昭和57年版
原 子 力 白 書 昭和57年10月
原子力委員会
昭和57年原子力年報の公表に当たって ここに,昭和57年原子力年報を公表いたします。
我が国の商業用原子力発電は,既に24基,1,718万キロワットの規模に達し,昭和56年度の総発電電力量の約17%を占め,今や原子力は国民生活や経済活動に不可欠なものとなっており,さらに長期的にも我が国のエネルギー供給の中核を担うものとして原子力に対する期待はますます高まっています。この期待に応え,今後原子力の開発利用を進めていくためには原子力発電所の立地促進をはじめとして,自主的な核燃料サイクルの確立,新型動力炉,核融合等の研究開発の促進,国際協力の推進等具体的施策を今後ますます積極的に展開していかなければなりません。このため原子力委員会は昭和57年6月,21世紀を展望した今後10年間の目標を示す新たな原子力開発利用長期計画を策定しました。
本年報は,昭和56年度及び昭和57年9月頃までの期間を対象として新しい開発目標に向けて進められている原子力発電の開発,新型転換炉 ウラン濃縮等実用化移行段階を迎えている研究開発,さらには,核不拡散を中心とする原子力国際問題などについて,記述するとともに,上述の長期計画の概要等を紹介しています。
本年報が我が国の原子力開発利用の現況について,広く国民各位のご理解を得るために役立つことができれば幸いです。
昭和57年10月
国 務 大 臣 原子力委員会委員長 中川 一郎
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