第3章 国際関係活動
3 核拡散防止体制強化に関する国際的協議

(1)原子力平和利用先進国間会議(ロンドン協議)

 昭和50年4月以来,原子力資材及び技術の輸出政策に関して意見交換を行うため,当初,我が国のほか,米国,ソ連,英国,フランス,カナダ,西ドイツの7カ国に,後にイタリア,オランダ,ベルギー,スウェーデン,東ドイツ,チェコ,ポーランド,スイスを加えて,ロンドン協議が行われている。
 昭和51年2月,本件協議に基づき,各国の原子力資材輸出規制政策を相互に一方的に通報し合うことになり,我が国は輸出に際しては,輸出品が輸入国において核爆発装置に使用されないよう,国際原子力機関の保障措置が適用されるよう留意するといった内容を通報している。我が国としては,平和利用確保のための国際協力の重要性を認識し,今後も,かかる協力のための具体的方策につき関係各国と協議するとともに,我が国としても,現行法令の範囲内で,できる限りこれに協力していく方針である。
 特に,昭和52年9月に開かれた会合では,我が国から,現在,日加交渉で問題となっている「二重規制問題」を国際的に検討するために作業部会を設けることを提案し,各国の賛同を得た結果,同作業部会の会合を早急に開くこととなり,現在関係諸国と開催準備中である。
 なお,我が国から外国への核原料物質,核燃料物質,原子炉等原子力関係資材の輸出は,知識集約産業としての原子力産業の育成,発展の見地から,それが盛んになることは好ましいことと考えられるが,我が国の原子力の研究,開発及び利用は,原子力基本法第2条により,平和の目的に限られており,昭和37年4月の原子力委員会決定では,我が国は,外国の原子力利用に関係する場合にもこの原子力基本法の精神を貫くべきであることを明らかにし,輸出に際しても,この方針で臨むこととしている。
 具体的には,この方針は輸出貿易管理令に基づく輸出承認に際して尊重されている。


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