第1章 原子力開発利用の動向と新長期計画
1 着実に進展する原子力発電

(5)軽水炉の技術向上の状況

 軽水炉は今後とも長期にわたり我が国の原子力発電の主流となる炉型であり,この軽水炉を我が国において一層定着化させ安定した運転を維持し得るよう努めることが極めて重要である。
 このため,国,電気事業者及び機器メーカーが一体となって昭和50年度から昭和55年度にかけて第一次及び第二次改良標準化計画を実施した。この結果,従業員の作業放射線量の低減,稼働率の向上等の成果をあげており,これは,我が国で現在建設中もしくは建設準備中のプラントに適用されている。
 さらに,昭和56年度からは,昭和60年度の終了を目途として,第三次改良標準化計画を開始した。ここでは,第一次及び第二次改良標準化計画に引き続き在来型の軽水炉について一層の改良標準化を図るとともに,改良型軽水炉(APWR及びABWR)の開発により,炉心を含むシステム全体としての改良及び標準化を行い日本型軽水炉の確立を図ることとしている。昭和56年度はその具体的な実施方針,内容等を検討した。また第三次改良標準化計画に沿って,その中で特に重要な技術課題であるインターナルポンプ及び高性能燃料について安全性及び信頼性に関する確証試験を昭和56年度から開始した。
 また,機器類の品質保証については,その一層の充実を図るため,国としても指針類の策定をはじめとする品質保証の基盤の整備等積極的な方策を実施している。


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