトープの工業的利用の促進をはかるため、主として民間会社の技術者を対象とする「ラジオアイソトープセミナー工業コース」を開催する。

 以上の養成訓練計画の概要は下表のとおりである。なお、冬期における講習会は別途に計画中である。

昭和31年度の夏期講習会の概要