第4章 新型炉の開発
1 新型転換炉

(3)研究開発の成果

i 原型炉関係の研究開発
 大洗工学センターに重水臨界実験装置,14MW熱ループ,コンポーネントテストループ及び実規模安全試験施設を建設し,これら施設を用いた開発試験を基に,「ふげん」の炉心設計,安全設計,燃料集合体の開発などを推進してきた。
 燃料集合体,圧力管集合体,炉本体などの重要機器は,重要部品の試作,試験を行い機器の設計・試作・試験・改良を実施して実機を設計・製作してきた。
 さらに「ふげん」の建設,総合系統試験の経験など,新型転換炉に関する知見とノウハウは「ふげん」の設計当時とくらべて飛躍的に増大している。
 「ふげん」の機器・システム並びに燃料の性能と信頼性の実証のため,燃料・材料の照射後試験と「ふげん」の経験に鑑み,運転保守に重要な水処理,防蝕,除染及び供用期間中検査技術の確立等の開発を重点に進めるとともに,これらの成果を実証炉の開発にも反映していく。

ii 実証炉関係の研究開発
 昭和51年度に実証炉のための流動伝熱研究が開始され,実証炉関係の研究開発は設計研究,炉物理,伝熱流動,安全性,部品・機器,燃料材料の諸項目について研究が行われている。
 実証炉に必要な研究開発は,動力炉・核燃料開発事業団が担当して行い,その結果を解析評価して実証炉の設計・建設・運転に反映できる形にまとめ,実施主体である電源開発株式会社に提供する。
 実証炉では「ふげん」および軽水炉の経験を反映し,「ふげん」から大型化のために改良した機器の性能確認試験,改訂指針類への対応などのための実証試験に重点を置いて研究開発を進める。

(i) 設計
 新型転換炉評価研究,基本設計評価,設計コードの改良

(ii) 安全性
 制御棒挿入性確認試験,小破断模擬試験,ポイズン急速注入試験

(iii) 運転信頼性
 燃料交換機の試作試験
 燃料の核熱特性試験
 燃料の試作,照射試験
 圧力管集合体,シールプラグの健全性確認試験

(iv) 運転保守性
 供用期間中検査機器開発
 腐食・水質管理等に関する試験


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